022 父帰る
AMI歴12年5月15日 砂金神社 砂金家居間
砂金奏
亮人も一くんも無事に戻ってきてくれて本当に良かった。
止める間もなく事態が色々と動いてゆき、自分の為にと動いてくれる皆に、色々申し訳ない気持ちやら不安やらでいっぱいいっぱいだ。
亮人や羽依ちゃんなど銃を持った相手とやりあっただなんて、聞いた時は本当にびっくりしたわよ。
そりゃ、前世では私だって命がけで戦ってきたけれど、今生においては戦いなんかとは無縁な平和な日本でのほほんと生きてきたのだ、こっちで身に付いた常識だってそれなりにある。
私には前世と殆ど変わらないようなマインドで戦いに臨める亮人や一くん達と同じように振る舞う事はとても出来そうにない・・・・いや違うか、出来ないでは無くしたく無いと言う方が正しいかも知れない。
私の中にいる二人の私、砂金奏という『私』とフィルレーン・イル・フィーラレルという『私』、それぞれが持つ常識の狭間で気持ちが混乱しているのだ。皆も条件は同じだと思うんだけどどうやって折り合いをつけているのか。
でも亮人が央華連邦の人間の追跡に向かうのはともかく、羽依ちゃんがそれに付いて行ったのは正直以外な気がしていた。
彼女は確かに面白そうであれば余計な事に顔をつっこむ事もためらわないような娘ではあるが、あくまでも第三者的なポジションで事態を一歩引いた所から客観的に観察(録画)するのが常だと思っていた。
・・・何か気になる事でもあるのかしら?
と、とりとめもなくさまよっていた思考を今に戻すと、皆で一くんから尾行がどうなったかの話を聞いているところだった。
「・・・で、そのマンションが敵のアジトなのか?」
「それを確かめようと、裏口からマンション内部に侵入したら犬上と羽依ちゃんとやりあったゼンモン持ちと鉢合わせしちゃって」
「はーん、あいつ等もそこへ逃げ込んだなら、拠点の一つで間違いは無さそうだな」
「でもさ、そういうのって敵に場所が特定されたらすぐ撤収しちゃうんじゃないの?」
「む・・・確かにそうだな・・今頃もう撤収してる可能性の方が高いか」
「あう・・・欲をかかずに場所が分かった時点で撤収した方が良かったですかね・・・?」
「済んだ事を言っても始まらないよ、で、そのゼンモン持ち達はどうしたの?」
「はいっ、二人ともダメージが残ってたらしく動きは鈍かったので男はすぐ気絶させて女の方も処理しようとした所で邪魔が入りまして」
「邪魔?」
「エレベーターで降りてきたその人物は他のゼンモン持ちとは比べ物にならない強さで、やりあったのはほんの僅かな時間だったけど、少なくとも全力の僕と互角の力と速度で戦い、雷精を身にまとっ
ていました」
「雷精をまとってって・・・・一くんと同レベルで精霊を現界化してたと言うの?」
「うん、精霊同士のせめぎ合いもほぼ互角だった、継戦能力がどの位あるのか分からないけど、残った女まで戦闘に混ざってこられたら一気に押されかねないと思ってすぐ撤退してきちゃいました」
一くんと同等の精霊を纏った敵ってそれは・・・・
「そのマンションには竜脈源か竜脈があったの?」
「いやー無かったよ、おかげで消費した魔力の補充が出来なくて大変だったし」
「ねぇ、一くん・・・私は前世で精霊使いと呼ばれていたけれど、精霊結界でも敷かない限り地球では当然前世のように自由には精霊魔術なんて使えない、結界無しの状態でなけなしの魔力を使って一時的に精霊を召喚できても、現界で精霊を維持し続けるだけの魔力が続かないからすぐに精霊は退去しちゃうのよ」
地球側で一般的なゼンモン持ちが扱える精霊魔術なんて制約だれけなのだ。
「だから矢を少し誘導するとか効果が一瞬で切れるような術にしか使用出来ないのね。体内や個人領域内でなら多少燃費を良くして魔力を持たせる事が出来るけど、それでも地球ではとても神の祝福を受けて精霊の加護を持つ勇者のようには精霊を長時間纏い続けるなんて出来ないのね、ましてや竜脈源も竜脈も無い状況じゃあ尚更ね」
「はい?」
「だから・・・そんな状況下で一くんと同レベルで精霊を纏って戦闘出来たって事は・・・ひょっと
