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デンジャーロープをクリアしろ


 ナイトたちの歓喜の声を聞き、ルコールは心の中でこう思っていた。


 クソが! あいつら、俺が死ぬかもしれないっつーのに、気楽にこの状況を見やがって! さっきロープに飛び移れたのは偶然だ! クソッ! これを……四回やらねーといけねーのかよ! しかも、二回連続でロープを渡る場所もあるじゃねーか! 俺は昔のゲームのゴリラじゃねーんだよ! こんな拷問みたいなゲーム、ナイトのクソ野郎にやらせばいいのに!


 ルコールが少し客観的に見ているナイトたちを睨んでいる中、ロココが口を開いた。


「おい、立ち止まっていると時間が無駄になるぞ。忘れたか? 時間切れになったら全員そこで死ぬ」


「うるせー! 分かってるよクソAI!」


「これ以上俺を侮辱すると、すぐに全員殺すことになるぜ? この場にいる全員あの世に送りたいのなら、どんどん侮辱しても構わんのだが」


「あーもう分かったよ! とっとと次のロープに移ればいいんだろ⁉」


 そう言って、ルコールは次のロープに向かってジャンプし、何とかロープを掴んだ。勢いを付けて前後に激しくロープを揺らし、いつでも次のコンテナの上に飛び移れる準備を整えた。だがしかし、ルコールはすぐに動けなかった。次の足場は、さっきの足場より少し小さかったからである。


 クッ! 次の足場が小さい! 勢いを付けて着地しても、転倒したら落っこちる!


 そう考え、ルコールは少しだけ勢いを調整し、次のコンテナの上に飛び移った。着地し、ルコールはバランスを崩して前に転倒した。


「あっ! 危ない‼」


 転倒したルコールを見て、ウエートは叫んだ。ティアナは思わず目を背け、ナイトとトレトイルは目をつぶった。だが、ベルンゼだけは冷静にこの状況を見ていた。


「大丈夫だ。あいつ、落ちる寸前で態勢を整えた」


 この声を聞き、ナイトたちはルコールの方を向いた。ルコールの体は、コンテナのギリギリの隅にあった。


「よかった……」


「ルコール君が死ななくてよかったよ」


 ルコールが無事であることを察したナイトたちは、安堵の息を吐いた。




 ルコールは強い電流が流れる床を上から見て、恐怖のあまり体が硬直していた。


 あぶねぇ……へましたら、あそこに落ちて黒焦げになってたとこだ。


 そう思いつつ、ルコールは何度も大きく深呼吸をして呼吸を整え、ゆっくりと立ち上がった。ロココは手のようなモニュメントを出し、ゆっくりと拍手をするような動作をした。


「お見事。だけど、これはまだ序盤だ。序盤で死んでしまったら、面白くない」


 挑発的な笑みを浮かべるロココを睨み、ルコールは生きて帰ったらモニターを殴ってやるかと考えた。その後、ルコールは震える足を抑え、次のロープを見た。


 次のコンテナまでは距離があるのか。足場の大きさも今乗っているコンテナと同じくらいだ。次に行くたび、難易度が上がるってわけかよクソッたれ!


 心の中で叫んだ後、ルコールは勢いを付けて走り出し、次のロープを掴んだ。そしてさっきと同じように激しく前後にロープを揺らし、勢いを付けた。その時、次のコンテナを見ながら、ルコールは考えた。


 コンテナの上に飛び移るのが正攻法だが、最悪の場合はよじ登るしかねぇ。電流が流れているのは床の上。床の上に落ちなければ、死ぬことはない。コンテナの周辺に凹凸は……ある。最悪、あそこの凹凸を利用してよじ登れば助かるはずだ! ロココの野郎もコンテナをよじ登るのはルール違反とは言ってねぇ!


 そう考えつつ、ルコールはタイミングを見計らって次のコンテナに飛び移った。だが、ルコールの体は次のコンテナに飛び移るその寸前に、下に落ちて行った。


「なっ……」


「うわァァァァァァァァァァ‼」


 ルコールの落ちる姿を見て、ナイトたちは絶叫した。だが、電流が流れる音が聞こえるだけで、ルコールの悲鳴は聞こえなかった。


「ケッ。命拾いしたか。つまらねーの」


 ロココの言葉を聞き、ウエートはルコールが飛び移ったコンテナを見て、声を出した。


「見ろ! ルコールは死んでない! コンテナの壁にへばりついているぞ!」


 ルコールは落ちる寸前、てっぺんのコンテナの壁にへばりつき、落下を防いだのだ。それを見たロココは舌打ちをした。


「確かにコンテナの壁にくっついてはいけませんって言っていなかったな。少しは大目に見てやろう」


「ハッ! テメーの思い通りにいかなくて残念だったな!」


 コンテナの上に登り終えたルコールは、両手でやってはいけないポーズをロココに見せ、怒声を発した。


「調子に乗るのも今のうちかもしれないぞ? さて、早くしないとタイムアップが迫っているぞ。早くしないと、みーんな死んじゃうぞ?」


「うるせぇ! そんなこと分かってらぁ!」


 ルコールは助走を付け、次のロープに向かってジャンプし、何とかロープを掴んだ。そして四つ目の障害を難なく突破し、目の前を見た。


「ロープが二つ……か」


 次のコンテナまでのロープは二つある。この二つのロープを使っていかないと、次のコンテナに届かない距離である。一つのロープを使って移動するのも苦労であるが、ルコールがあれこれ考えている時間はない。


「ここまでやれたんだ。やれるとこまでやってやるさクソッたれが!」


 そう意気込み、ルコールは走り出した。


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