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5.切片篇・経済・科学技術・極悪税務と追徴テクノロジー

切片篇・経済・科学技術・極悪税務と追徴テクノロジー



謎の声1:「後2040時代の日本の具体的な税務状況は、どのようなものなんだろう。」

謎の声2:「苛斂誅求、骨の髄までしゃぶり尽くす、といったところだね。」



「これぞまさに、金の卵を産むニワトリというやつだよ。」ある日本政府の官僚はそう語った。


後2040時代の日本では、官僚の支出は膨張し、住民の数は縮小する一方で、拡大する財政の穴は、乱暴なまでに住民へと割り振られていた。税率と課税ベースは際限なく拡大し、あらゆる名目の付加費用が次々と生み出されていった。住民たちは苦しみに耐えかね、あらゆる手段を講じて脱税に走らざるを得なかった。そして脱税を食い止めるべく、日本政府はあらゆる手を尽くし、各種の技術を調達し、様々な条例を打ち出した。ただでさえ逼迫した財政資源の大部分を徴税そのものに注ぎ込んでいることへの疑問の声に対し、官邸はこう答えた——「金の卵を産むニワトリを育てる価値が見えない者は、近視眼的というものだ。」


AI追徴アルゴリズム。後2040時代のAIは高度な知能を備えており、その強力なデータ処理能力とツール運用能力によって、多くの分野で人間に取って代わっていた。日本政府が巨費を投じて導入した税務AIは、その代表格である。このシステムのもと、同じく巨費を投じて導入された無数のドローンや各種メディア端末が、一日中データを収集し続けている。これらのデータは集約・分析され、最終的に個人一人ひとりに紐づけられ、納税義務額が算出されるとともに、未納者には追徴が行われる。脱税が蔓延する状況下で、このアルゴリズムはまさに住民たちの悪夢だった。


自動追徴ロボット。悪夢を現実のものへと変える存在である。これもまた日本政府が様々なルートを通じて輸入したもので、形状は多岐にわたり、元々は様々な用途を持っていたのかもしれない。追徴ロボットへと転用された後は、強制的な追徴を実現するために必要な機能を一様に備えている。「丸っこいゴミ箱」型がよく見られる。


臓器物納条例。都市伝説級の悪夢。



ダークエリアの街角。一人のオタクが路地から出てきて、唇を舐めながら、あくびをしつつ伸びをした。ふと、視界の端に何かが見えた気がして、はっと身を震わせる。目を凝らしてみると、立て看板の陰に、円柱形の物体が立っていた。


「なんだ〜 ゴミ箱か。びっくりした、追徴ロボットかと思ったよ。」


「追徴ロボットですが。」「ゴミ箱」が喋った。「税金の追徴に参りました。」


オタクの瞳孔が、きゅっと収縮した。全身が強張る。


「ちゃんと期限内に払ったはずだけど。」


「お支払いいただいた金額が、納税義務額と一致しておりません。差額分を追徴いたします。」


「ありえない! 支払った時は税込み価格だったんだ。その時点でもう税金は払っているはずだ。」


「お支払いになった場面はすべて、税込み価格だったとお確かめになっていますか?」


オタクは、キツツキのように激しく頷いた。


「データ分析の結果、お客様には納税が間に合っていない消費の場面があることが判明しております。」


「は?」


「データによりますと、お客様が先月納付された消費税は前年同月比で70%減少しております。人間が通常の生活を送っていて、これほど急激に消費が減ることはありません。」


「ダイエット中なんだ——」オタクは弁解した。


「データ分析の結果、お客様は最近、防犯カメラの少ない地域——例えば背後にあるこの路地のような場所に、頻繁に出没されていることが判明しております。そしてこうした地域は、データベース上の密売ブラックマーケット活動エリアと高い割合で重なっております。従いまして、お客様は消費の大部分をブラックマーケットへと移していると、当方は判断いたします。それゆえ、過去のデータに基づいて当期の納付義務額ならびに延滞金を算出いたしました。直ちにお支払いください。さもなくば、」追徴ロボットは一瞬、言葉を止めた。樽型の胴体の側面からホース状の機械の腕が伸び、指先にはドリルなど様々な工具が現れ、歯科用ドリルが高速回転するような音を響かせた。「強制措置を取らせていただきます。」


オタクは「ぺたん」と音を立てて地面に座り込み、悲痛な声で叫んだ。「払う!払うよ!払えばいいんだろ!」


「それと、体型などのデータ分析によりまして、お客様の体重が比較的急速に増加し、脂肪が150グラム増えていることが判明しております。おそらく、ブラックマーケットでの消費には消費税がかからないため、食べた分だけ得だという意識が働き、食事量が増えたものと思われます。」追徴ロボットは、オタクの一ヶ月前と現在の体型を比較した画像を投影した。顔が明らかに丸くなっているのが、はっきりと見て取れる。「これに基づき、お客様の具体的な消費量を逆算いたしました結果、当期の納付義務額は通常より高くなっております。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。」


「うわあああ——」オタクの悲鳴が、通りにこだました。




流亡姫避難所


「あはははは〜」高麗姫は笑いながら絨毯の上を転げ回った。「笑い死ぬかと思った、150グラムの脂肪が増えたことまで分析されちゃうなんて〜 あはははは〜」


「『羊毛は結局羊自身から出ている』という言葉が、福祉支出は徴税から来るものであって天から降ってくる餡餅ではないと人々に戒めているのだとすれば、それが分からない者の税務観には問題がある。だが日本政府は、徴税機械そのものを金の卵を産むニワトリだと思い込み、税収の源が住民自身であるという点にすら気づいていない。そんな税務観は、羊すら見えていないということだ。」ツァーリ姫はナノ煙の向こうで一呼吸置いた。「まるで、卵は冷蔵庫から生えてくるものだと思っている子供のようだな。」


「かつての日本の税務特別調査は、たいてい企業を対象にしたものでした。」日本姫は目元を伏せた。「それが今では、普通の庶民一人ひとりが標的にされています。庶民のお腹にどれだけ脂が溜まっているか、脂肪がどれだけ増えたかまで、一銭一厘を争うようにして調べ上げて……」

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