してその相手も勇者なんじゃ無いのかな?」
「おおおぉ?」
「まじかよ」
「勇者!?央華連邦共和国のゼンモン持ちにそんな人まで・・」
「勇者同士の宿命の対決キターーーー!!」
「あーー!!そうです、相手の太刀筋に何か見覚えがあると思ってたんだけど!!あれは雷神の勇者様の太刀筋だったんだ!!!なるほどーーーどうりで見覚えがあるはずだ!」
「一くんが前に言っていた、あのなんたら言う迷宮で阿波根さんを倒したって言う人・・・?」
「ですです!!フィグニブ様です!牛頭簒奪王を倒した雷神の勇者様です!!いやー懐かしい、そうと知っていれば挨拶くらいしたんですけどねぇ!はっはっはっは」
いやいや、そんな呑気な状況じゃ無いでしょうに・・・
「奏ちゃんが気付けたと言う事は、相手にも一くんの前世がバレたって事かな?」
「前世で面識もあったのなら、そう考えた方が無難でしょうね」
しかし、敵方にまさか雷神の勇者までいるとはね・・・これは想像以上に厄介かも知れないわね。
結局のところ前世の立場がどうであれ、人は今生では今生の生まれ育ちや環境に縛られて生きるしか無いって事よね・・・
「我が姫よ・・・相手が勇者であろうと、君の事は必ず僕が守ってみせるよ」
とつぜん私の手をとって顔を近付けながら宣言する五十棲くん、ちょっ急に顔近いってば。
「あっテメェ!こっちは勇者野郎とはしょっちゅうやり合ってるんだ!お前の出番なんかねーよ!」
「何言ってるんですか!勇者に対抗するのは勇者たる僕の役割ですよ!!ぽっと出の部外者は引っ込んで下さい!!」
途端に割り込んでくる二人、どうあっても深刻な雰囲気にはなり辛いのはこの場合ありがたい事なのかしら・・?
==========
AMI歴12年5月16日 白銀楼市 路上 宮代伊織
翌日一くんに連れられて例の敵の拠点に使われていたと思わしきマンションまで行ってみたけど、やっぱり央華連邦共和国の人達は撤収した後みたいで、それらしき人達の出入りは見られなかった。
その事を砂金神社で奏ちゃんに報告した帰り道の事だった。
「あっ」
何時ものように玲ちゃんに抱えられながら歩いた所、急に声を上げ僕を手放して玲ちゃんが立ち止まった。
「ん?」
突然距離をとった玲ちゃんに振り返ろうとした時、目前の角から人影が飛び出して来る。
僕はその気配に全く気付いていなかった為、完全に不意を突かれる形となってしまった。
飛び出してきた人影は、素早く僕に近付くと中段回し蹴りを放つ。
「つくぅっ!!」
回避が間に合わず、反対側へ飛びのきつつ両手でガードをしたが、想像以上に重い蹴りを受けた痛みに声が漏れてしまう。
衝撃でたたらを踏んだ僕に対し、人影は追撃の中段突きを放つ。なんとか受け流すが、体制を立て直す間も無く次々と突きと蹴りのコンビネーションを繰り出され、追い込まれた僕は次第に防御もままならなくなってきた。
「やばっ」
とうとう体制を完全に崩された僕は、踏み止まる事が出来ずその場に尻餅をついてしまう。
そして次の瞬間、眼前に迫る拳に対し全く反応する事が出来なかった。
しかしその拳は僕に触れる事無く、完璧なタイミングで寸止めされ、僕はその場で硬直するしか無かった。
「油断大敵だぞ伊織」
「帰国のたび不意打ちで息子に殴りかかるの止めてよね」
「はっはっは、しかし大分粘れるようになったじゃないか、ちゃんと成長しているようで重畳重畳」
「もう・・・帰って来る日位事前に知らせておいてよ全くー」
僕は父さんに手を引っ張られ立ち上がりながら、思わず愚痴をこぼした。
「武蔵さんお帰りなさい、引退戦の優勝おめでとうございます」
「おじさんお帰りー」
距離を取って親子の挨拶を見学していた乳姉妹達も父さんに声をかける。
「おぅただいま、玲ちゃんも羽依ちゃんも益々綺麗になって、二人ともどんどん美沙に似て来るなー」
眩しそうな笑みを浮かべ、に乳姉妹二人を見つめる父さん。
「しかしお前は成長しても俺に似てくる気配は全く無いな・・・益々母親に似てきてるぞ・・」
その呆れたような物言いは不本意だよっ!!好きでこの顔をしてる訳じゃないやい。
