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仕事の始まり


 ヤヴァーイ号の仕事は二つある。


1.周辺の使われていない衛星の状態確認。

2.地球に接近していると思われる未確認隕石の調査。及び、隕石の一部の回収と研究。


 仕事の期間は二カ月だが、仕事がスムーズに進んで早く終わったら、その時点で地球に帰還してもいいと言われている。


「さーて、さっさとこんな仕事終わらせて、地球に戻ろうぜー」


 と、ベルンゼがあくびをしながらこう言った。ルコールはその様子を見て、呆れてこう言った。


「ちゃちゃっと終わらせたいなら、あくびをせずにとっとと衛星を調べろ。その分時間の無駄になる」


「心配しなくても今やってるっつーの。赤外線で調べているが、中にはなんもない。武器やその他、危険物質の反応もないし、危ないテロ組織はあの中にいないようだ」


「そうか。それじゃあ、他の衛星も頼むぞ。残り百以上あると言われているからな。もしかしたらそのうちの一つで、テロリスト共がかくれんぼで遊んでいる可能性もあるぞ」


「かぁー‼ めんどくせぇなぁ。高い金を払ってあんなもん作ったっつーのに、お役御免ならとっとと持って帰れっつーの。そんなんだからバカなテロリスト共の秘密基地の材料として使われるっつーのに!」


「持ち帰る時に金を使うことになるから、わざと放置してあるんだろう。占拠されるリスクを考えずにな」


「政治家ってのはケチくせー奴がいっぱいいるなぁ」


「どの国の政治家もそうだろう。ま、ケチな国がテロリストの手で攻撃されようが、俺たちには関係ないことだがな」


 ルコールはベルンゼにそう言いながら、手元のコントロールパネルを操作していた。しばらくして、ベルンゼが口を開いた。


「なぁ、あんたもナイトのことが気に食わないんだろ?」


「あんなことをされたんだ。あんな奴を好きになれるわけがないだろう」


「ははは。あんたもあいつの被害者ってわけか。なぁ、事故を装って、あいつを始末しないか?」


 ベルンゼは笑みを浮かべながらこう言ったが、ルコールはため息を吐いて言葉を返した。


「そんなことをしたら騒動になる。俺もあいつを殺したいほど憎んでいるが、ああいう奴はいずれ天罰が起きると俺は思っている。俺たちで手を下すまでもない」


「けっ、どこぞの宗教に入ってんだか分からねーが、俺は神様なんてもんは信じてねーんだ。あんたがやらねーなら、俺一人だけでもあの野郎を始末してやるよ」


「バカなことはするな。気持ちは理解できるが、畜生になる必要はない。そんなことより作業をするんだ。早く地球に帰りたいんだろ?」


 ルコールはそう言いながら、作業を続けた。




 サイドルームの宇宙出入り口にて、宇宙服を装備したウエートが後ろにいるティアナと話をしていた。


「それじゃあ、隕石の回収をしてくる」


「気を付けてね。ケーブルが伸びきる距離、覚えてる?」


「十キロだろ? 大丈夫だ。それに、ヘルメットにはココロちゃんが映っている。彼女がケーブルの距離を教えてくれるさ」


 ウエートがこう言うと、ティアナの近くのモニターが勝手に動き、ココロの姿が映った。


「ご安心してくださいティアナさん。私が確実にサポートいたします」


「そう。それじゃあお願いね、ココロちゃん」


「それじゃあ行ってくる!」


 と言って、ウエートは宇宙に飛び出した。




 ナイトはワークルーム内にあるジギーハの研究室にいた。モニターで、宇宙で作業するウエートの姿を確認していた。


「さて、無事に隕石を回収できればいいんじゃが」


「少し、緊張しますね」


 ナイトは緊張した面付きでこう言ったが、ジギーハは笑いながらナイトの肩を叩いた。


「フェッフェッフェッ! お前さんが緊張する必要はない! 今、君のかわいいAIがサポートしとるんじゃろ? 完全なAIに弱点はあるのか?」


「いえ、現時点ではないと思います」


「なーら安心せい! あのAIを作ったのはあんたじゃろ? 作った本人が自信なくてどーするんじゃ?」


 そう言いながら、ジギーハは作業台に戻った。ナイトは確かにと思いつつ、ウエートの作業を見守った。




 ウエートは何とかゆっくり動く隕石に接近した。


「隕石の落下速度は変わっていません。ですが、気を付けて隕石の採取を行ってください」


「ああ。分かった。ココロちゃん、ケーブルの長さは?」


「今、六キロです。半分切りましたが、余裕があります」


「それなら大丈夫だ!」


 ウエートはココロにそう言うと、手にしている採取道具を使い、素早く隕石の一部を取った。


「お見事です。作業時間は一分もかかっておりません」


「よし。それじゃあ戻るぞ」


 と言って、ウエートは腰にあるボタンを押そうとした。そのボタンを押すと、足から弱いジェットが吹き出す仕組みになっており、宇宙船に戻るときはそのジェットを使用することになっている。


「くっ、道具が邪魔でボタンが……」


 今、ウエートは右手に採取道具、左手に隕石の一部を握っていた。そのせいで、ジェットボタンを押すのが困難になっていた。


「ウエートさん、私に任せてください。いきなり動きますので、道具と隕石を落とさないように気を付けてください」


 ココロがそう言うと、突如足元のジェットが動いた。


「おお! ココロちゃんが動かしたんだな!」


「はい。この宇宙服も宇宙船の一部みたいなものです。今、私は宇宙船のコントロールを操る権限を持っています。なので、こう言ったこともできるのです」


「そりゃーすごい! 幼い見た目なのに、結構やるじゃないか!」


「お褒め頂きありがとうございます。この速度だと、宇宙船に戻るまで約五分かかります。もう少し、ジェットの勢いを強くしますか?」


「このままでいい。しばらく、宇宙遊泳を楽しむとするよ」


 ウエートはココロに答えた後、下にある地球を眺めた。


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