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6.切片篇・科学技術・社会・文化・人力動力の復興と都市伝説

切片篇・科学技術・社会・文化・人力動力の復興と都市伝説



謎の声1:「エネルギー不足のもと、日本は具体的にどんな様相を呈しているんだろう。」

謎の声2:「人力動力が復興したんだ。」



ある人は言う、第一次産業革命は蒸気機関の革命であり、第二次は電気と内燃機関の革命、第三次は情報技術の革命であると。ここから見て取れるのは、エネルギーと動力の進歩が社会の様相に多大な影響を及ぼしてきたということだ。ならば逆に、エネルギーと動力の後退もまた、社会の様相を大きく変えてしまうはずである。


そして文化は社会と密接に結びついている。日本のサイバー廃墟化とともに、文化にもまた様々な変化が生じた。都市伝説という象徴的な文化の産物もまた、時代に即した異変を遂げている。




後2040サイバールインズ日本都市伝説:『お前がペダルを漕がなきゃ、誰も進めない』


あるサラリーマンが、一日の激務を終えて、短い編成の列車に乗り込んだ。あまりにも疲れ果てていたため、列車の揺れの中で眠り込んでしまった。


目を覚ましたサラリーマンは、ぼんやりとした頭で、どうやら乗り過ごしてしまったらしいと気づいた。窓の外は見知らぬ風景で、列車はすでに停まっており、ドアは開いたままだった。ホームには太陽光蓄電灯がかすかな光を灯すのみで、どこの駅なのかもわからない。車内には他の乗客の姿もなく、運転席の方を見やっても、誰もいないようだった。


「とにかく、降りて見てみよう。」サラリーマンは列車を降り、ぼんやりとした頭で駅構内をうろついた。遠くから「カタン」「カタン」という音が聞こえてきた瞬間、何かを思い出したかのように、全身に冷や汗が噴き出し、一気に目が覚めた。サラリーマンは驚くべき速さでホームへと駆け戻った——幸い、列車はまだ線路の上にじっと止まっていた。車内に飛び込んで辺りを見回しても、やはり誰もいない。ガラス越しに運転席を覗いても、人影一つ見当たらない。だがもう構っていられなかった。サラリーマンは、藁にもすがる思いで運転席のドアを狂ったように叩いた。「運転士さん! 早くドアを開けてください! 発車してください! この駅、何かおかしいんです!」運転席からは、やはり何の反応もなかった。


サラリーマンは焦り、覚悟を決めてドアに体当たりを始めた。一回、二回、三回——「バン——」ついにドアが開いた。目に飛び込んできた運転席は、想像していたものとは違っていた。首なし死体があるわけでもなく、誰もいないわけでもなかった。


汗まみれのシャツを着て、首にタオルをかけ、全身汗だくになった中年男性が二人、死んだ犬のように仰向けに床に転がり、胸をふいごのように激しく上下させながら、狂ったように息を切らしていた……「ハァ〜 ハァ〜〜」


運転室の中央には、フィットネスバイクのようにも見える装置が何台か据えられており、様々な伝動機構と繋がっていた。


「何叫んでるんだ、とっくに停電してるのが見えないのか。」運転士は床に転がったまま、白目をむいて喘ぎながら答えた。「俺と副操縦士は、前の駅からもう15キロもペダルを漕いでるんだぞ。30分休ませてくれ! そんなに急いでるなら自分でペダルを漕げ! 3キロ漕いだら運賃無料にしてやるよ!」




後2040時代の日本、ダークエリアではエネルギーが乏しく、社会全体の様相はそのために大きく変わってしまった。


常態化した停電のもと、列車はもはや純粋な電力駆動ではなくなり、人力ハイブリッドシステムが組み込まれるようになった。車両には特殊な動力座席——フィットネスバイクに似た、機械的な伝動と発電機能を一体化させた装置が設置されるようになった。編成の長い列車では、とりわけその傾向が顕著だった。


典型的な人力動力列車の運行風景は、このようなものだ:


ドアをくぐって乗客の目に飛び込んでくるのは、動力席と普通席が入り混じった車両である。両側の窓際は普通席で、中央には自転車状の動力席が数列並んでいる。普通席は運賃が高く、若者たちは少しでも節約しようと、たいてい動力席を選ぶ。


電力網が途切れがちな上に出力も不足しているため、乗客たちは折に触れて漕ぐのを手伝わねばならない——特に上り坂では。




『坂攻略戦』


列車「大和絆号」がしばらくガタゴトと走った後、車内の照明がやや薄暗くなり始め、車内の若者たちの胸に不吉な予感がこみ上げてきた。深く考える間もなく、車内放送が響いた——


「乗客の皆様! 前方に極悪急勾配が発生! 電力網の出力が不足しております! 動力席のお客様は、直ちに直結駆動システムへの介入をお願いいたします!」


車内の照明システムは鼓舞モードに切り替わり、警報灯が点滅するような演出を再現し、車内の緊張感を一瞬にして極限まで高めた——若者たちの神経は瞬時に張り詰め! 筋肉が活性状態に突入する!


