最終決戦編⑨
「いい!!すごい!!すごい!!すごい!!田中太朗すごい!!」
―アリエーテは自身の頬に両手を当て顔を火照らせながら田中太郎のオーラを遠くから眺めていた―
「田中太郎、君はすごいよ。あの白いのは輪を保有しているというのに確実に勝てないにしてもそれを追い詰めるなんて、なんてすごい!、すごいよ!、しかもその状態で繊細な魔力操作が出来るなんて」
―アリエーテは体をそわそわとさせながらデカい図体で乙女の様な雰囲気を漂わせている―
「しかもギチギチに魔力を詰めた魔法を・・・・!?」
―アリエーテは急に体を沈め、口を手で覆い隠し鼻に指をそわした―
「まさか、圧縮したのはワザと?、いや、故意にやったのは分かる。魔力を圧縮する事によって限定的に威力を高める為だ。でも、あんなに詰めるか?、あんなに魔法を詰めたら発動前に爆発する可能性が高くなってしまう、・・・「発動前」?、!?、田中太郎は『浸食』と唱えたか?、いや、唱えてない!!」
―アリエーテはしゃがみこんだ体を起こし、ゆっくりと田中太郎に目線を映した―
「田中太郎は魔法を唱えていない、つまりあの魔力の塊は『浸食』じゃない、ただの魔力の塊だ、物凄く『浸食』に酷似しているがだ」
―アリエーテは高角を片方だけあげ、苦笑いの様な笑みを見せた―
「わらわを騙すとはな、ハハっ・・・、魔法世界のわらわが引っ掛かってしまう程の繊細な魔力操作、あの白いのが気づくわけがない・・・」
―アリエーテは唾を一口飲んだ―
「まさか、田中太朗・・・君は、勝つ気なのかい?」
―アリエーテの目、眼差しは寸刻前とは明らかに違っていた―
「輪を保有している者に・・・」
―その目は「見て見たい」という様な光を宿した眼差しであった―
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―周囲に光は無かった―
―だが、ホワイトは視界に黒い者を捉えていた―
―ホワイトがオートで視野をサーモグラフィーに変える前にホワイトは闇から放たれる光によって田中太郎の姿を捉えていた―
〈(あの光は、先刻のアレスとかいう魔法の!!)〉
―ホワイトは焦っていた、自身の計算が狂っていたからである―
〈(ワタシの計算が外れるなんて、こんな事は今までになかったハズなのに、こんな時に限って!!))
〈今だけ、もっと良いAIにしてくれなかったジョセフさんを恨みそうです〉
―ホワイトは不気味に光っている田中太郎の姿を見上げながらそう独り言を発した―
〈(クソッ!!、このままじゃ田中さまは魔力不足で死に至る可能性が出てしまう。どこで田中さまの事を間違ったのか、分からないですが・・・諦めませんよ、ワタシは)〉
―木々が揺れる、空宙に浮いている田中太郎から放たれる魔力の波動によって木々が地面に潰される様に揺れる、異様な揺れ方だ―
―風が舞う、多くの葉が木々から離れ、田中太朗から逃げるように地面に落ちてもなお地面から地面へと不気味に落ちっていった―
―空気が詰まるような雰囲気になる、深夜に誰もいない暗い少し大きな部屋でなる振り子時計の様に徐々に空気が詰まっていった―
―そして、振り子時計は時間が来ると大きな鐘の音を鳴り響かす―
―それが、今だ―
「『浸食』」
〈自爆〉
―ホワイトは田中太郎の元まで、飛び、自爆機能を発動させた―
―白い太陽の様な眩い光を周囲に巻き散らかすと空中に浮いてるにも関わらず、地面ごと、山1、2個分程の円周上に衝撃を伝染するかのように耳鳴りがするほどの音を巻き散らかし爆破した―
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〈ごほっ、ごほっ・・・・これじゃギャグマンガよりもギャグマンガですね〉
―ホワイトは地面を這いながら煙の中から体を出しながら、へなへなとした笑みを見せながら爆破した周囲を見渡した―
〈苦労して、苦労して、最後がこんなって、これじゃサイバイマンをこれからバカに出来ませんね〉
―ホワイトは周囲を見渡した―
〈田中さまも近くにいる筈なんですが、またもや、計算が外れました・・・〉
―ホワイトは視野をサーモグラフィーモードにし、緑の視界の中に地面にちょっと大きな石のような大きさで光っているのを発見した―
〈あ、いました。意外と離れてますね。ワタシも疲れているというのに最後まで世話がかかる人ですね〉
―ホワイトはタメ息を一息吐きながら、地面をゆっくりとほふく前進の様にして田中太郎の位置に向かって
いった。ホワイトはタメ息を吐きながらぐちぐちと田中太郎の軽い悪口を言いながら地面をほふく前進で這っていたがその顔には薄っすらと笑みを零していた―
〈本当にまったくです〉
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〈フー、ふー、はぁ、はぁ・・・いや~、意外と遠かったですよ、田中さまの為にここまでくるのは〉
―ホワイトは10分程地面を這いながら田中太郎の所まで来た―
「・・・・・・・ふーーー・・・ふーーー」
