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途絶える声


 ロココはティアナの余裕な動きに不信感を抱いている。いきなり現れたレーザーに動揺しなかった自分を見て、ティアナはそう思った。ティアナはレーザーをかわし、ゆっくりと前に進んだ。あれこれ考えるよりも、今は<ビームロール>をクリアすることを優先にティアナは考えた。


「ゆっくり歩くか。でけー乳のせいで激しく動けねーのか?」


「うるさいわよ」


「おいおい、眉間にしわを寄せて怖い顔をするなよ、すぐに老けちまうぜ?」


「黙って」


「おーおー。怖い怖い。女の怖さってのは乳のでかさに比例するのか? あまり調子に乗るなよデカ乳女」


 ロココがそう言うと、ティアナの後ろにある網状のレーザーの動きが、突如早くなった。


「なっ! いきなり速度を上げただと⁉」


「卑怯なことを!」


 ロココの卑劣な行動を目の当たりにしたウエートとナイトは叫んだが、二人の周りにレーザーでできた小さい牢屋が現れた。


「うるせーんだよピヨピヨと! 生まれたてのヒヨコかテメーらはよォォォォォ⁉ 野郎は野郎同士で抱き合ってろ!」


「クソッ! ティアナ、とにかく頑張れ!」


 ウエートは速足で歩くティアナを見て、こう叫んだ。




 ティアナは余計な挑発を受けなければよかったと心の中で後悔した。そんな中、コピーココロの声が聞こえた。


「ティアナ様、左右に気を付けてください。レーザーが発射されます」


「了解」


 コピーココロの声を聞き、ティアナは歩く速度を落とした。すると、左右の壁からレーザーが放たれた。動きを止めたティアナはレーザーを浴びることはなく、無事であった。


「いきなり発射されたから驚きましたが……無事のようですね」


「ああ。コピーココロが何とか動いているようだ」


 狭いレーザーの牢屋の中で、ナイトとウエートがこう会話をしていた。


 ティアナは再び歩きだし、何とか廊下の三分の二まで到着した。だが、ティアナの後ろにあるレーザーの網は、廊下の半分に到着していた。


 このまま歩いていたら、あの網に焼かれてバラバラになる!


 そう思ったティアナは、走り出した。


「おっ、走り出したか! でかい乳が揺れるぞ揺れるぞ! ヒャハハハ! エロビデオに出てくる豊胸したAV女優みたいに乳が揺れるぞ!」


 ティアナの揺れる胸を見て、ロココは笑いながらこう言った。ティアナは恥ずかしそうな顔をしていたが、生きることに専念して走るのを止めなかった。


「ティアナ様、目の前にレーザー砲を探知しました。右に寄ってください」


「分かったわ」


 コピーココロに言われた通り、ティアナは右に寄せた。それを見たロココは不審な顔になり、ティアナを見つめた。


「おい、どうしてレーザー砲があるってことを察したんだ?」


「野生の勘よ」


 ティアナは簡潔にそう答えたが、ロココの不審な顔は戻らなかった。


「何が野生の勘だ。お前は確実に、離れた所にあるレーザー砲の位置を把握した! 把握したからこそ、右に移動した! 何のトリックか分からねーが! テメーらはイカサマをしていやがる!」


「お前もイカサマをしているようなもんだろうが!」


 と、ロココの叫びを聞いたウエートが叫んだ。ロココは舌打ちをし、笑みを浮かべた。


「お互い様って言いてーのか? まぁいい。それじゃあもっと難易度を上げてやるからな!」


 そう言って、ロココは両腕を上げた。すると、突如ティアナの目の前に無数のレーザーが行く手を阻んだ。


「そんな!」


 現れたレーザーを見て、ティアナは思わずその場に座りこんだ。後ろを見ると、網状のレーザーがスピードを上げてティアナに迫っていた。


「ティアナ様、早く立ち上がってください! 後ろのレーザーに焼かれてしまいます!」


 コピーココロの声を聞き、ティアナはゆっくりと立ち上がった。


「目の前のレーザーには何とか避けて通れる場所があります。レーザーは動いていますが、あれはごまかしているだけです」


「ゲームってことを、あいつは忘れていないのね」


「そのようですね。ティアナ様、レーザーで通れる場所は目視で確認できると思います」


「ええ。私の目でも分かる。何とかやるわ」


 ティアナはレーザーを見て、通れる場所を判断し、ゆっくりと動いて前に進んだ。レーザーをかわすティアナを見て、ナイトとウエートは歓喜の声を上げていた。


「この調子なら、ゴールできそうだ!」


「ですね!」


 ナイトとウエートは嬉しそうにこう言ったが、何かを察したコピーココロが声を荒げた。


「後ろのレーザーが速度を上げて迫っています! ティアナ様、気を付けてください!」


 ティアナは後ろを見て、レーザーの網の速度が上がっていることを察した。その時、ロココが声を上げた。


「分かったぜ! テメーらのイカサマの正体がなァァァァァ‼」


 そう言うと、ロココは放たれているレーザーの一部を消した。ナイトは動揺したが、次の瞬間にコピーココロが動いているタブレットに向かってレーザーが放たれた。


「なっ⁉」


 一瞬の出来事だった。レーザーの動きは速かった。ナイトが気付いた時には、レーザーはタブレットを撃ち抜き、大きな風穴ができていた。


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