放送システムが、リズム感の強い、士気を鼓舞する音楽を流し始めた。


「攻略開始!!!」


高揚する音楽とアナウンサーの号令に合わせ、動力席の若者たちは狂ったようにペダルを漕ぎ始めた。


「頑張って!(Ganbatte!)」両側の普通席に座る高齢の乗客たちは、「大和魂」と印刷された扇子を手に、動力席の若者たちを応援しながら、扇いで風を送ったり、水を手渡したりしていた。


動力席の若者たちは歯を食いしばり、両脚を残像が見えるほどの速さで漕ぎ続け、重力との死闘を一巡した末に、列車はついに坂の頂上まで登りきった。


「今どきの若者がここまで必死になれるとはな、日本もまだまだ捨てたもんじゃない!」老人たちは目に涙を浮かべながら、感嘆の声を上げた。


しかし若者たちは、何一つ応えることなく、ただ死人のような顔色で死んだ犬のように仰向けに倒れ込み、今にも息絶えそうなほどに、狂ったように息を切らしているだけだった……





流亡姫避難所


高麗姫:「あはは〜 列車が人力頼みだなんて。お金持ちの老人は普通席で自己満足に浸って、懐の寂しい若者は動力席で死に物狂いで疲れ果てる。」


ツァーリ姫:「老人に金があるのは、年金があるからだ。高齢化が進む社会ほど、選挙制度のもとで老人が持つ優位性は大きくなる。ちょうど世界貿易体制の中で、富裕国の住民が多国籍生産体制を利用して貧困国の住民を搾取できるのと同じように——先に生まれた者もまた、法律と経済の仕組みを利用して、後から来る者を搾取することができる。圧倒的多数を占める高齢者票を獲得すべく、政治家たちは年金の急激な増額を約束し、膨大な公的債務という形で未来から借金をする。そして後の世代は、より多く、より安い労働力を切り売りすることで、前の世代の尻拭いをさせられる羽目になる——これこそが、10年経つごとに新卒者の境遇が一段階ずつ悪化していく理由だ。若者たちは30年にわたって参議院議員への立候補権を剥奪されている。子供たちは『判断能力が未熟』という名目のもと、ほぼ20年にわたって投票権を奪われている。それどころか、ソクラテス式の良質な教育という美名を利用して、実質はプロイセン式の洗脳を施し、子供たちに自分たちへの忠誠を求めてさえいる。それでいて、若者が『平均余命残り30年以内の高齢者』の政治的権利を制限しようと求めれば、『政治的権利とは基本的人権である』と声高に主張する。こうした手段によって積み上げられた政治的優位は、やがて経済的優位へと転化される。そしてさらに、『供託金』のような経済的なハードルを政治の場に設けることで、その優位をいっそう拡大させていくのだ。」


日本姫:「この列車は、日本社会の縮図です。社会を支えているのは、いつの時代も現役世代の労働に他なりません。しかし、その労働への対価の分配は、時に世代を跨いで行われます。日本語には『絆』という言葉があります。現代の日本語では、これは温かい言葉です——人と人との間にある、断ち切ることのできない深い情、信頼、そして結びつきを指す言葉として。けれど、その語源をたどれば、それはまったく別の意味を持っていました——あなたの前進を阻み、自由を奪い、逃れることのできない重荷や枷という意味を。」





電力や化石燃料に依存する設備が機能を失っていくにつれ、人力による改造が大量に出現した。街には「人力ハイブリッド車両」が溢れ、停電の時、燃料が切れた時、あるいはそれよりも多くの場合は単に金を節約したい時に、人々は自らの筋肉を使って車両を動かした。




白鳥カー


エネルギーは高価で希少であり、従来のガソリン車や電気自動車は、この時代のダークエリアには適さない。平民区で最も流行しているのは「人力・オイル・電気ハイブリッド」車だ。ガソリンは、通常は緊急時用にわずかに備えておく程度。電気は補助的なもので、主に坂道で使われる。そして人力こそが、主な動力源である。


安売りされた太陽光パネルの外装やコーティングは発電能力に限りがあり、太陽光だけに頼って充電するのは現実的ではない。住民たちは普段から電力を計算高く使い、日常的には主に自分自身の筋肉を使って車両を動かしている。


これらの筋肉駆動のハイブリッド車は、湖に浮かぶ遊覧ボートのように、伝動装置が組み込まれている。メーカーの中には、あえて外観まで遊覧ボートに似せ、子供のいる家庭への販売を後押ししようとするところもある。白鳥、アヒル、鹿…… 童話のような造形が、次々と生み出されていた。



