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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
第十一章 レクイエム編

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アレク、葬儀に参列する

 あの後、ヴェインさんとフューズさんが戻って来た。長男のアベルは無事に捕縛する事が出来た。


 ただし、協力者の医術師は自害した。また、関連が疑われた者達は、軒並み姿を消してしまったらしい……。


 翌日には領民へ説明が行われた。ユリウスさんの死と、ポルクの新領主就任について。


 なお、長男のアベルは、父親の死がショックで、自害したと発表・・されている……。


 ヴォルクス領内に動揺が広がった。しかし、予定通りにボクが同席した事で、その混乱もすぐに収まる。ユリウスさんの死には悲しんだが、収まる所に収まり、ホッとした部分も大きいのだろう。


 そして、更に翌日には、葬儀が行われる事になる。場所はヴォルクス城の城内。この日だけは、全ての領民に城が開放され、前領主への献花が認められた。


 ボクとポルクとアンリエッタ。三人は並んで、その光景を眺めている。


 背後には、ギリー、ギル、セスも控えている。ただし、彼等は口を開こうとはしなかったが……。


「凄い、参列者の数ですね……」


「ええ、父様は皆に愛されていましたから……」


 ボクの呟きに、ポルクが答える。寂しさと嬉しさが混じる、複雑な表情を浮かべ……。


 参列者の列は尽きない。城門の遥か先。市民街まで、その列は続いて見えた。


 恐らくは、ヴォルクスに住む、全ての住民が参列しているのだろう。


 そして、ポルクは小さく呟く。無数の花に囲まれた、父親の棺を眺めながら。


「重いですね……。父様の後を継ぐのは……」


「ポルク……」


 アンリエッタが心配そうな表情を浮かべる。その顔は、ポルクへと向けられている。


 ただ、心配する必要は無いだろう。ポルクの表情は、決意に満ちた物だった。不安を感じたのでは無く、現実を再認識しただけだと思われる。


「アレクさん……。どうか、これからも……」


「わかってる……。これまで通り、お互いに頑張って行こう……」


 お互いにクランリーダーとして、競い合う事は出来なくなった。それでも、お互いの目的に変わりは無いのだ。


 ポルクは内側から……。ボクは外側から、ヴォルクスを守り、発展させて行く。手段が変わっても、お互いの目的に変わりは無いのだから……。


 それに、これからは帝国への備えも必要になる。ユリウスさんを欠いたのは手痛いが、後をポルクが継いだのが、せめてもの救いと言える。


 後を継ぐのが長男のアベルだった場合。どうなっていたか、想像したくもない……。


 そういう意味では、ユリウスさんの周到さには驚かされた。こういう事態も想定して、既に数々の手配が行われていたのだ。


 領地経営については、フューズさんとザナック侯爵が協力する事になっている。国王への報告についても、ザナック侯爵がフォローしてくれるらしい。


 私兵団の運用についても、元『黄金の剣』のリュートさんが手伝う事になっている。各団長との間に立ち、ポルクの意思伝達をサポートする役割を果たすらしい。


 更に、各ギルドやクラン事務局についても、魔術師ギルドのワトソンさんが取りまとめ役を務める。彼の信頼も厚いらしく、円滑に回るだろうと聞いている。


 ……恐らくは、自らの暗殺も考慮に入れていた。そして、アベルとポルクの二人。そのどちらが後を継いでも、問題が無い様にと考えていたのだ。


 その有能さ……。そして、どこまでも領地を思う気持ちに、ボクは頭が下がる思いだった……。


「まだ、長く掛かりそうです……。宜しければ、アレクはさんは少し休まれては……?」


「うん、そうだね。それじゃあ、交代で――」


 その言葉は、途中で途切れる。ボクが目にした、信じられない光景により……。


 ボクは、その姿に目が釘付けとなる。フードとマントを纏った、その姿に……。


「アレクさん……?」


 ポルクは怪訝そうに呟く。ボクの異変に気が付いて。


 しかし、ボクは返事を返せないでいた。そいつが、被っていたフードを取った事で……。


「まさ、か……。何故、彼女が……?」


 城門の付近。参列者の脇に立つ彼女……。


 しかし、その強力な圧力……。際立つ存在感により、ボクは彼女を見つける事が出来た……。


「ゼロ……?」


 彼女はボクを真っすぐ見つめる。そして、その口を大きく、ニイッと裂いたのだった……。

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