「伊織はこれがいいの」
「うんうん伊織ちゃんがおじさんに似てきたら嫌だよ!」
いつものポジショニングに戻った玲ちゃんが僕の頭を撫でながら慰めてくれる。
「はっはっはっは、お前たちは相変わらず仲が良さそうだな!善哉善哉」
「もう御祖父ちゃん達には挨拶したの?」
「おう、先に済ませたからこのまま秋月のお宅へお邪魔するつもりだ、今日お邪魔する事は美沙には前から電話で話してあるぞ」
最近非日常的なイベントが続いていたので、相変わらずの父親の姿に少しホッとしてしまったよ、でもそうだバタバタしすぎて意識出来ずにいたけど、もうすぐマキシム父さんの一周忌だったんだ・・・
==========
AMI歴12年5月16日 秋月家 宮代伊織
父さんと合流した僕等は揃って秋月家へ帰宅した。
「「「ただいまー」」」
「ただいま美沙、お邪魔するぞー」
「あら武蔵お帰りなさい、皆一緒だったのね」
「おぅ、美沙いつも伊織や家の事ありがとうな、先ずはマキシムに挨拶させてくれ」
「家の人が先なの?葉月にはちゃんと挨拶したの」
「葉月の墓参りは帰国後真っ先に済ませてきたさ」
チーーーーン
マキシム父さんの遺影に向かって一礼し、仏壇にお線香を捧げ位牌に手を合わせる父さん。
散々一周忌と言ってきたので既にお分かりの事かと存じますが、日露ハーフのマキシム父さんだけど、仏教の作法で弔われています、因みに国籍も日本人です。
郷に入っては郷に従えの精神で秋月の御祖父ちゃんは日本人の妻と結婚した際、入り婿として入籍し仏教に改宗したんだそうな。
外国人に日本人の宗教観は理解され辛いとよく言われるけど、そこん所どんな葛藤があったのか無かったのか詳しい話は聞いた事が無いけれど。
よく考えたら奏ちゃんや一くんなんか、前世は異世界の神々を信仰してたハズなのに、地球では砂金神社の巫女やってたりとかどう考えているのだろう??まぁベースが多神教の日本人の宗教観ではあまり深く考えずに神の一柱として受け入れてそうな気もするね。
これがガチガチの一神教徒だった場合凄い葛藤が生じそうだよね。
アメリアのゼンモン持ちの人とか聖十字教をどう考えているんだろう?
熱心な聖十字教徒が前世で異教徒だった記憶を取り戻したりしたらアイデンティティが崩壊しそう、異教徒どころかモンスターか、もっと酷いよね。
聖十字教の価値観で言ったらすべからく悪魔扱いされそうだけれども?さながらゼンモン持ちは悪魔憑きか何かか、エクソシストが滾りそう。
・・・・半分冗談として想像してみたけど、熱心な聖十字教徒の子が突然前世でモンスターだったとか言い出したら本気でエクソシストに頼ったりしそうかな?ちょっと怖くなってきたよ。
「伊織どうしたの?」
「うん、後でね」
そんな事を考え込んでいたら、玲ちゃんに訝し気に声をかけられてしまった。
埒もない思考をとりあえず追いやって、父さんに続いて3人で仏壇に手を合わせた。
「夕飯まではまだ時間があるな、少し家の様子も見て来るわ、悪いね玲ちゃん伊織をちょっと借りるよ」
そう言うと、渡り廊下を使って宮代家へ向かう父さん。
わざわざそんな言い方するからには、二人で話があるのだろう、父さんの後に続くと玲ちゃんが名残惜しそうにしている。
「うぅ・・」
さすがの玲ちゃんも親子の会話に顔を出す事は憚られるようで、寂しそうに手を振って見送ってくれた。いや、ちょっと隣の家行くだけなんだからそこまで寂しそうな顔しなくても。
宮代家に入ると、すぐ居間に行って仏壇に線香をあげる父さん。
僕も続いて母さんに手を合わせると、父さんは部屋を見回して頷いている。
「うん、ちゃんと綺麗にしているな偉い偉い」
父さんにガシガシと無造作に頭を撫でられる。玲ちゃんや美沙母さんと違う武骨な感触を懐かしく感じる。
「週一で家中掃除はしてるからね、玲ちゃんも羽依も手伝ってくれるし・・もっとも居間と仏壇は美沙母さんが毎日掃除してくれているおかげだけど」
「本当に美沙には頭が上がらんなぁ・・・」
ぼりぼりと頭を掻きながら苦笑する父さん。
