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ヤバい女
茅生 玖麦――キュームは刃物で刺されたはずだったが、痛くも痒くない。瞼を開けると刃物らしき物体すらなかった。
「なにこれ、幻?!」
「いいや……ワタシはお前の命を獲った。くく……あははは! やっとだ! やっとワタシは自由になれたぞ!!」
陰気臭い長ったらしい髪を大ぶりな三つ編みにした――女性が哄笑している。
「うわ、なにあれ?? は? 命?」
「何も知らないようだね! お前は命を奪われて死んだ! だがワタシが下僕としてこき使えるように、人形にしたんだ! 感謝しろっ!」
「し、しん――え、えーっと、すいません。どちら様ですか。私、なんも知らなくて。この森とか」
「は? 怖がらないのかよ」
「怖がる以前にワケわかんなくて笑えますよ」
「このーっ!! 反抗的な小娘がー!!」
前髪を掴まれて、怒鳴られるがキュームはハァ? と眉をひそめるだけであった。
「……この森は金の森と呼ばれている。黄金の森、とも」
金の森。
「何で私ここに来たんですか」
「お前が罪人だからだ」




