表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/57

犬蠱

「無事に帰ってこれたみたいですね。心配していました」

 ラベンダー荘に帰宅するや否や、大家の馬耀が冷たい謎の飲み物を用意してくれた。

 見た目は……ミックスフルーツジュースに見えるが……。

「村の特産品で、疲労回復効果があるんです。ラリってしまわない量で調合しました」

「ええっ! またそういう類いの」

 匂いを嗅いでみるが他の果物にかき消されて分からない。

「キュームさんは慣れていると思いますので」

「い、いや、ヤク中扱いしないでくださいよ……」

「何がとは言わないのですが大量摂取していたみたいなので、いけるかな、って」

 うふふ、と少女はイタズラっぽく笑い、グラスを渡してきた。

 今までの経緯はどうやら筒抜けらしいので仕方なく、飲んでみる。甘くて美味しかった。フルーツジュースだが爽やか。

「……あ?」

 視界がグニャリと歪み、馬耀が妖しいかんばせで何かを囁いた気がした。





「疲れて寝てたのか……」

 意識が浮上して、身を起こすと先ほど依頼を受けた居間にいた。

「ああ、良かった! 花実、元に戻ったのね……」

 家族全員から祝福されている少女がいて、確かにあの憑き物は落ちたのだと察する。花実という少女は自分自身と同じぐらいの、高校生くらいだろうか。

 涙を流して喜んでいる両親に不格好な笑みで応えている。

 ――あれだけじゃないの。あれだけじゃ。

 彼女の暗い声色が脳に直接響いた。

 ――まだたくさん、殺して埋めてしまったんだから。

 生首の犬たちが唸りを上げ、浮遊し居間に花実を凝視している。

 ――おまじない、なんて信じなければ良かった。

 おまじない。

 キュームは脳裏に引っかかる。確か、キュームも何かしらのおまじないをかけた。

 何だっただろう?

花実は犬をあれして埋めてしまったようです。

猫の恨みも壮絶と聞きますが、犬も恐ろしそうです……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