―田中太郎の顔の周りには黒いどろどろとした液体が頭から地面に浸透していた―
〈良かった、息はちゃんとありますね〉
―田中太郎の顔は肌がマグマの焦げの様にぐつぐつと黒くなっていたがそれでも田中太郎は微かではあるが息をしていた、頭部だけの状態で―
〈この状態で生きてるのもまぁおかしいですが、今はそんな事を考えたくないですね〉
―ホワイトは田中太郎の頭部を両手で持つと地面に後頭部をつけ横になりながら、田中太郎の頭部を上にあげ見た―
〈・・・・こんなにまるまで戦っていたんですね〉
―ホワイトは静かにそう言った―
〈『アクア』〉
―ホワイトの両手から体から噴出させていた液体を田中太郎の頭部にまとわりつかせた―
〈ここまで戦うなんて馬鹿ですね〉
―周囲にはホワイトの声だけが聞こえる―
〈覚えてますか、最初にあった時にもこんな感じでワタシは自爆したんですよ、しかも同じあの黒い状態の時にね〉
―ホワイトは続けて話を続けた―
〈そうですね、田中さまを次に見た時は・・・ふふっ、なんかよく分からないヤクザと戦ってる時ですね。ビックリしましたよ、ヤクザの事務所に入った時は〉
―ホワイトは口を止めた―
〈そして、そのヤクザ達を無残に殺してましたね〉
―ホワイトは話を続けた―
〈その次は、モールでしたね、田中さまがナポレオンにやられたのはビックリしましたよ、でも、因果応報かなって正直思いましたよ~、本当に田中さまは良い事をしてくださいよ。全くですね。まぁ、あかねに会えたのはいい誤算でしたよ〉
―ホワイトは少し笑みを含みながら話を続けた―
〈あとはワタシの家で話をしていましたね、AIロボットと培養液に遣った頭部だけの男って傍から見たら結構キツイ状況ですね~って思っていましたよ、しかも、田中さまの話は暗かったし、変な独り言をたまに言うし、田中さまが楽しい顔で話す時は冒険の話しかしないし、それから、ワタシの話もちゃんと聞いてくれて、ちゃんと感想も言ってくれて、一緒に笑ってくれて、一緒に考えてくれて、一緒に・・・・・あの一か月は〉
―ホワイトは〈ふっ〉と優しい笑みを零した―
〈なんだかなんだ言って〉
〈楽しかったです〉
―ホワイトは片手を地面に置くと田中太郎の頬をアクアの液体越しに優しく触った―
〈ワタシの体内にある『アクア』を田中太郎に譲渡〉
―ホワイトの手から液体が田中太郎の周りにまとわりつく、その液体はゆっくりと頭部から体のある位置へと移動した―
〈田中さま・・・〉
―バランスを保つために地面に突っ伏しているホワイトの片腕が徐々に震えていった―
〈あなたは、これから苦労するでしょう。それも、身体的にも精神的にも、そして、あなたは良い人ではないです、でも、あえて言います。〉
―ホワイトの髪の様になっている液体も徐々に少なくなっている―
〈あなたは良い人だ〉
―ホワイトの視界は黒くなっていった―
〈ふふっ・・・、Aiが矛盾を言うなんて、ね。それでも・・・・〉
―ホワイトは途中で言葉を発する事が出来なくなっていた、それはエネルギーの大半を田中太郎に譲渡していた為である―
〈 〉
―ホワイトはバランスを崩しながら田中太郎を両手で抱きしめた―
―そして―
―最後はニコッとした笑顔を田中太郎に向けた―
―鉄の塊が落ちた乾いた音が小さく周囲に響いた―
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「なるほど、な。・・・」
―アリエーテは首を下に下げ、体重を右腰にかけながら両手を腰につけていた―
「あの白いのは最初から本気じゃなかったという訳か」
―アリエーテは下に向けていた目線を田中太郎とホワイトが戦っていた山側に目線を向けた―
「この有り様がすでに物語っている」
―アリエーテは月夜に照らされた地面がえぐれ倒れた巨大な木々と強大な地震で土砂崩れで平坦に変わった壊れた山々を見ながらため息交じりにそう言った―
「しかも、この変わりようが一瞬の内に起こったという事実、手を抜いていたという言葉じゃままらない程にあの白いのは田中太郎に対して本気を出していなかった。」
―アリエーテ少し落ち込んだ様子を見せた―
「(いや、あの最後の攻撃が本気・・・ではないだろう。それだけじゃない、最後の攻撃以外高速移動によるソニックブームがあの白いのにはなかった、おそらくは周りへの被害を考慮して科学の力でカバーしたった感じか)」
―アリエーテはため息をまたもや出した―
「最初から死なない様に愛でられていたと言ってもいい程に「差」があった・・・って事か」
「『輪』を保有している者にはやはり勝てないのか・・・」
―アリエーテは目を通して見ていた『アクア』を通してな傷が治らずお黒焦げになった田中太郎に対して手をかざした―
「『治癒』」
―田中太郎の顔がゆっくりの筋を取り戻し肌を取り戻していく―
「さぁ・・・」
―アリエーテは顔をニヤッとさせながらこう言った―
「0を1にした後は1を2にしないといけないよな~」
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