『遊園地へ向かう「子白鳥」』


交差点はまるでテーマパークのようだった。丸みを帯びた愛らしい造形の「子白鳥」「子アヒル」「子鹿」たちが集まり、まるでパーティーでも開いているかのようだ。


「わーい、小さい動物さんがいっぱい!」一台の白鳥カーの中で、子供が興奮した声を上げた。


しかし父親の表情は険しかった。この交差点を過ぎれば、上り坂が待っているからだ。


「おい、母さん——」彼は口を開いた。


母親はすぐに察し、チャイルドシートのシートベルトをもう一度確認した。「しっかり掴まっててね、これから前の坂を登るからね。」母親は子供にそう言った。


「うん!」子供は手すりをしっかりと掴み、瞳には期待に満ちた輝きが宿った。


「いち! に! さん!」父親と母親は声を揃えると、同時に力を込めて猛然とペダルを踏み始めた。


白鳥カーは、遊覧ボート愛好家なら狂喜乱舞しそうなこの楽園のような交差点から、走り出した。この陸上の白鳥船は、徐々に加速していき、最高速度に達すると、急勾配の坂を一気に駆け上がった。


坂に差し掛かるとすぐに速度は落ち、父親と母親は顔を真っ赤にしながら、力の限りペダルを踏み込んだ。「ハァ〜 ハァ〜——」荒い息が止まらない。


あまりにも速度が遅いせいで、この道のりはひどく長く感じられ、子供たちは周りの「子アヒル」や「子鹿」に乗った他の子供たちと、のんびりおしゃべりができるほどだった。子供たちは楽しそうに言葉を交わし、これから向かう遊園地について語り合っていた。


「わたしたち、まるで童話の世界に住んでるみたい!」坂の頂上に登り詰めた瞬間、子供たちは突然そんな結論に至った。一方、動力席の父親と母親はといえば、すでに口から泡を吹き、白目を剥きながらペダルを漕ぎ続けていた。


「下り坂よ」息を整えた母親が、力の抜けた声でそう言った。


「離陸しまーす〜」子供たちは、これから何が起こるか分かっているかのように歓声を上げた。「子白鳥」「子アヒル」「子鹿」たちは、重力加速度を受けながら、緩やかな坂を下っていく。運動エネルギー回収装置が作動し始め、車体を飾るイルミネーションライトも灯り出した。陸上の遊覧ボートたちは「シュー」「ガーガー」という効果音を響かせながら、小さな乗客たちの歓声とともに、遊園地へと走り去っていった。





流亡姫避難所


高麗姫:「あはは〜 なんてこと! これぞ遊覧ボート愛好家の楽園ってやつね!」高麗姫は、「シュー」「ガーガー」とけたたましく鳴きながら、外側には可愛らしい童心溢れるイルミネーションを灯し、内側では足が折れそうになるまで漕がされている人力車を眺めながら、ソファの上で太ももを叩いて大笑いした。「車は可愛く鳴いてるのに、動力席の人は今にも心筋梗塞を起こしてハンドルに突っ伏しそうになってる。それなのに子供たちは湖でボート漕ぎをしてるとでも思って『パパ頑張って! もうすぐ離陸するよ!』なんて叫んでるんだもん。これって童心と省エネを無理やり縫い合わせた、産業の奇跡じゃない!」


ツァーリ姫:「遊園地前の坂道には、ちゃんと計算がある。行きは先に急な上りがあって、後から緩やかな下りになる——これは駐車する前に一息ついて回復させ、遊園地に着いてから歩けなくならないようにするためだ。帰りは緩やかな上りにすることで、坂が急すぎて漕ぎきれない車が、後ろ向きに遊園地まで逆戻りしてしまうのを防いでいる。」ツァーリ姫はワイングラスを軽く揺らしながら、小さく笑った。「行きの急坂には選別の機能もあるんだろう。遊園地の体力系アトラクションは、きっと少なくないはずだ。」


日本姫:「中年の人々の暮らしもまた、楽ではありません。子供たちは車の中で笑いながら、自分がまるで巨大な遊園地の中で暮らしているかのように思っています。彼らは知らないのです、中年の人々が最後の血と汗、そして命を削って、とうに破産していてもおかしくないこの国を、必死に引っ張っていることを。彼らが成長し、若者となって、自分の足でペダルの抵抗を感じるようになった時、一体どれほどの絶望に陥ることでしょう……」日本姫は人力車を見つめながら、瞳にかすかな悲しみを滲ませた。「子供、青年、中年、老年——この四つの世代のうち、三つまでもが絶望を道連れにする運命にあり、残る一つもまた、死に瀕しているのです。今の子供、青年、中年たちが老年になった時、今の老人たちと同じように、十分な紙くずを受け取り、トイレットペーパー代を浮かせてチケットを買うことができるのでしょうか。日本政府は、それほど多くの紙くずを発行し続けられるのでしょうか……」


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