# 第十八話 次の国へ向かう途中、襲われている人を助けました!
今回は水の国を出て、次の目的地である地の国へ向かいます!
旅の途中で思わぬ出会いが……?
ぜひお楽しみください!
水の国での冒険を終え、私たちは次の目的地へ向かっていた。
地の国。
その名の通り、大地や鉱石、魔力晶などが豊富な国らしい。
……うん。
魔力晶。
なんだか、すごそう。
「次の国では、どんな冒険が待っているんでしょうね!」
私はわくわくしながら、コントローラーを握っていた。
『水の国も楽しかったし、次も期待!』
『地の国ってどんな感じなんだろう』
『そろそろ新しい仲間も増えるかな?』
「新しい仲間……!」
そうだった。
今のパーティーは、勇者の私、ガルド、フィリア、エルフィの四人。
それぞれ役割が違うし、戦闘でも探索でも助けてもらっている。
でも、まだまだ仲間になれるキャラクターはいるはずだ。
地の国にも、きっと魅力的な人がいるに違いない。
「……よし! 楽しみ!」
私は地図を確認した。
目的地までは、街道を進んでいけばいいらしい。
途中には小さな村や休憩地点もある。
景色を楽しみながら、のんびり進める旅。
……のはずだった。
◇
街道を進んでいると、突然、画面の端に小さな警告が表示された。
『前方で戦闘を確認』
「……ん?」
私は操作を止めた。
道の先には、数人の人影が見える。
その周囲を、複数の魔物が取り囲んでいた。
「えっ!? あれ、襲われてる!?」
人影の一人が剣を構えている。
しかし、相手の数が多い。
別の人物は地面に倒れ、動けない様子だった。
「ちょ、ちょっと待って! 大丈夫なの!?」
『イベントかな?』
『救助イベントっぽい』
『助けに行こう!』
「もちろんです!」
私は勇者を走らせた。
その後ろをガルド、フィリア、エルフィが続く。
魔物たちはこちらに気づくと、一斉に振り向いた。
「うわっ!? こっちにも来た!」
私は慌てて剣を構えた。
先頭の魔物が飛びかかってくる。
回避。
そして反撃。
勇者の光の剣が魔物を斬りつけた。
「よしっ!」
続いてガルドが大剣を振り下ろす。
重たい一撃が魔物に直撃し、体力を大きく削った。
『ガルド強い!』
『やっぱ前衛は頼りになるな』
「ガルド、お願いします!」
『任せろ!』
フィリアも杖を掲げ、魔法を放つ。
火の玉が魔物に命中し、周囲を明るく照らした。
エルフィも杖を構え、離れた場所から援護している。
……うん。
みんな、頼もしい!
私はそのまま攻撃を続けた。
魔物が一体。
また一体。
最後の一体が倒れると、画面に戦闘終了の表示が出た。
『VICTORY』
「……ふぅ!」
私は大きく息を吐いた。
「よ、よかったぁ……!」
危なかった。
いや、今回はそこまで苦戦しなかったけど!
それでも、襲われていた人たちが無事でよかった。
◇
私は倒れていた人物の近くへ移動した。
その人は、どうやら怪我をしているらしい。
鎧を身につけた護衛らしき人物が、そばで心配そうに声をかけていた。
『大丈夫ですか!?』
『……ああ。なんとか』
倒れていた人物は、ゆっくりと身体を起こした。
落ち着いた服装。
身につけている装飾品も、どこか高級そうだ。
そして、周囲には護衛らしき人物が何人もいる。
「……えっと」
私は画面を見つめた。
「この人、もしかして偉い人……?」
『護衛がいるし、そうかも』
『服装もなんか上品だね』
『貴族イベントかな?』
すると、助けた人物がこちらを向いた。
『……あなた方が、助けてくださったのですか?』
「は、はい!」
私は慌てて返事をした。
ゲームのキャラクター相手なのに、なぜか緊張する。
『ありがとうございます。あなた方が来てくださらなければ、どうなっていたことか……』
「い、いえ! そんな!」
私は画面の前で首を振った。
もちろん、ゲームの中なので実際に見られているわけではない。
でも、こういう場面で何を言えばいいのか分からない。
すると、ガルドが一歩前へ出た。
『礼なら受け取っておこう。だが、まだ危険がある。まずは安全な場所へ移動したほうがいい』
『そうですね……』
助けた人物は頷いた。
その後、護衛たちが周囲を確認し、私たちは街道の近くにある休憩所へ移動することになった。
◇
休憩所に着くと、助けた人物は改めて私たちに礼を述べた。
『この度は、本当にありがとうございました』
「い、いえ……!」
私は少しだけ視線をそらした。
こういうとき、どう返事をすればいいんだろう。
助けたのは、困っている人がいたから。
それだけなのに。
……うぅ。
やっぱり、こういう会話は苦手だ。
すると、その人物が少し微笑んだ。
『私は地の国で、ある役目を担っている者です』
「……地の国?」
私は思わず顔を上げた。
次の目的地の国。
まさか、関係者だったなんて!
『あなた方は、地の国へ向かっているのですか?』
「は、はい! そうです!」
『それなら、ぜひ私に案内させてください。あなた方には、きちんとお礼をしたい』
「えっ!? いいんですか!?」
私は思わず身を乗り出した。
地の国の人に案内してもらえる。
しかも、助けた相手がかなり重要な人物らしい。
『もちろんです。私は地の国でも、それなりの立場にありますから』
それなり。
……それなりって、どれくらい?
私は首を傾げた。
すると、護衛の一人が静かに口を開いた。
『こちらの方は、地の国でも上位の貴族にあたるお方です』
「…………え?」
私は固まった。
上位の貴族。
地の国の偉い人。
……ええええ!?
「えっ、そんな人だったんですか!?」
『そういうことだね』
『クロちゃん、すごい人助けしたなw』
『これは後で役に立ちそう』
「い、いや! そんなつもりじゃ……!」
私は慌てて手を振った。
ただ、襲われていたから助けただけなのに。
まさか、こんな展開になるなんて。
助けた人物は、私たちを見つめて言った。
『地の国では、今少し厄介な問題が起きています。あなた方の力を借りることになるかもしれません』
「……厄介な問題?」
私は首を傾げた。
地の国で何か起きているのだろうか。
その人物は、少しだけ表情を曇らせた。
『詳しいことは、国へ戻ってからお話ししましょう』
「……はい!」
私は頷いた。
次の国では、どんな冒険が待っているんだろう。
魔物が襲ってきた理由も気になる。
そして、地の国で起きているという厄介な問題。
……なんだか、普通の旅では終わらなそうな予感がする。
「……よし!」
私はコントローラーを握り直した。
「地の国へ、出発です!」
『次の国だ!』
『新しい冒険楽しみ!』
『今度はどんな事件が待ってるんだろう』
こうして、私たちは地の国へ向かうことになった。
助けた人物が、地の国の上位貴族だったこともあり、入国や案内についても便宜を図ってもらえるらしい。
……うん。
これは、かなり心強い。
でも。
そのときの私は、まだ知らなかった。
地の国で起きている問題が、魔族の計画と深く関係していることを。
そして、次の冒険が、これまで以上に大変なものになることを。
――地の国編、開幕である。
旅の途中で助けた人が、まさか地の国の上位貴族だったとは……!
次回からは地の国編に入ります。どんな事件が待っているのか、クロたちの冒険を見守っていただけたら嬉しいです!
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