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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
第九章 ヴァーム砦防衛戦編

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アレク、ヴァーム砦に向かう

 現在、ボクは領主のユリウスさんと馬車の中だ。そして、ボクの左右にはギリーとギルが座り、領主の左右には護衛の聖騎士が座っている。


 なお、向かう先はヴァーム砦。ペンドラゴン王国とカーズ帝国の境にある、ヴォルクス領の防衛の要である。


 ちなみに、ヴァーム砦は『ディスガルド戦記』の中で、数ある攻城戦のエリアの一つ。ボクも何度か、ヴァーム砦の防衛に参加した事があったりする。


 ……まあ、その知識は、誰にも話せないんだけどね。何せボクの頭には、砦の間取り所か、全ての抜け道すら入っているのだから。


「今回は済まない。だが、引き受けてくれて助かったよ」


「この位は構いませんよ。それに、ボクも協力すると、約束した訳ですしね……」


 ユリウスさんとの約束とは、兵士への激励の事だ。戦争への参戦が無い代わりに、場合によっては頼むと言われていたのである。


 ……その時は、こんなに早く実現するとは、思っていなかったけど。


「それで、今の状況は……?」


「カーズ帝国から、二千の兵が向かっている。ヴァーム砦への到着は十日後を予定。我々は明日中に砦を発つので、戦闘には巻き込まれる事が無いだろう」


 二千の兵とは少なく感じるかもしれない。しかし、その編成は、恐らく上級職で固めているはずだ。


 ジョブ、スキル、魔法が存在するこの世界では、数より質が重要になる。下手な一般職と優れた上級職では、竹槍とマシンガン程に、大きな戦力差が生まれてしまう為である。


「ヴァーム砦の戦力は……?」


「聖騎士と魔法剣士が500名ずつ。それに、魔導師ウィザード狙撃兵スナイパーが100名ずつだな。……それと、王国から騎士800名が、遅れて増援にやって来る予定だ」


 既存の戦力だと倍近い数となる。数日耐える位は問題無いが、撃退可能な数では無い。


 そうなると、王国からの増援が重要となる。帝国兵を押し返すには、増援の到着を待つ必要があるという事である。


 そして、問題となるのが、増援が到着するまでの日数。馬や馬車なら十日掛からず到着可能。しかし、歩兵が混ざると、開戦までに間に合わない可能性が高い。


 更に言えば、今の騎士団は再編されたばかりなのだ。質は確実に落ちており、それが行軍や指揮に、どれ程の影響となるかが不明だ……。


「……勝てるんですよね?」


「無論だ。私の兵達は、精鋭揃いだからな」


 ユリウスさんは、ニヤリと笑って見せる。自分の私兵団に、余程の自信があるらしい。


 ボクはその笑みに、微笑みで返す。内心の不安を悟らせない様に……。


「…………」


 ボクは、馬車の窓から、外を眺める。ヴァーム砦が近いのか、緑が少なく、岩肌が目立っている。


 ちなみに、帝国領内は荒れた土地が殆どだ。その付近のヴァーム砦も、動植物の生存に適した土地では無い。


 ボクは内心の不安が増す。ヴァーム砦が近づくのを感じ……。


 そもそも、どうしてカーズ帝国は、このタイミングで侵略を開始したのだ……?


 爺ちゃんが亡くなった事と、王国の防衛力が落ちた事は関係するだろう。


 しかし、ヴォルクスの防衛力は落ちていない。迫る戦力を考えても、圧倒的有利とは言えないのだ。


 カーズ帝国には、何らかの切り札でもあるのだろうか? 兵力差を物ともしない程の何かが……。


 ボクは静かに馬車に揺られる。


 そして、増して行く不安を打ち消せず、最悪の事態を考え続けるのだった……。

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