進攻
第11話
私は餓えていた。竜の上位種として産まれ、体も能力も強かった私は本気の戦いというものをしたことがない。
5年前、神など宣う者に種族ごとの生存競争に巻き込まれた際は少々心が踊ったが、結局の所、元々数の少ない龍族は自らの戦闘能力を理解しながらも敵の出方を待つという選択をした。
私もそれ自体は賛成だった。蛮勇が好きなわけではなく純粋に戦いを望んでいたのだから。十分に敵を把握し、この世界を把握してから動くのは当然だ。
だが、私の考えが甘かったようで龍族は5年もの間、静観を貫くこととなった。
5年待ち、漸くこちらから仕掛けることになったが相手は人族。無論舐めてかかる訳では無いが個々の戦闘力は低く神から能力を与えられてやっと戦える者たちに私を満足させてくれる相手がいるとは思えなかった。
「兄貴、今回はとりあえず1当たりって事でしたが何時間位攻撃しましょう?」
そんなことを考えていると風竜の1頭が声をかけてきた。
こいつはアールス、今回の副隊長を務めている。
「そうだな、確か人族は要塞を外壁から多重構造で建てているとの事だったな。」
「そうッスね、斥候の報告はそうだったと思います。」
「ならば、一先ずそれを1つ落とす程度にする。その後は人族の出方次第だ。」
「了解〘総員、目標は敵要塞の制圧、その後は追って連絡する。〙っとこれで全員に共有出来たッス。」
「…あ、あぁご苦労。」
「?、どうしたッスか?」
「いや、見られている気がしてな」
「報告では人族の警戒網は陸から1500kmだったと思いますが…」
「あぁ、きっと気のせ…
ーー瞬間、歴戦の勘が危険を告げるーー
アールス!!目の前に壁を出せ!!」
「え!?ウ、風帯」
アールスは突然の命令に戸惑うものの流石に副隊長を務めるだけの逸材、即座に帯状に圧縮した空気を吐いた。
「どうしたんスか、兄貴!?」
「来るぞ!!」
「来るって何がーー」
キンキンキン!!風帯によって止められた金属の矢がお互いぶつかり合って大きな音を立てた。
「な、コレって!?」
「間違いない、人族の長距離狙撃だ!!〘被害は!!〙」
〘こちら最後尾ワイズ、後方の風竜に数名当たったものが居ますが大きなダメージにはなっていません。〙
〘了解した、総員既に人族に発見されている。最速で突撃し的を絞らせるな!〙
「炎槍!!」
身に宿る炎を槍状に固めて投擲する。敵の目は先程から勘が教えてくれている。当然こちらからは見えていないがきっとそこにいるのだろう。炎槍が当たって倒れてくれれば幸運、回避で目が一瞬でも離れればそれで良かった。
思惑通り、着弾する間際視線が切れた気がした。
間際に視線が切れたということは槍が届く前にこちらの攻撃に気付いたということだ、楽しい戦いが出来る予感を胸に号令を出した。
「総員、突撃!!」
お久しぶりです、水守です。漸く人以外のキャラを出せました。語りをしていた龍は名乗っていませんが、次かその次辺りで名乗ってくれると思います。まだ名前を考えていない訳じゃないですよ!?
5月中には名乗れると良いなと思いますので楽しみに待っていてください!(さぁ、名前考えないと…)




