# 第二十四話 地の国に平穏を!
ダンジョンの核を破壊し、崩壊するダンジョンから脱出したクロたち。
しかし、地の国を襲う異変はまだ終わっていなかった。
街に隠された魔力結晶。そして、そこに残る魔族たち。
地の国に本当の平穏を取り戻すため、最後の戦いに挑みます!
「魔力結晶の反応、あっちです!」
マップに表示された反応を確認し、私は街の奥を指差した。
ダンジョンの核を破壊したことで、あの場所から魔物が送り込まれることはなくなった。けれど、街に残っている魔族はまだ健在だ。
魔力結晶を壊しただけで、すべてが終わるわけじゃない。
「バルガスさん、住民の避難はお願いします!」
「任せろ! 騎士団にも連絡を入れてある!」
バルガスさんは力強く頷くと、すぐに周囲の人たちへ指示を出し始めた。
私はマップを開き、周囲の状況を確認する。
魔族の反応は複数。街のあちこちに散らばっているようだ。
一体ずつ相手をしていたら時間がかかる。
「まずは魔力結晶の破壊を優先します。魔族は結晶を守ろうとしてくるはずなので、そこに集まってくる可能性が高いです」
「つまり、結晶の場所へ向かえばいいんだな」
「はい!」
私たちは街の奥へと進んでいく。
途中、何度か魔族と遭遇したものの、足を止めるわけにはいかない。周囲の状況を確認しながら、可能な限り戦闘を避けて進んだ。
そして――。
「見つけた!」
建物の陰に隠れるようにして、淡く光る結晶が置かれていた。
その周囲には、複数の魔族がいる。
どうやら、ここを守っているらしい。
「やっぱり守っていましたね……」
「ここを壊せば、空間魔法は完全に止まるんだな?」
「そうです。だから、あの結晶を壊します!」
魔族たちがこちらに気付いた。
次の瞬間、こちらへ向かってくる。
「来ます!」
私は一歩前に出た。
結晶を守ろうとする魔族たちを相手に、ここで引くわけにはいかない。
仲間たちと連携しながら、少しずつ敵の数を減らしていく。
相手も必死なのか、簡単には退いてくれない。
それでも、こちらには目的がある。
「今です!」
魔族の注意が逸れた隙に、私は結晶へと駆け寄った。
そして、渾身の一撃を叩き込む。
パキンッ!
澄んだ音が響き、結晶に亀裂が走った。
もう一度、力を込める。
バキィンッ!
結晶が砕け、光の粒となって空中へ散っていった。
同時に、周囲の空気が大きく揺れる。
「……これで、空間魔法の接続が切れたはずです」
『うむ。確かに、遠くへ続いていた魔力の流れが消えた』
地の大精霊の声が響く。
これで、魔族が新たに増援を送り込むことはできなくなった。
けれど――。
「まだ終わっていません!」
私は周囲を見渡す。
魔族の反応は、まだ残っている。
結晶を守っていた魔族たちも、こちらを睨みつけていた。
「こいつらを倒して、ようやく終わりですね」
「そういうことだな!」
バルガスさんたちも合流し、残った魔族との戦闘が始まった。
先ほどまでとは違い、もう敵が増える心配はない。
それなら、あとは目の前の相手を倒すだけだ。
私はマップを確認しながら、仲間たちに位置を伝えていく。
魔族の動きを見逃さないように、周囲にも注意を払う。
一体、また一体と、魔族の反応が消えていく。
そして最後の一体が倒れたとき――。
「……終わった?」
思わず、そんな言葉が口から漏れた。
マップを確認する。
魔族の反応は、もう残っていない。
「どうやら、そのようだな」
バルガスさんが周囲を見渡す。
街のあちこちでは、避難していた住民たちが少しずつ戻り始めていた。
騎士団も到着し、残った魔族がいないか確認を進めている。
ようやく、本当に終わったんだ。
『よくやってくれた』
地の大精霊の声が、穏やかに響いた。
『そなたたちのおかげで、この地に再び平穏を取り戻すことができた。礼を言おう』
「いえ、私たちだけの力じゃありませんよ」
『それでも、そなたたちが成し遂げたことに変わりはない』
その言葉とともに、周囲に柔らかな光が広がった。
大地から温かな魔力が流れ込んでくるような、不思議な感覚。
『これは、我からの感謝の証だ。そなたたちの旅路に、大地の加護があらんことを』
「ありがとうございます!」
私は素直に頭を下げた。
これで、地の国での目的はすべて達成できた。
ダンジョンの異変も、空間魔法の問題も、街を襲った魔族も。
全部、解決したんだ。
その後、私たちは街の人たちから何度も感謝の言葉をもらった。
中には、涙を浮かべながら頭を下げてくる人までいて、少し照れくさくなってしまった。
「本当に、ありがとうな」
バルガスさんがこちらへ歩いてくる。
「お前たちが来てくれなければ、この街はどうなっていたかわからん」
「そんな、大げさですよ」
「大げさなものか。胸を張っていい」
そう言って、バルガスさんは笑った。
「またこの国に来ることがあれば、いつでも歓迎する。今度はゆっくり観光でもしていってくれ」
「はい! そのときはお願いします!」
こうして、私たちの地の国での冒険は幕を閉じた。
大変なこともあったけれど、振り返ってみれば、得られたものも多かったと思う。
新しい出会いもあったし、知らなかったこともたくさん知ることができた。
そして何より――。
「次はどこへ行こうかな」
まだ見ぬ場所は、きっとたくさんある。
私は次の冒険に思いを馳せながら、街の外へと歩き出した。
地の国に、平穏が戻った。
私たちの旅は、まだまだ続いていく。
今回は地の国編の最終話です!
魔力結晶を破壊するだけでなく、残っていた魔族も倒して、ようやく一件落着となりました。
地の国での冒険はここまで。次回からは新しい展開に入ります!
次回は、NEXC編です!
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