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魔獣 会雲
大家についていくと、隣家の蔵だった。さすがに住宅は廃墟化しているらしく蔦が絡まってモサモサになっている。
「普段はここにいるので、何かしらあったら訪ねて下さい」
古めかしいものばかりの蔵の中は意外にもひんやりしている。そうして背筋も。
作業台のようなものがあり、彼女は何やら巻物を棚から一つ選び、広げた。
「これは?」
「会雲という金の森を象徴する魔獣の絵です。かの獣がいる限り金の森は黄金に輝き、この世を錯乱させる」
巨大な虎――に見えるがグイと同様ちがうのだろう。
「かつて会雲を見た、そんな者が書いたかわら版のようなものですが」
大家は静かに語りかけてきた。
「会雲に会いたくありませんか、かの魔獣は何でも願いを叶えてくれるといわれています」
「……」
「昔、この村は普通の農村でした。ある人が金の森を悪だと決めつけ会雲を捕まえ、封じてしまったのです。そうして村の理は狂ってしまった……」
「そんな大切な情報、私に教えて大丈夫なんですか」
頷くと、少女は巻物を大切にしまった。
「可能性に、かけてですよ」