「夕飯までそんなに時間無いと思うけど、何か話があるんでしょ?」
「そうだな・・・なぁ伊織は俺と二人でこの家に暮らすのと、今まで通り秋月のお宅にやっかいになるのとどちらが良いか?」
「えっ?・・・そりゃぁ・・・僕は今までと同じ方がいいけど・・・美沙母さんと父さんが許してくれるなら助かるけど・・・」
僕は今まで父が帰国してからの、今後の二人での生活に関してあまりリアルに考えてこなかった。
と言うか今の秋月家での生活を終え、玲ちゃん達と離れる可能性に関してあまり真剣に考えたく無かったんだろうと思う。
「なぁ伊織、お前には父親らしい事が全然出来ないまま、美沙やマキシムに甘えて俺は俺の夢を追いかけさせてもらっていた・・」
「うん」
「世界王者になる・・・それは俺の夢であり、あいつとの・・・葉月との約束でもあったんだ」
「お母さんの?」
「あいつの身体の事は何もかも承知の上で俺とあいつは結ばれ、お前という証を得る事が出来た・・・あいつはいつも自分の病気のせいで、俺の夢の足枷となる事を気に病んでいた、俺は夢よりもお前が大事だと言ったが、あいつは頑なに俺の夢の後押しをし続けてくれた。そして俺達夫婦は二人して、全て承知した上で助けになってくれていた美沙に最後まで・・いや、あいつの死後もだな、頼りっきりだった・・俺には美沙にもマキシムにも返し切れない恩があるんだ」
「うん」
「俺と葉月の夢もようやく叶って、これからはやっと二人に恩を返せると思っていたんだが・・マキシムの奴には、恩を・・・借りを返す事すら出来ずにこんな事になっちまった、俺は・・二人の恩に報いる為に何が出来るんだろうと、ずーっと考えていたよ・・」
「それは僕もだよ」
「葉月と美沙は本当に姉妹のように仲が良くってな・・・幼馴染だったそうだが、本当にいつも一緒にいたんだ」
「そうらしいね、美沙母さんから散々聞かされたよ」
「ありがたい事に、お前の事も実の子と同様に・・・と言うか実の子以上に可愛がってくれていた感がある程だしな」
「うん・・よく僕と玲ちゃんを見つめて昔の自分と母さんを見るようだと言っているよ」
「お陰でお前は実の母親が居ない事に寂しさを感じる事も無かったと言ってくれた・・・本当に有難かった・・・だからな・・・美沙はお前の事を本当に自分の子供と同様に思ってくれている、きっとお前が自分の手から離れる事になれば、美沙も寂しく感じると思うんだ」
「それは、そうかも・・・でも・・・そうしたらお父さんはどうするの?」
「まぁ最悪の場合はこっちに一人で暮らすさ」
「んん最悪?・・最悪じゃ無い場合って?」
「んー・・・俺も秋月のお宅にお邪魔しようかなと・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「お父さん」
「おう」
「美沙お母さんにプロポーズする気?」
「おぉ?何で分かった!?お前そんな察し良かったか??」
「いや、僕じゃなくて羽依と玲ちゃんが・・・」
「あぁそうか、二人には俺の気持ちもバレてたか」
「マキシム父さんが亡くなられてまだ1年だよ?」
「もう1年だ・・・マキシムが残した家族を、全て俺が守ってやりたいと、そう思うのは悪い事か?」
「お父さん・・・・」
「うん・・まぁそんな建前はいいとして」
「建前なのっ!?」
「本音を言うと、俺は美沙の事が好きなんだ・・・愛している、それが一番だ」
「うっ」
「だから、美沙と結婚したいと思っているんだ、伊織は反対か?」
「そんな事・・・急に言われてもわかんないよ・・・」
「そうか、そうだな・・・とりあえず、お前が納得しない限り美沙へプロポーズする気は無い、父親としてせめてものケジメだな、だから悪いけどな、少し考えてみてくれ」
「うん・・」
「まぁ、お前が許してくれても俺が美沙に振られる可能性もあるけどな!!」
「そうだね、そっちの可能性の方が高いよね」
「言ったなこのっ!」
そう言ってじゃれついてくるお父さん、そんな軽口に僕は少し気持ちが軽くなった。
それはそうとして・・・
痛い痛い・・ちょっとじゃれつくの範疇を超えてガチで間接極めるの止めて!
