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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
番外編18 異世界の侵略者(中編)

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神々の判断

 ミーア達の報告を受けて、ボクは母さんへと報告を行った。その結果、最上位神の集まる場で、改めて報告をする運びとなった。


 まずは言わずと知れた最高神。闇と死を司る神スレイン。それに、光と生命を司る神スルラン。


 それに次ぐ世界を構成する六柱の神々。水竜アクアヴィーラ、土竜グラーディア、火竜ガーブフレア、風竜ウィンザード、天竜ウラノス、刻竜クロノス。


 今の六竜はアバターと言う化身体ではない。純粋な力の塊としてその場に留まっている。それ故に、そのマナの強大さが嫌でも理解出来てしまう。


 ボクみたいな中位の神ならギリ問題無いけど、下位の神々が居る場では不味いんだよね。その力の奔流に当てられ、存在が掻き消えてしまう場合も……。


 それはさて置き、このメンバーが揃うのは、ヴィジョンの裁定を下した時以来かな? あの時は、ヴィジョンの派閥争奪戦で、殆どの神々が集結していたからね……。


 それだけ父さんや母さんも、この事態を重く受け止めていると言う事だろう。皆を集めた母さんは、ボクへと声を掛ける。


「それではアレク、改めて皆に報告を……」


「はい、わかりました。べフェールによると……」


 べフェールから伝えられた伝説級レジェンダリーの眷属化。世界を構成する神々からすれば、その事態は何となく気付いていたはずだ。


 そして、べフェールが神器化して、トールに力を貸す事を決めたこと。これにはアバター姿の父さんが顔を顰める。ボクの息子が力を持ち過ぎる事を、快く思っていないのだろう。


 しかし、母さんはそれを無視して、その先の説明も催促してくる。ボクは母さんに語った、ボクの推測を神々へと話して聞かせた。


「――つまり、混沌の神ケイオスは確実に力を増しています。やがては全ての伝説級レジェンダリーの力を取り込み、最終的には神々にもその手を伸ばすはずです」


 ボクの示した予想は、ケイオスの眷属化は手下を増やしたい訳では無い。この世界の存在から、マナと言う力を奪う事が目的という事だ。


 眷属化した魔物は混沌の力で動く。そして、元々持っていた力はケイオスに奪われたままとなる。


 リポップしても、その際に消費されるのはこの世界のマナ。ケイオスが奪った力は帰って来ないと言う事である。


 そして、この世界の伝説級レジェンダリー神級ゴッズを相手に、エネルギー量で勝てると思えば取り込みに掛かる。それが今のケイオスのやり方なのだ。


「時間が経つ程にこの世界は不利な状況となります。これ以上ケイオスが力を付ける前に、早めに対処を打たねばなりません。――どうか、ご決断を」


 ボクはすっと頭を下げる。これが難しい判断と知りつつも、やらねばならぬと信じて祈る。


 母さんはボクの考えに賛同してくれている。けれど、問題は父さんだ。このルールを定めた父さんが、自分の考えを曲げてくれるかどうか……。


「――良かろう。特別により、この件に関してのみ許可する」


「――っ……?! ありがとう御座います!」


 ボクが顔を上げると、父さんは苦虫を噛みしめた様な顔をしていた。頭では必要と理解していても、やはり人には過ぎた力だと思っているのだろう。


 父さんはすっと視線を逸らすと、六竜の内の一柱――刻竜クロノスへと指示を出した。


「刻竜王を貸し出せ。ケイオスとその眷属にのみ、時間の巻き戻しを許可する」


『――御意。我が父の仰せのままに……』


 父さんの指示に、クロノスが応える。それにより、この世界で初めて時間の操作が可能となった。


 なお、この世界が生れた際に、『時間』と言う概念も生まれていた。しかし、それはただ流れ続けるものでしか無かった。


 そして、『時間』とは強大な力である。この世界を『ディスガルド戦記』化すると決まった際に、六竜の一つとして枠組みが決められた。


 ただ、その力は人が扱うには危険過ぎる。そう考えた父は、刻竜の存在を人々から隠した。そして、『時間』に関する魔法や道具だけは存在を許さなかった。


 それ故に、全ての神々が知る六竜の一柱でありながら、刻竜クロノスは人々に知られていない存在だったのだ。


「わかっているな、アレク? 『時間』の魔法は危険だ。ケイオス以外に使わせるなよ?」


「はい、勿論です! 息子達にも良く言って聞かせておきます!」


 ボクは父の忠告に頷く。これは母さんが定めたルール。神々の力を直接地上に使ってはならないという戒めである。


 神々の力は強大過ぎる為、基本的には地上に対して使ってはならない。使用する際は地上に住まう者が、決められた手順を踏んだ上で行うべしとなっているのだ。


 今回はその手順を省く為にウラノスの眷属、刻竜王がトールに預けられる。刻竜王を介する形で、クロノスの力を行使すると言う訳だ。


 これで眷属化された魔物を、眷属状態の前に戻せる。ケイオスに奪われたマナも、奪われる前の状態に戻す事が出来ると言う事である。


「ふふふ、期待しているわよ?」


「はい、母さん。任せて下さい」


 俺は微笑む母さんに頭を下げる。そして、地上へ戻る手はずを整える。


 これでケイオスの強化が止まるはず。本体を見つけるまでの、時間的猶予を確保出来たはずだ。


 後は本体を見つけるだけだが、そちらは姉さんに任せるとしよう……。

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