第一のゲーム
謎の乱入者、自称ロココがココロの体を乗っ取り、一方的にゲームを始めると宣言した。言うことに従わないと全員殺すとロココは話しており、ロココの体と思われる隕石を調べていたジギーハを、ロココは殺していた。そのことを知ったナイトたちは、ロココに人を殺せる力がある。あるいはヤヴァーイ号がロココに乗っ取られたものだと考えていた。
ワークルーム内にある倉庫室。そこには任務で使う道具はもちろんのこと、全員分の服やヤヴァーイ号の検査の際に使う道具もあった。倉庫に到着したナイトたちは、周囲を見回した。
「あいつ、姿を見せてねーじゃねーか。あれは単なる脅しだったのか?」
笑いながらルコールはこう言ったが、突如天井にあるスピーカーから砂嵐の音が聞こえた。
「あーあー、諸君! 俺の声が聞こえるか?」
「あの野郎、スピーカーから声も出せるのかよ!」
「そのいけ好かない声音はルコール・パセルトだな。お前の言う通り、俺は電源がある限り、この船のどこからでも声を出せるし、こちらから姿を見せなくてもお前たちがどこにいるのか、何をしているのかはっきりと分かる! 隠れてセックスなんてしても無駄だ、俺は見ているんだからなぁ」
「この野郎! ふざけんじゃねぇぞ!」
「ふざけてなんかいない。それと、さすがにプライベートルームまでには目を伸ばさないさ。お前たちにも人に見られたらいけないことをよくしているだろう?」
ふざけたような口調を聞き、ルコールの怒りは爆発しそうになった。そんな中、ロココは話を続けた。
「では第一のゲーム、<デンジャーロープ>を始めよう! まず最初に、準備の前段階としてそこのコンテナの上に登ってもらう! 全員だ! 一階建ての家の屋根と同じ高さだが、まぁ段差もあるから女でも楽に登れるだろう」
話を聞いたナイトたちは、仕方なく言われた通りにコンテナを登った。その直後、電流が流れる音が聞こえた。
「何をした?」
「下を見てみろよ。面白いもんが見れるぞ」
「面白いもん? おわっ‼」
下を見たベルンゼは、驚きのあまり声を出した。下の床には目で見えるレベルの強い電流が流れていたのだ。時折バチバチと音を鳴らしては、電撃の一部が魚のように動いていた。
「あの下に落っこちれば、たちまち何万ボルトの電流が体の中を駆け巡り、あっという間に黒焦げになる! 絶望したなら今飛び降りてもいいぜー」
「ふざけんな! すぐに元に戻せ!」
「だったら<デンジャーロープ>をクリアしろよ。今からルールを教えるから、調教されたバカな子犬のように大人しく座って待ってろよ。それとも、お前はバカな子犬よりバカな脳の持ち主かぁ?」
と、ロココは笑いながらルコールを挑発した。これ以上叫んでも無駄だとルコールは察し、仕方なく言われたように大人しくその場に座った。
第一のゲーム、<デンジャーロープ>。ルールは簡単。上から垂れているロープに飛び移り、別のコンテナに移動する。ロココがゴールと定めたのは、赤い色のコンテナだった。その赤い色のコンテナは他のコンテナとは違い、少し小さかった。
「ロープの移動は認める。他の移動手段を思いついたのなら、実行しても構わない! まぁ、道具はないけどな。時間は三十分! 三十分以内に赤い色のコンテナの上に着地しろ!」
「分かった。じゃあ、俺が行く!」
と言ってウエートが上着を脱ぎ、立ち上がった。だが、ロココは声を出した。
「待て待て! 誰がやるのかは俺が指名する」
「指名? お前はキャバクラに遊びに来た金持ちのクソジジイか⁉」
「俺が金持ちのクソジジイだとしたら、お前たちは水商売をしなければ金を得られないクソ人間だ。俺は電流を操ることができる。その電流を、お前に擦り付けることだってできるんだぜぇ?」
ルコールは歯を食いしばり、大きな声を叫んだ。その様子を見ているロココは笑い始めた。
「キャハハ! さっきの勢いはどうしたよ子犬君! それなら、お前がこのゲームをクリアするか?」
この言葉を聞き、ルコールは顔を上げた。
「ヘッ、俺を指名するってか?」
「その通りだ。拒否権は欲しいか? この責任を誰かに押し付けることができるぞ?」
この言葉を聞き、ルコールは一瞬だけナイトの方を振り返った。だが、すぐに目の前にあるロープを見て、こう答えた。
「ああ! やってやろうじゃねぇか!」
その後、ルコールは手袋を装備し、目の前のロープを睨んだ。<デンジャーロープ>が始まる前、ティアナが声を出した。
「もし、制限時間を超えたらどうなるの?」
「その時点でゲームオーバーだ! 全員死んでもらう!」
「クソッ! 滅茶苦茶じゃねーか! だけどぉ、俺がクリアすればいいんだな?」
「その通りだ! それじゃあ、スリーカウントで始めるぞ!」
ロココの言葉を聞き、ルコールは表情を変えた。ロココがスリーカウントを終えたと同時に、ルコールは目の前のロープに飛び移った。その後、ルコールは体を前後に動かして勢いを付け、タイミングよく別のロープに飛び移った。
「おお! うまい!」
「彼、意外と運動神経がいいんだぁ」
ロープに飛び移るルコールの姿を見て、ウエートとトレトイルは感心した声を出した。この調子なら、楽にクリアできると誰もが考えた。
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