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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
番外編18 異世界の侵略者(中編)

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白騎士の提案

 俺が神器『騎士王の剣』を手に入れて一月が経つ。俺とアンナさんは交代で休憩しつつ、一日中ケイオスの眷属を狩り続けていた。


 しかし、この世界の魔物はリポップする。一定の時間が経過すれば、復活する仕様が健在なのである。


 ハッキリ言ってモグラ叩き状態。今の所は処理が追い付いているが、それでも切りが無いと言うのが本音である。


 どうにかしてケイオス本体を見つけなければならない。それは父さんも認識しており、神々の協力の元に調査も行われている。


 早く目途が立って欲しい。そう考えていた俺達の元に、悪い知らせが飛び込んで来た。


「――伝説級レジェンダリーの眷属、だって……?」


 俺、アンナさん、ミーアさんの前には、真っ白な鎧の騎士が立っている。その白騎士こそが秩序の神べフェール。その力の一部と言うべき存在である。


『その通りだ、トール。流石に今回は、我でも手こずった』


 平然と答えるべフェール。しかし、それが事実なら洒落にならない。見ればアンナさんとミーアさんの顔色も悪い。


 それと言うのも、ケイオスの眷属は一撃で仕留める必要があるのだ。相手の攻撃を受けると、混沌の力に取り込まれる可能性があるからである。


 これまでは俺もアンナさんも、神器の力でそれが成せていた。しかし、相手が伝説級レジェンダリーとなると、流石に一撃では倒せない。反撃を受ける可能性が高まるのである。


『ケイオスは確実に力を増している。その対策も必要となるが、まずは伝説級レジェンダリーへの対処を検討せねばなるまい』


「うん、その通りだね」


 べフェールの言葉に異論はない。流石に放置も出来ないし、伝説級レジェンダリーの対策は急務だろう。


 とはいえ、状況的にはべフェールに任せるしかないんだろうけど。俺とアンナさんがチームを組んでも、取り込まれる可能性は高いままだしね。


 そう思っていたのだが、べフェールは俺を真っ直ぐ見つめてこう告げた。


伝説級レジェンダリーが出現した際は、我とトールでチームを組もう。そうすれば、我の消耗を避けつつ、確実に敵を仕留める事が出来る』


「――はっ……? いやいや、俺と組む必要あるの?」


 べフェールの提案に俺は驚く。勿論、アンナさんとミーアさんも目を丸くしている。


 どう考えても足手纏いにしかならない。そう思う俺達に対して、べフェールはさらっとこう告げた。


『トールは我を纏うが良い。この世界で言う所の、神器を扱う感覚だ』


「べフェールを纏う、だって……?」


 何だか急におかしな話になってきた。確かにべフェールは真っ白な鎧で、リビングメイルと言うかロボットに見える存在である。


 ただ、その中に俺が入る事が出来るのだろうか? サイズ感的にも小さ過ぎる気がするのだが……。


『まあ、説明するよりは見た方が早いだろう』


 そう告げるとべフェールはそっと俺の肩に触れる。そして、パッと発光したと思ったら、その姿を消してしまった。


 だが、次の瞬間に俺の体が軽くなる。沸き上がる力に驚いていると、頭も辺りから声が聞こえて来た。


『我は神の力の一部。混沌の神を滅ぼす為の武器。つまり、この世界の神器と同等の存在なのだ。それを身に纏えば、トールは神を滅ぼす騎士となれる』


「――えっ……?! そんな感じなの……!」


 確かに騎士王の剣を所持すると、ステータスに補正が掛かる。身体能力がグンっと引き上げられる。


 そして、べフェールは鎧の神器らしい。真っ白なあの鎧姿を、今の俺は纏っている状態となっている。


 しかも、神器によるステータス補正が二重で掛かっている気がする。身に付けているだけで、とんでもなく強く成ってる感じがする……。


『神を滅ぼす為の剣は既に所持している。ならば、我はその身を守る事に力を注ごう。この状態ならば、トールの持つユニークスキルも無制限に使えるだろう』


「ユニークスキルを、無制限に使える……?」


 それはつまり、俺の持つユニークスキル『英雄』の事だよね? ステータスを二倍に引き上げるチートスキルだけど、元々の一日五分制限が無くなるってこと?


「ヤバ……。それなら、伝説級レジェンダリーもやれるわ……」


 俺は手にした力に身震いする。この人生でそこまで極める気は無かったけど、これなら下手したら神級ゴッズすら相手に出来る。


 思わぬ形で手にした力に呆然とする。そんな俺に対して、べフェールは淡々とこう告げた。


『トールの精神は安定している。それ故に、我の力を託すに値する。必要な時に、この力を振るってくれ』


「あっ……」


 べフェールは必要な事を伝え終わると、神器モードを解除してしまった。急な力の喪失にガッカリするが、とはいえ今は必要な時では無いからね。


 俺は納得と共に頷く。すると、べフェールはミーアさんに向き直って告げる。


『この事を神々にも伝えておいてくれ。ひとまず我は、引き続き眷属を討伐する』


「うん、わかったよ! アレク君に今から伝えに行くね!」


 その明るい笑みを見て、べフェールは空へと舞い上がる。スラスターなんかは付いて無いけど、見上げる姿は本当にロボットみたいだ。


 べフェールは飛び去り、あっという間に姿を消す。それを見届けた俺達は、ミーアさんの転送で父さんの元へと向かう。


 ステージが次の局面へと進んだことを、父さんや神々へと伝える為に……。

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