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# 第四話 初めての常連さん!?

第四話です!

今回はちょっと他のに比べて遅くなってしまいましたが、完成しました!

どうぞお読みください

# 第4話 初めての常連さん!?


「……え、五十人?」


 翌日。


 私は自分のチャンネルを開いて、画面に表示された数字をじっと見つめていた。


 登録者数、五十人。


 昨日までは、たしか四人くらいしかいなかったはずなのに。


「な、なんで……?」


 思わず声が漏れる。


 もしかして、何かの間違い?


 私はページを更新した。


 五十人。


 もう一度更新した。


 五十人。


「ふ、増えてる……本当に増えてる……!」


 いや、五十人ってすごくない!?


 私、まだ二回しか配信してないんだけど!?


 ……いやいや、落ち着こう。


 きっと、あの切り抜き動画のおかげだ。


 そう考えれば納得できる。できるけど……。


「うぅ……見られてるんだ……」


 嬉しい。


 嬉しいけど、恥ずかしい。


 自分の悲鳴が知らない人に聞かれていると思うと、今すぐ布団に潜り込みたくなる。


 でも。


『次の配信も楽しみにしてます!』


 あのスーパーチャットのメッセージを思い出した。


 ……せっかく楽しみにしてくれている人がいるんだ。


「……今日も、やってみよう」


 私は配信ソフトを起動した。


 タイトルは、


『【3回目】今日こそ落ち着いて配信したい』


 うん。


 目標は明確だ。


 落ち着いて配信する。


 悲鳴を上げない。


 電源ケーブルを抜かない。


 よし!


 配信開始!


『こんばんはー!』

『クロちゃん待ってた!』

『今日はPC抜かないでねw』


「ひゃあっ!?」


 開始早々、コメントが流れた。


 しかも、最後のコメント!


「ぬ、抜きません! 今日は絶対に抜きませんから!」


『宣言してて草』

『前回の教訓w』

『有言実行できるかな?』


「で、できます! たぶん!」


 ……たぶんって言っちゃった。


 違う。今のは違うから!


 私は慌ててゲームを起動した。


 いつものNEXC。


 慣れたゲームなら、少しは落ち着けるはずだ。


 ……たぶん。


「今日は探索をメインにやろうと思います。戦闘は、できれば避けたいです」


『Noxって戦闘めっちゃ強くなかった?』

『切り抜きの狙撃やばかった』

『本人は戦いたくないの草』


「えっ? あ、あれはたまたまです!」


 いや、本当にたまたまだと思う。


 相手が見えて、撃ったら当たった。


 それだけだ。


 ……いや、普通はそんなに当たらない?


 考えないことにしよう。


 私はキャラクターを操作して、街の外へ出た。


 少し歩いたところで、遠くに敵プレイヤーの姿が見えた。


「あっ、敵……!」


 反射的に遮蔽物へ隠れる。


 敵がこちらに気づいたらしい。銃声が響いた。


「うわぁぁ!? 撃ってきた! 撃ってきたんですけど!?」


『落ち着いてw』

『いつもの』

『敵のほうがかわいそうまである』


「か、かわいそうじゃないです! 私がやられちゃうんですよ!?」


 私は遮蔽物から一瞬だけ顔を出した。


 敵の位置を確認。


 照準を合わせる。


 撃つ。


 敵が倒れた。


「……あれ?」


 画面には、撃破通知。


 私はしばらく固まった。


「……た、倒せた?」


『倒したwww』

『悲鳴からの瞬殺』

『エイムどうなってんの?』


「い、今のは相手が止まってたからです!」


 そうだ。


 相手が止まっていた。


 だから当たった。


 きっとそう。


 私は小さく息を吐いて、次の場所へ移動した。


 その後も、敵に遭遇するたびに悲鳴を上げては撃破するという謎の配信が続いた。


 そして、配信開始から三十分ほど経った頃。


『しろねこ:こんばんは! 今日も見に来ました!』


 コメント欄に、見慣れない名前が流れた。


「し、しろねこさん……こんばんは!」


 今日も見に来ました。


 その言葉が、なんだかすごく嬉しかった。


 昨日も来てくれた人なのかな。


 わざわざ、私の配信を見に来てくれた。


 それだけで、胸の奥がじんわり温かくなる。


『しろねこ:今日もクロちゃんの悲鳴が聞けて安心しました』


「安心しないでください!?」


『wwwww』

『もはや定番』

『悲鳴が配信の挨拶なの草』


「わ、私、悲鳴を売りにしてるわけじゃないんですけど……!」


 コメント欄が笑いで埋まった。


 ……あれ?


 私、今、ちゃんと会話できてる?


 もちろん緊張はする。


 コメントを読むたびに心臓は跳ねるし、何を言えばいいのか分からなくなる。


 それでも。


 画面の向こうに、私の言葉を聞いて笑ってくれる人がいる。


 それは、思っていたよりもずっと楽しいことだった。


 配信終了の時間。


「えっと……今日も来てくださって、ありがとうございました!」


 私は少しだけ勇気を出して、頭を下げた。


「また、よかったら見に来てください!」


『もちろん!』

『次回も待ってる!』

『おつクロ!』


「お、おつクロ……?」


 初めて見る挨拶だった。


 なんだか、私の名前から作ってくれたみたいで。


「……お、おつクロです!」


 配信を終了したあと、私は椅子の上でしばらく動けなかった。


 登録者数は、五十七人になっていた。


 たった七人。


 ……いや。


 七人も増えたんだ。


「……えへへ」


 思わず、笑みがこぼれた。


 誰かを笑顔にできたらいいな。


 そんな理由で始めた配信だった。


 まだまだ緊張するし、悲鳴も止まらない。


 だけど。


 もう少しだけ、続けてみたい。


 そう思えた。


お読みいただきありがとうございます!

今回は主人公の配信によく来る常連さんを追加してみました

私も主人公の配信見たいなぁ…

ではまた

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