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展示されなかった絵
また新しい煙草に火をつけて、深く吸い込んでは不味そうに煙を吐き出すというのを繰り返していた真珠がぽつりと「まぁ、ほとんど闇の中なのは変わらねぇけど」と言う。
きっちり根本寸前まで燃やされた吸い殻を灰皿に押し付けながら真珠は続ける。
「展示に出さなかった絵がいくつかある」
「あぁ、そういえば」
すっかり忘れていたと言わんばかりに赤西がポンと手を打った。
「お前、『聞こえる』んだろ?」
椅子の背もたれに深く座り直した真珠は無垢に輝くガラス玉のような瞳で僕をじっと見た。
「あ…はい…。き…聞こえました」
「そうか。なら。お前になら何かわかることがあるかもしれない。どうせ学校も行ってないんだろ?
明日の昼1時にもう一度境界美術館に来い。展示に出さなかった絵を見せてやる」
「え、いいんですか?」
「あぁ。走馬灯の声が聞こえるなんて奴、お前が初めてだ。なら、見せる価値がある」




