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グイの意味

 麦茶は冷えてとても美味しく感じて、何杯もおかわりしてしまった。体の芯が冷えてやっと平生になりつつある。

 今までは物事に振り回されて衣食住を気にもとめていなかったからだ。

「あの、グイを使って敵をなんとかとか、強いとか……結局、アレは何なんですか?」

 ――狐、狗、牛とも呼ばれる大妖魔。

 グイはそう自ら名乗っていた。真の大妖魔(仮)は眼前にいるが……。

「グイ、ってどういう意味があると思いますか」

「グイ……食い?」

「グイって中国語で鬼っていうんですよ。そんな得意な名前、誰がつけたか分からないのですが、アレは鬼とも例えられる危険な妖魔なのです」

 穏やかな笑顔で彼女は密やかに告げる。夜になりかけの闇に溶け込み、なんとも不気味だった。

「貴方は素質がある。グイを使って会雲を――」

「買ってきました。馬耀さん」

 ピサロとグー子が中庭へやってきて、半ばホッとした。人生で違う意味でここまでドキドキさせられるのは初めてである。

「ありがとうございます。冷えピタと、レトルトカレー、トイレットペーパー。きちんと買えましたか」

「トイレットペーパーは一番安いの選びましたよ」

 ドヤ顔で言うものだから、おかしなものだ。お使いを頼まれた子供みたいだ。

「村のコンビニ、店長が相変わらず狂ってたね。でも品ぞろえはいいから訳わからないね」

「あの人は根が真面目なんです」

 村にコンビニが?

 初耳だが狂った店長とやらにはお会いしたくないので、とやかくは言わないでおいた。

「そういえばトイレって」

「共用便所ね」

「そ、そうなんだ……」

今のアパートで共用トイレはないとは思いますが……。

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