「ところで父さん・・・僕はいいとして、玲ちゃんと羽依には言わないでいいの?」
「んー・・あの二人は別に大丈夫じゃ無いか?」
いや、何となく僕もそうは思うけど、それでいいのか?
「いいのそれで?」
「あの二人はお前を差し出せば何も言わないだろ」
えー・・・
==========
お父さんの話を終えて秋月家へ戻ると、ちょうど夕飯の支度が整った所だった。
「「「「いただきまーす」」」」
「はい、召し上がれ」
今日の夕飯はお父さんの好きな日本の家庭料理が揃っている、美沙お母さんも本当、こういう所優しいよね。
「おーうまそうだ、美沙の手料理も1年ぶりだなー感謝感激」
「二人で何の話をしてきたの?」
「えーっと・・・」
「その事なんだが美沙、伊織の今後の事で話をしてきてな」
「はい」
「図々しいお願いだが、お前が良かったらこれまで通りこっちの家で面倒を見てやってくれないか?」
「え?」
「おー」ぱちぱちぱち
歓声を上げ手をたたく羽依と、黙って頷いている玲ちゃん。
「私は勿論構わないけれど、武蔵くんはそれでいいの?」
「こいつにとっての母親はお前だ、本当に有難い事だと思っている、だからこいつはお前の側に居る方が自然だろう・・養育費に関しても・・」
「ちょっと武蔵くん!!子供たちの前でそんな話は止めましょう!!」
「おぅ?そうか」
僕はお父さんの養育費という言葉にビックリしてしまった。
そうか・・・お父さんは秋月家に僕の養育費を払っていたのか・・・
考えてみたら他人の子を面倒を見て貰っているんだから当然なんだろうけど、僕にとって物凄く意外な話だったので心底驚いてしまった。それだけ僕は自分を秋月家の人間だと思い込んでいたって事なんだろう、そしてお父さんは僕が思っているよりお父さんだったんだと改めて実感した。
「おじさんも一緒に暮らしちゃえばいいんだよ!」
「えっ、いやそこまで甘える分けにはいかんだろ」
「そこはお母さんと再婚しちゃえばいいんだよ!」
「おおぅ!?」
「羽依!!・・・あなた、これからお父さんの一周忌だっていうのにそんな事冗談でも止めなさい」
「別に冗談じゃ無いよ?天国のお父さんもきっとその方が安心してくれると思うよ」
「私もそう思う、二人はお似合い、パパもか弱い女3人だけを残して心配してるはず」
「ちょっ、あなた達・・・・・」
娘二人に揃ってそんな事を言われ、美沙お母さんは気まずげな様子でお父さんと顔を見合わせている。
「まぁ・・なんだ、その・・・とりあえず一周忌が優先だ」
「そうね、玲と羽依・・・後で私達だけでお話をしましょうか・・」
「「はーい」」
その日の夕食の間、お父さんと美沙お母さんの間には終始ぎこちない微妙な空気が漂っていた。
これ完全に二人とも意識しちゃってる感じだよね・・・
ちょっと横道に逸れてしまってますが、お話の展開には順序がございましてすいません。
決戦に向けての準備期間ですが、もう少し続きます、次話では央華連邦の事情を少し説明します。
ここまで当作品をお読みいただきありがとうございます!
この作品を読んで少しでも
『楽しい』『続きが気になる』『この伏線ちゃんと回収されるの?』
などと思って頂けたのでしたら、感想やブックマークをお何卒よろしくお願い致します。
ページ下の評価システム【☆☆☆☆☆】をご活用いただければと思います。
ご評価頂けますと作者の励みになり、モチベーションの持続にも繋がりますので、
どうかよろしくお願いいたします!




