対話
第三話
対話を始めると普段とは異なる光景に戸惑った。応えてくれたのは《反射》の人格で銀髪ショートの少女なのはいつも通りなのだが、普段は遠いところでずっと椅子に座っている彼女が目の前に立っていたのだ。
「おぉ、おはよう…」
「…おはよう御座います、我が主にお伝えしたいことがあります。」
これも初めてのことだ。聞いた話だとこう言った時に能力について教えてもらえることが多いらしい。前のめりになって次の言葉を待つ。
「…改めまして、私の名前はミラと言います。スキルNo.1《反射》のミラです。…もうすぐあの子、《接続》が起きるので、それまでに私の力が使えるよう鍛錬して頂きたいのです。」
「ちょっと待ってくれ、聞きたいことが多い。え〜っと、まず、ミラだっけ?《能力》の人格に名前があるなんて初めて聞いたけど??」
「…私含め全ての人格には名前があります。正確に言うと《能力》の人格に名前があるのではなく私達が《能力》の本体で人間に与えられる際に分かりやすく《能力》としての名称がつけられます。そして本名を名乗るかどうかは私達に任せられている為知らない方が多いのかもしれません。No.についても同様です。」
「さらっと次の疑問までありがとう…。で、《接続》が起きるからミラの能力を使えるようになって欲しいってのは?」
「…本人では無いので詳しくは分かりませんがあの子の能力は文字通り、接続力です。突然使えるようになって意図せず接続して動けなくならないよう私で練習して欲しいということです。」
確かに今まで《反射》すらまともに使っていないのだから突然新しい能力が使えるようになったら当然使いこなせない。そうならない為に《反射》を使えるようになることは必要な事に思える。
「わかった、よろしく頼むよ」
「…では、まず私の能力は物を写す事です。限度はありますが大きさ、形が自由な鏡を作れると思って貰えれば大体合っています。例えばーー」
そう言うとミラの体が銀色になり、次の瞬間目の前にはミラではなく自分が立っていた。
「こんな感じで鏡を自分自身に貼り付ければ姿•形を変えることもできます。そして鏡の部分は写した対象と同じ性質になります。但し性質ごと写すのは1つまで、他の物を写す場合は古いものがただの鏡像となります。また生物は対象外です。例えば竜を自らに写しても竜にはなれません。竜の写った鏡を纏っただけですので飛んだり、火を吐いたりは出来ません。これを踏まえて練習をしていきましょう。」
対話を行う空間は人格によってまちまちです。ただ意識だけなので鍛えたり食事をしても実際の体には何も起こっていません。




