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キューム 刺される

 ―金の森


 黄金に輝く雑木林。


 神仏の使いがいるという神出鬼没の森。鳥獣が寄りつかないのだそうだ。だからといって木々が枯れ果てているとか、毒草があるとかではない。そこいらにある雑木林となんら変わらない。

 夕暮れ時にことさら黄金に輝く摩訶不思議な雑木林。

 そこは金の森と呼ばれていた。






 茅生(かよう) 玖麦(きゅうむ)はまったくもって見たことのない森に迷い込み途方に暮れていた。

 変哲もない雑木林だとは思うが、やけにまぶしい。夕焼けに照られているからだろうか?

 まるで金色に光っているようだった。

 玖麦はとある事情(・・・・・)で逃げていたので好都合だと胸をなで下ろしていたものの、出口が一向に現れない。

 疲労困憊し、困ったものだと座り込んでいると、どこからか風に乗ってせせら嗤うような音がして顔を上げた。

「誰かいるの?!」

「ああ、いるよ。こっちにおいで。さあ、早く」

 女性の声だ。この迷宮の如し雑木林の出口を知っているかもしれない。

 腰を上げ、声がする方へ歩み寄る。いきなり眼前に何かが現れ――鋭い何かで胸を貫かれた。

(――刺された。罠、だったんだ。それもそっか、私は)

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