# 第二十二話 ダンジョンの核を壊せば終わりですよね!?
今回は、ダンジョンの核を破壊した後の脱出回です!
崩落する洞窟を、仲間たちと協力しながら必死に逃げるクロたち。バルガスの盾役としての活躍にも注目です!
そして、ダンジョンが消えても事件はまだ終わらない……。ぜひ最後までお楽しみください!
巨大ムカデを撃破した私たちは、ダンジョンの最深部へと進んでいた。
「……ここに、ダンジョンの核があるんですよね?」
『そうだ。この先にある』
地の大精霊が答える。
私は、目の前にある巨大な扉を見つめた。
これまでのダンジョン探索。
魔物との戦闘。
巨大ムカデとの死闘。
……うん。
長かった。
「……やっと、ここまで来たんですね」
『ああ。だが、油断するな。核を破壊するまでは、何が起こるか分からん』
「そ、そうですよね……!」
私はコントローラーを握り直した。
回復薬は、まだ残っている。
仲間もいる。
地の大精霊も、契約者たちも一緒だ。
……大丈夫。
きっと大丈夫。
「……よし。行きます!」
私は扉を開けた。
* * *
扉の向こうには、広大な空間が広がっていた。
天井は高く、壁には巨大な魔力結晶が埋め込まれている。
そして、部屋の中央には。
黒い石でできた巨大な球体が浮かんでいた。
「……え?」
球体の周囲には、いくつもの魔力の線が伸びている。
それらは壁や天井へとつながり、ダンジョン全体へ魔力を供給しているようだった。
画面の中央に、文字が表示される。
『ダンジョンコア』
「……これが?」
『そうだ。この核が、ダンジョンを維持している』
地の大精霊が静かに答えた。
『核を破壊すれば、ダンジョンは消滅する』
「……なるほど」
私は画面を見つめた。
ここまで来るのに、かなり大変だった。
蜘蛛。
岩の魔物。
巨大ムカデ。
そして、ボス戦。
でも、これでようやく終わる。
「……よし!」
私は主人公を操作し、核へと近づいた。
すると、画面に選択肢が表示された。
『ダンジョンコアを破壊しますか?』
「……はい!」
迷う理由はない。
私は、決定ボタンを押した。
* * *
――ピィィィン……!
核が、淡く光り始めた。
そして。
――バキィィィン!!
黒い球体に、亀裂が走った。
「……え?」
次の瞬間。
核が、砕け散った。
パァァァ……!
部屋全体に、強烈な光が広がる。
魔力の線が次々と消えていく。
壁に埋め込まれていた結晶も、輝きを失っていった。
「……やった?」
私は画面を見つめた。
ダンジョンコア。
破壊。
これで、ダンジョンは消滅する。
……はず。
そのときだった。
――ゴゴゴゴゴ……!
「……ん?」
地面が揺れた。
最初は、小さな振動だった。
しかし、すぐに大きくなっていく。
天井から、細かな石が落ち始めた。
「…………え?」
画面に、警告が表示される。
『警告。ダンジョン構造が崩壊しています』
『施設の崩落を確認』
『速やかに脱出してください』
「…………」
私は、ゆっくりと画面を見つめた。
「……え?」
もう一度、警告を確認する。
『速やかに脱出してください』
「……えええええええ!?」
コメント欄が一気に流れ始めた。
『崩落きたあああ!』
『逃げろクロちゃん!』
『核壊したら崩れるのかw』
『早く脱出しないと!』
「ちょ、ちょっと待って!? 聞いてないんですけどぉぉぉ!!」
私は慌てて主人公を走らせた。
* * *
――ドゴォォン!
背後で、巨大な岩が落下した。
「ひゃああああ!?」
画面が大きく揺れる。
通路の一部が崩れ、道が塞がれていく。
「ちょ、ちょっと!? 道がなくなってるんですけど!?」
『右の通路!』
『そっちじゃない! 戻って!』
『クロちゃん、マップ見て!』
「わ、分かってます! 分かってますけどぉ!」
私はマップを開いた。
……あ。
今いる場所から、出口までの道が表示されている。
ただし、いくつかの通路が赤く点滅していた。
『崩落危険区域』
「……え?」
さらに、画面の隅にタイマーが表示された。
『崩落までの残り時間 1:50』
「……時間制限!?」
私は思わず声を上げた。
いやいやいや!
今まで散々探索させておいて、最後に時間制限は聞いてない!
「……もう! さっさと逃げます!」
私はコントローラーを握り直した。
主人公を先頭に、ガルド、フィリア、エルフィが走り出す。
その後ろには、地の大精霊と契約者たち。
そして、バルガスさん。
「おう! 出口まで俺が道を守る!」
バルガスさんが、巨大な盾を構えた。
――ドゴォォン!
天井から落ちてきた岩を、盾で受け止める。
「うおおおおお!!」
「えっ!? バルガスさん!?」
『任せろ! この程度の岩、どうってことねえ!』
……すごい。
筋肉モリモリの脳筋盾野郎。
こういうとき、本当に頼りになる!
