ココロの心 4
私の脅迫は皆さんに通じたようだ。私の行動一つでヤーヴァイ号が爆発し、命に係わる状況だと皆さんは察したからだ。これなら難なく命令をし、皆さんを動かすことができる。ただ、ナイト様だけは何が何でも、どんな手を使ってでも守り抜かねば。
皆さんは私の言う通りにワークルームにある倉庫室に向かった。そこで私は<デンジャーロープ>について話をした。それから、すぐにルコールの奴にゲームをするように指名した。
ルコールはナイト様暗殺に乗り気ではなかったが、殺意を秘めているのは分かっている。どれだけ冷静に動いても、殺意が強ければ目に出てしまう。口にはしていないが、心の中ではどうやってナイト様を殺そうか、あるいはナイト様が事故死してくれないかとか考えているのだろう。
話をした後、最初の<デンジャーロープ>が始まった。私の計画がばれないように、途中まではクリアさせよう。でも、途中で失敗したらルコールの責任だ。失敗した奴が悪い。そう思いつつ、私はルコールの動きを見ていた。途中、落ちそうになった場面はあったが、ルコールは何とか持ちこたえた。私の予想より、奴は運動神経がいい。だが、確実に奴は死ぬことになる。
奴を殺す場所。ゴール手前の連続ロープ地点。この上には通気口がある。作られた人工の風が流れるのだ。荷物の中には定期的に新鮮な空気や風を当てないと、質が悪くなるものがあるらしい。どんなものかは分からないが、まぁそんなことはどうでもいいし、分かる必要性もない。とにかくルコールが通気口に近付いたら、風を流す。奴の体が動くか、ロープが動くかは運が決める。
ルコールはついにゴール手前の連続ロープ地点に到達した。奴は難なく最初のロープを手にし、セックスするかのように激しく揺らした。私が茶々を入れたが、奴は私に向かってこう言った。
「うるせぇ隕石野郎! クリアしたら、ハンマーでテメーの体を粉々にしてやるからな!」
この言葉を聞く限り、奴はまだ私が隕石によって体を乗っ取られていると思い込んでいるようだ。そう思い込みながら、あの世へ逝くがいい。奴はタイミングを合わせ、次のロープに向かってジャンプした。
「よっしゃ!」
クリアしたと思い、奴は叫んだ。クリアなど、誰がさせるものか。私はタイミングを見計らい、空調から風を流した。そのせいで、ロープは大きく動いた。プッ。ロープを掴めなかった奴の間抜け面を見て、思わず吹き出してしまった。みっともない。奴は情けない声を上げながら下に落ち、電流を浴びることになった。奴の体には何万ボルトもの電流が流れた。それだけ威力があれば、あっという間に黒焦げになる。私の思惑通り、奴の体は黒焦げになり、ボロボロに崩れた。ざまぁみろ。私のナイト様を殺そうとした罰だ。
二回目の挑戦は、はっきり言って誰が挑戦してもいい。ナイト様にあんな危険なことをやらせるわけにはいかない。ルコールの次にベルンゼを指名したいが、連続してナイト様の命を狙う奴を指名すると、ナイト様が疑われる。ここはウエート様かティアナ、トレトイルの誰かに指名するとしよう。私はそう考えたが、ウエート様が次のチャレンジに立候補した。三人のうちの誰かを指名するつもりだったので、まぁどうでもいいと思った。通気口の風のトリックは皆様理解しているため、今回は使わないようにする。
ウエート様は運動神経が抜群であることは知っているが、難しいと思われる<デンジャーロープ>を難なくこなすは思ってもいなかった。この人はなんだかんだで最後まで生き残りそうだ。元々この人の命を狙っていたわけではないが、まぁ面白いから何もせずに様子だけを見よう。
だが、途中でトラブルが起きた。ロープが切れかけたのだ。ロープを変えることは不可能だし、変える必要性もない。面倒だからだ。いろいろとこじつけを言って話を進めると、ウエート様は<デンジャーロープ>を終わらせて黙らせると言った。船長と言う立場だから、とにかくこの騒動を終わらせたいという気持ちがあるのだろう。まぁ、終わらせても私は黙らないけど。
ウエート様は難なくゴール手前に到達した。ルコールがそこで死んだためか、ウエート様は緊張した面付きでロープを見ていた。しばらくして、ウエート様は走り、ロープを掴んだ。一生懸命にロープを揺らし、次のロープに飛び移ろうとした。ジャンプしたウエート様は、見事にロープを掴んだ。だが、ゴールするにはコンテナの上に乗らなければならない。さて、ゴールするか落ちて黒焦げになるか。どっちになるのだろう。そう思っていたのだが、ウエート様は難なくゴールであるコンテナの上に飛び移った。これで、第一のゲームは終わりだ。
第二のゲームは考えてある。次に始末するのはトレトイルかティアナのどちらか。次のゲームの場所は食材置き場だから、トレトイルでいいか。私は適当に指名し、次のゲームの場所へ案内した。早くベルンゼを殺したいのだが、さっき思ったように命を狙う人物が連続して指名されたら、ナイト様が疑われる。早く殺したいのだが、ここは抑えなければ……。
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