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ココロの心 3


「なぁ、あんたもナイトのことが気に食わないんだろ?」


「あんなことをされたんだ。あんな奴を好きになれるわけがないだろう」


「ははは。あんたもあいつの被害者ってわけか。なぁ、事故を装って、あいつを始末しないか?」


「そんなことをしたら騒動になる。俺もあいつを殺したいほど憎んでいるが、ああいう奴はいずれ天罰が起きると俺は思っている。俺たちで手を下すまでもない」


「けっ、どこぞの宗教に入ってんだか分からねーが、俺は神様なんてもんは信じてねーんだ。あんたがやらねーなら、俺一人だけでもあの野郎を始末してやるよ」


「バカなことはするな。気持ちは理解できるが、畜生になる必要はない。そんなことより作業をするんだ。早く地球に帰りたいんだろ?」


 ルコールは冷めた言葉でこう言った。だが、私の目には、ルコールは心の奥でナイト様への復讐心を燃え上がらせていると。ベルンゼの野郎は、確実にナイト様を殺すつもりでいる! ルコールの言う通り、こんなところで事件が発生したら、大変なことになる! いやいや、それよりもナイト様の命の方がよっぽど重要だ! 放置してはいけない、何が何でもベルンゼの野郎を殺さないと! いや、ベルンゼだけじゃない。ルコールも表情では表していないが、心の奥でナイト様への殺意を秘めている。あんな奴らを放置するわけにはいかない! 彼女を寝取られたという理由があるが、結局はナイト様より魅力がないこと、他の男相手に簡単に股を開く大バカ女なんかと付き合う奴が悪い! あの二人は絶対に生きては地球に帰さない! ここで殺してやる!




 殺してやると決めても、派手に動いたらナイト様が疑われる。いや、それどころかこの宇宙船にいる人たちの人間関係にひびが入る。なるべく大きな騒ぎにならないように……いや、ダメだ。人の命を奪うだけで、大げさに騒がれる。このことが地球の人たちに伝わったら……下手をしたら、私の存在が消されるかもしれない。


 過去に完全犯罪を成し遂げた犯罪者はたくさんいるが、迷宮入りになったのは当時の警察があまりにも情けないこと。そして犯人の頭脳が警察よりも各上だったこと。いろいろな状況が重なり、逃げることに成功したパターンが多い。だが、これはあくまで地球で行われた犯罪。宇宙で起きた犯罪は今のところ、完全犯罪で終わったケースはない。宇宙船で事件が起こるケースが多いため、確実に監視カメラや隠しカメラなどに姿が映る。私の姿はカメラに映ることはないが、何かを動かしたらすぐにばれる。何か、いい方法はないか? そう思っていると、ウエート様が隕石の欠片の採取に成功したと報告を受けた。これを聞き、私はあるアイデアを思い付いた。




 私はインターネット上にある小説をいくつか読んでいた。私はAIのため、あっという間に作品を読むことができる。知識を得るために、過去の先人が書き記した書籍のデータを読んでいるのだ。その作品の中で、悪人が何人か集め、人の命を奪うようなゲームをする話があった。ゲームと言っても、コンピューターや何千年前から存在する、老舗のおもちゃゲーム会社、Nが作ったものではなく、スポーツみたいなものだ。それを真似て、ベルンゼやルコールを殺せばいい。


 私の正体をごまかすカモフラージュも、すぐに思いついた。たった今、ウエート様が回収した隕石。あの隕石は正体不明で、これからジギーハが調べることになっている。あの隕石を使えば、私の正体をごまかすことができる!


 そう考えた直後、私はすぐに実行した。ジギーハの部屋を見ると、隕石を受け取ったジギーハがすでに実験の準備をし、調査を始めていた。ジギーハを殺す。ナイト様の命を脅かす人ではないが、過去に人の研究結果を奪い、我が物にするような三流以下研究者など、この先生きていく必要はない。私は今、ヤーヴァイ号の操作を補っている。ヤーヴァイ号の操作はもちろんのこと、部屋の中にある道具も自由に動かせることができる。それを利用し、私はジギーハを殺害した。さて、後は苦しむ演技をし、体を乗っ取られるふりをしよう。予想外の緊急事態が起これば、人は誰だってパニックになり、何もできなくなるはずだからだ。




 事態は私の想像通りに運んだ。皆さんは私が謎の隕石、ロココに体を乗っ取られたと信じ込んだ。実際、あの隕石には何も力がない。ただの石ころだ。不思議な光の原因は、この隕石が少し前に太陽の光を浴び、その熱がこもっていただけだ。


 ルコールとベルンゼをどうやって殺すかは、計画を立てている。ターザンみたいにロープを飛び移り、次の足場に飛ぶ<デンジャーロープ>というゲームを思いついた。どっちかをこのゲームに挑戦させ、途中で落として殺そうと考えた。まぁ、途中で失敗してくれるなら、それはそれでありがたいが。


 最初はどちらから挑戦させよう。二人ともむかつくから、適当に決めよう。私はその場のノリに合わせ、<デンジャーロープ>の最初の挑戦者に、ルコールを指名した。これは適当。本当に適当に決めたことだ。まず最初に、ルコールから死んでもらうことにする。


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