「……バルガスさん、かっこいい!」
『ガハハハ! 褒めても何も出ねえぞ!』
「いや、普通にすごいですって!」
コメント欄も盛り上がっていた。
『バルガスさん頼もしすぎるw』
『盾で岩を受け止めるのかwww』
『脳筋タンク、ここで輝く!』
* * *
私たちは、崩落する通路を必死に走った。
途中、道が塞がれている場所もあった。
「……えっ!? 通れない!?」
前方には、巨大な岩が転がっていた。
その隙間は、どう見ても狭い。
「どうしよう……!」
『ガルドに任せろ!』
コメントを見て、私はガルドに切り替えた。
大剣を構える。
「ガルドさん! お願いします!」
――ドゴォォン!
大剣が岩に直撃した。
亀裂が走る。
もう一撃。
岩が砕け、通路が開いた。
「やったぁぁぁ!」
『ガルドさんも大活躍!』
『破砕担当w』
「よし! 先に進みます!」
私は主人公を走らせた。
……いや、走らせたつもりだった。
間違えてリリア……ではなく、フィリアに切り替わった。
「……あっ」
『クロちゃんwww』
『今は逃げる時間だぞw』
「分かってますぅぅぅ!!」
慌てて操作を戻す。
その間にも、背後から崩落の音が迫ってくる。
――ドゴォォン!
――ガラガラガラ……!
「ひゃああああ!!」
もう、怖い。
ボス戦より怖い。
ムカデは倒せば終わりだった。
でも、崩落は止まらない。
どんどん道がなくなっていく。
「……早く! 早く出口ぃぃぃ!!」
* * *
ようやく、出口が見えてきた。
遠くに、外の光。
「あっ! 出口!」
私は思わず声を上げた。
しかし。
最後の通路の天井が、大きく崩れ始めていた。
「……え?」
巨大な岩が、次々と落ちてくる。
このままでは、出口までたどり着けない。
そのとき。
「全員、下がれ!」
バルガスさんが叫んだ。
巨大な盾を地面に突き立てる。
――ドゴォォォン!
落ちてきた岩を、盾で受け止めた。
「うおおおおおおお!!」
筋肉が盛り上がる。
盾が大きく震える。
しかし、バルガスさんは一歩も引かなかった。
「今だ! 走れぇぇぇ!!」
「……はいっ!」
私は主人公を走らせた。
仲間たちも、契約者たちも、地の大精霊も。
全員が一気に出口へ向かう。
そして――。
――ドゴォォォン!!
最後の岩が落ちる。
私たちは、ギリギリで洞窟の外へ飛び出した。
* * *
「……はぁ……はぁ……」
私は、椅子の背もたれに身体を預けた。
画面には、洞窟の入口が映っている。
その奥から、轟音が響いた。
――ゴゴゴゴゴ……!
そして。
――ドォォォン!!
巨大な洞窟の一部が崩れ落ちた。
「…………」
私は、しばらく画面を見つめた。
「……生きてる?」
『生きてるw』
『脱出成功!』
『バルガスさん、マジで頼もしかった!』
『クロちゃん、最後の走りうまかったぞ!』
「……よ、よかったぁ……」
私は深く息を吐いた。
怖かった。
ものすごく怖かった。
でも。
全員、無事に脱出できた。
……うん。
それだけで、十分だ。
* * *
地の大精霊が、崩れた洞窟を見つめていた。
『これで、ダンジョンは消滅した』
「……よかった」
私は小さく頷いた。
しかし。
地の大精霊は、すぐに視線を変えた。
『だが、まだ終わっていない』
「……え?」
私は画面を見つめた。
『ダンジョンの核は破壊された。だが、外部から空間魔法を維持しているものが残っている』
「空間魔法……?」
『ああ。ダンジョンの内部と外部を繋ぎ、魔物が洞窟の外へ出られるようにしていたものだ』
私は、ゆっくりと考えた。
……つまり。
ダンジョンは消えた。
でも、魔物が外へ出てくる原因は、まだ残っている。
「……じゃあ、まだ事件は解決していないんですか?」
『そうだ。空間魔法の依代となっている魔力結晶を破壊する必要がある』
「……なるほど」
私は頷いた。
……うん。
まだ終わりじゃない。
でも。
今は、もう。
「……ちょっと休憩させてください……」
『お疲れw』
『崩落からの脱出、手に汗握った!』
『次は魔力結晶を探すのか』
『クロちゃん、回復薬補充しておこうなw』
「……はい」
私はアイテム欄を開いた。
回復薬。
……うん。
まだ、ある。
でも、次の戦いがあるなら、補充しておきたい。
「……次は、回復薬を買ってからにします」
『結局そこwww』
私は、少しだけ笑った。
――こうして。
クロたちは、ダンジョンの核を破壊し、崩落する洞窟から脱出した。
しかし、事件はまだ終わっていない。
外部からダンジョンを支えていた魔力結晶。
そして、その背後にいる何者か。
次に待ち受けるのは、洞窟の外での新たな戦いだった。
ダンジョンの核を破壊したら、洞窟が崩れ始める展開にしてみました!
バルガスは筋肉モリモリの脳筋盾役らしく、落ちてくる岩を受け止めて仲間を守る役で活躍。クロたちも協力しながら、何とか脱出成功です。
ただ、空間魔法を維持している魔力結晶はまだ残っているので、次回は洞窟の外での事件に繋がります。
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