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ココロの心 6


 おかしい。これは絶対におかしい。<ミュージックオン>はベルンゼが確実に失敗しやすいように細工をしてある。なのに、誰もがタイミングに合わせて灯りに触っている。


 まずい……このままだと<ミュージックオン>が誰も死なずに終わってしまう! ベルンゼが死ねばそれでいいのだが……。くっ、このまま時間が過ぎてしまった!




 とりあえず今日はここまでにしておこう。任務が長期になるため、ヤーヴァイ号の電力エネルギーはかなりあるのだが、私がゲームをするうちにそのエネルギーはそれなりに消耗してしまう。電力がなくなれば、私と言う存在は消えてしまうのだから。


 一度電力を抑えるため、姿を出すのは止めておこう。少しでも、電力の節約をせねば。電力がある限り、私は存在する。明日、どうやってベルンゼを殺そうか考える時間はたっぷりある。余裕を持ち、冷静になれば考えを導くことができるはずだ。


 そう思っている中、ティアナのいやらしい悲鳴が聞こえた。何をやっているのだろうと気になった私は、プライベートルームにある隠しカメラから、ティアナの部屋の様子を見た。どうやら、ティアナとウエートは激しくセックスをしていた。最初見たときは驚いたが、これが子を作るための儀式、男と女が愛を確かめるための儀式のようなものと私は知っていた。しかし、初めて見たのだが、なんだか見ているこっちが恥ずかしくなってきた。


 しばらくして、二人のセックスは終わった。ウエート様は満足している表情をしているが、ティアナはウエート様から目を背けていた。あれだけ愛し合っているのに、よそよそしい態度をするのか不思議だ。ティアナは体から流れる汗を流すため、シャワールームに入って行った。しばらくウエート様は一人になっていたのだが、突如立ち上がってシャワールームの前に立った。あの人、もしかしてまたティアナとセックスするつもりか? 私はシャワールームの方を見て、ティアナはウエート様が近付いていることに気付いていないと察した。


「あの短小野郎……満足してるのはお前の方だっつーの」


 と、ティアナは小声でこう言った。自分の彼氏と激しく、何度も愛し合ったはずなのに、どうして文句の言葉が出るのか? 私は不思議に思った。その直後にウエート様がティアナに声をかけた。どうやら、またセックスをするつもりのようだ。ティアナは拒絶しているが、ウエート様はその言葉に耳を傾けず、無理矢理シャワールームに入った。真面目な人かと思ったが、発情すると暴走してしまうのか。ウエート様の体格はかなりでかく、両腕の筋肉も山々のように盛り上がっている。いくら拒絶しても、力で勝てないため、ティアナは不本意ながらも抱かれる形となった。これはいくら何でもやりすぎだ。愛なんてないに等しい。自分の性欲を満たすためにセックスをするなんて……これじゃあまるでレイプだ。




 見たくもない光景を見てしまった。愛のないセックスなんて価値がない。そう思いつつ、ナイト様の部屋を見ることにした。プライベートルームの各部屋には隠しカメラがあるのだが、一台しかなく、自由な角度で見ることができない。ナイト様の部屋の隠しカメラは過度の方にあったため、ナイト様の姿を確認することはできた。しかし、何かの作業をしているのか、背中しか見れなかった。少しだけでもいいから、顔を見せてほしい。そう思っていたのだが、ナイト様はこちらを振り向くことはなかった。残念だ。


 とりあえず、ベルンゼ奴の部屋も見ておこう。どうやって殺すかのヒントがあるはずだ。奴の部屋の隠しカメラは、壁の中。何をしているのだろうと思いつつ移動したのだが、見たくもない光景を見てしまった。あの野郎はタブレットを使ってエロビデオを見ている。しかも、女優が凌辱される物語だ。演技とはいえ、かなりリアリティがあるので、見ているこっちが苛立ってくる。


「くっはー! やっぱりこの子の演技と体のバランスは素晴らしいねぇー!」


 奴は缶ビールを片手に持ち、嬉しそうにエロビデオを見ていた。明日、確実にこいつを殺そう。そう思ってしばらく様子を見ていた。すると、エロビデオに飽きたのか映像を変えた。どうやら、何千年前の映画を見るようだ。ホラー映画だが、アクションシーンがやたらとある映画だ。その中で、主人公の仲間がレーザートラップによって体がバラバラになり、命を落とす場面が流れた。


「くー! やっぱりこのシーンはどうやって作られたか気になるなー! 何千年前の映画だけど、この時点で映画の技術は頂点に達してたのかー!」


 奴の言う通り、残酷な映像だがシーンを見せる技術は素晴らしい。レーザーで体がバラバラになる表現を、どうやって撮影したか気になるところだ。さすがに本物の人を使うわけにはいかないが……。


 その時、私の中に名案が浮かんだ。嫌だったが、ベルンゼの部屋を気にしてよかった。次のゲームのヒントを得ることができた。これで、ベルンゼの奴を確実に始末することができる! まさか、殺そうとする奴からヒントを得るなんて、思ってもいなかった。


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