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無言の帰還


 ドスコイはココロの偽りの報告を聞き、怒声を上げた。ココロは驚いた表情をしつつ、言葉を返した。


「お言葉ですが、どうしてそのようなことをおっしゃるのですか?」


「三日前の出来事だ」


 と言って、ドスコイは咳払いをして話を進めた。


「宇宙遊覧船、チェールン号が宇宙に漂うある物を見つけたんだ。ココロ、それは何だと思う?」


「さぁ……分かりかねません」


「分からないのか。だったら教えてやる」


 ドスコイはしばらく間を置き、ココロを見ながら口を開いた。


「見つけたのはただの隕石を手にしたウエート船長の死体だ! 死後、約一か月後だとみられる。死因は窒息死、宇宙服とヤーヴァイ号を繋げるケーブルはなかった! ココロ、数秒前に答えた言葉を覚えているか? 俺の質問に対しての答えを覚えているか⁉」


 ドスコイの言葉を聞き、ココロはかなり動揺した。何も言わない、動かないココロを見たドスコイは大きなため息を吐き、こう言った。


「ココロ、今すぐヤーヴァイ号を地球に戻せ。これは命令だ。もし、お前が拒むようなことをすれば……分かるよな?」


 と言って、ドスコイからの連絡は終わった。ココロはこの状況を打破すべく、いろいろと答えを考えた。しかし、どうあがいてもいずれは地球から調査官がやって来て、無理矢理ヤーヴァイ号を地球に帰還させるだろう。そして、自分は処分される答えを導き出した。ココロは覚悟を決め、ヤーヴァイ号を地球に戻すようにプログラムした。




 ドスコイからの通信が終わって三時間後、ヤーヴァイ号が地球に戻って来た。


「来たか……」


 ヤーヴァイ号の姿を見たドスコイはヤーヴァイ号が着陸するのを待った。数分後、地面の上に着陸したヤーヴァイ号を見て、アサルトライフルを手にした調査官にこう言った。


「隅から隅まで調べてくれ」


「了解。任せてください」


 調査官の一人が右手の親指を立てて答え、仲間を連れてヤーヴァイ号へ向かった。


 内部に突入した調査官は、入ってすぐに嫌な顔をした。


「長時間放置された死体の臭いだな……」


「何かあったってことは、間違いないな」


「おしゃべりは終わりだ。先に進むぞ」


 調査官は話を終え、調査を始めた。ワークルーム内にあるジギーハの部屋を見て、調査官の一人が驚いた。


「あれはジギーハ・コルオン……」


「酷い殺し方だな」


 調査官は血が付着した機械を見て、こう言った。


 それから彼らはリビングキッチンルームへ向かったが、死体を見つけることができなかったため、すぐ隣のプライベートルームに向かった。


「ここが臭うな……」


 調査官はティアナの部屋のシャワールームの扉のドアノブを手にし、扉を後ろに動かした。そこからミイラと化したティアナの死体が、崩れるように倒れてきた。


「これは……ミイラか?」


「ここはエジプトじゃねーぞ。体内の水分やら何かが全部奪われて、ミイラになっちまったに違いない」


 調査官の一人がティアナのミイラを抱きかかえようとしたのだが、ティアナのミイラは崩れるようにバラバラになってしまった。


「あーあ……」


「持ち上げた瞬間で、形を保てなくなったんだねぇ」


「そうだな……それよりも、塵になる前に一部でもいいからミイラを採取しろ。後でDNAを調べるんだ」


「はい」


 その後、ティアナのミイラの一部を回収した調査官は、コントロールルームに向かった。そこで、彼らはベルンゼのバラバラ死体を見つけた。


「ひ……酷い」


「死体の切り口から見ると、レーザーで焼かれたようだな」


「えげつねぇなぁ」


「死体を回収しろ。崩れるかもしれないから、慎重にな」


 調査官はベルンゼのバラバラ死体を回収し、コントロールルームの中を調べた。そこで、彼らはケーブル類に絡まったナイトの死体を見つけた。


「ありゃ、ヤリチン野郎で有名なナイト・マコトノじゃねーか」


「派手なプレイボーイが、こんな無残な死に方するとはねぇ」


 調査官はそう言いながら、ナイトの死体を回収しようとした。だが、ケーブルの一部が意志を持ったかのように動いたため、すぐに後ろに下がった。


「な……何じゃありゃ⁉」


「ケーブルが動いたぞ」


「自動で動く……わけがないな。はぁ……とりあえず、一度本部に戻ろう。死体の回収は後回しだ」


 と言って、調査官たちは急いでヤーヴァイ号から外に出た。




 調査官から話を聞いたドスコイは、目をつぶって大きなため息を吐いた。


「あまりよくないことを考えている」


「誰もが同じことを想っていると思います」


 ドスコイと、作戦に関する人がこう言った。ドスコイは目を開け、作業員にこう言った。


「なぁ、確かヤーヴァイ号には誰にも知らせていない秘密の隠しカメラと隠しマイクがあったはずだ。ヤーヴァイ号の秘密プログラムにアクセスして、データをこっちに転送することができるか?」


「そう言うと思って、すでにデータを手に入れています」


 と言って、女性作業員が自慢げにドスコイの方を振り向いた。ドスコイは「よくやった」と答え、すぐにカメラのデータを見た。そこには、ココロが騒動を起こした一部始終が映し出されていた。


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