村の若者 車尾
その後、馬耀の恒例・謎ドリンクにより一命をとりとめたグー子だが、やはりピサロは疑心の目つきをしていた。
それはそれとしてグー子はまた依頼をこなしていくのだろう。今回は紛れだと思っているに違いない。
ならば、常備薬や非常事態に備えて着付け薬などか必要でないだろうか。
ということで、真夜中、仕方なくキュームは廃墟化した病院へ向かう。足音を立てないよう裸足で階段を降り、ラベンダー荘の外へ出たら靴を履いた。
あまりにも巨大な月が村を照らしているため、灯りすらないのにくっきりと見える。(月ってこんなデカかったけ?……あれ、本当に月?)
「……ゾンビに気をつけなきゃな」
ゾンビとはどんなものか謎だが、齧られたりしたら脱走したのがバレてしまう。
「にしても村のわりに巨大な病院。移設されたみたい」
大学病院くらいはあるだろうか。月明かりに照らされて、不気味さを醸し出していた。
「ふ、ふ、ふ〜〜、不良です?? こーんな時間、外に出てるです? 真夜中に?」
いきなり真横から声をかけられ、肝が冷えたが――あどけない少女が佇んでいた。
「アナタ、ラベンダー荘のひとなのです。私は村の数少ない若者です。村の情報網はなめてはいけないのです」
らしい。
「ま、まあ……」
「どこにいきたいのです? 案内します?」
「病院かな」
「良いですよ〜〜、まずはお名前を自己紹介します。車尾と申します」
小学低学年くらいの子供は礼儀正しく、ペコリとお辞儀をした。
「私はキューム。よろしく」
「キュームさん、では病院に行きます。中はとってもスリリングなので気をつけてくださいです」
そう言うと車尾はパタパタとビーチサンダルを鳴らしつつ、歩き始めた。
真夜中に出歩く小学生、ホラー演出フラグしかない……!
車尾はどうやら後醍醐天皇が関連した、地名らしいですね。
名前の響きが先で九頭雲にしようかな、とか考えたのですが、会雲と被るのでやめて地名を拝借しました。





