ビームの恐怖はまだ続く
ナイトは熱を帯びて煙を発するレーザー砲を見て、最大出力でレーザーを放ち、自身を殺すつもりだと察した。とにかく逃げようとナイトは考えた。だが、その直後に太くて速い動きのレーザーが放たれた。
「うわァァァァァ‼」
発射音を聞いたナイトは、とっさに左に飛んだ。それから目をつぶり、自身の無事を祈った。しばらく目をつぶっていたナイトだったが、突如爆発したかのような音が響いたため、目を開けて後ろを振り向いた。床の上が焦げているため、レーザーが放たれたとナイトは確信した。が、レーザー砲は黒い煙を発し、ボロボロになっていた。
「チッ、運がいい奴だ。レーザーが放たれた直後に砲台がぶっ壊れるなんてよぉ」
悔しそうにロココがこう言った。すると、ナイトを取り囲んでいたレーザーの網が消滅した。
「た……助かったのか……」
生きていることを確認したナイトは、安堵の息を吐いて倒れた。ウエートとティアナは急いで倒れたナイトに近付き、様子を見た。
「ナイト君、私の声が聞こえるか?」
「はい……ばっちり聞こえます」
「よかった。ナイト君が無事で……」
ティアナは安心しきっているのか、涙を流していた。それからティアナはナイトの手を掴んだが、その直後にロココがこう言った。
「安心するのははえーぜ! 次がラストの挑戦だ!」
ロココの声を聞いたウエートは、小さく頷いて言葉を返した。
「ラストと言うことは、これで君の遊びも終わりというわけか?」
「悪いねぇ、言葉が足りなかった。ラストって意味は<ビームロール>と今日のお遊びは終わりってことだ! テメーらお疲れのようだから、少しは休ませてやるってことだ!」
「明日もあるのか」
「あるさ! 明後日も、三日後も、一か月後も‼ 俺の気が済むまで楽しいゲームは終わらねーぜ!」
と言って、ロココは笑い始めた。
次の挑戦はコントロールルームからプライベートルーム近くの廊下まで。最初にベルンゼがやったと同じ内容だった。
「今回は最初から時間制限ありで行かせてもらうぜ。ゲームが始まって三十秒後、後ろからビームが迫る!」
「難易度を上げたのか」
「難しくしないと面白くないだろ? 優しすぎる難易度のゲームを長時間やったら飽きるだろうが」
ロココは笑いながらそう言うと、ティアナの方を見た。
「それじゃあ次の挑戦者は、そこのデカ乳のねーちゃんだ!」
「え……私?」
「そうだよ! テメーまさか、自分は指名されないって思ってたのか? 悪いが俺は平等主義者だ! 男だろうが女だろうがデカ乳だろうがためらいもなくどんどん指名するからな!」
そう言われたティアナは動揺し、立ち尽くしていた。その様子を見たロココは苛立ち、舌打ちをした。
「おい、とっとと動けよデカ乳女! さっさと動かねーとテメーのデカ乳にレーザー当てて、風穴空けるぞ?」
「分かったわよ。動けばいいんでしょ、動けば」
何度もデカ乳呼ばわりされ、少し苛立った様子のティアナはスタート地点に立った。その前に、ウエートがティアナの手を握った。
「必ずクリアしてくれ」
「分かってるわよ。あんな奴の思惑通りにさせないわ」
ティアナは笑みを見せてこう言った。それから前を見て、軽く柔軟運動を始めた。
「さてと、それじゃあ三回目の<ビームロール>を始めるぞ!」
ロココがこう言った直後、笛のような音が響いた。ティアナが前に歩いたと同時に、廊下の壁や天井から、無数のレーザーが現れた。ティアナが生唾を飲み込んだと同時に、コピーココロの声が聞こえた。
「ティアナ様、今回の挑戦はかなり難しいようです」
「罠があるの?」
「はい。目に見えるレーザーは回避できる速度ですが、奴はいきなりレーザーを放つように小細工をしています」
「卑怯なことをするわね。ココロちゃん、どこからレーザーが現れるか分かる?」
「今解析中です。ティアナ様、このまま立っているとロココの奴が不審に思います。少しずつでもいいので、歩いてください」
「分かったわ。早めの解析お願いね」
「了解しました」
コピーココロとの会話を終え、ティアナはゆっくりと歩き始めた。コピーココロの言う通り、上からレーザーが現れ、ティアナの行く手を阻んだ。
「いきなりレーザーが現れただと?」
「そんなことをするなんて!」
いきなり現れたレーザーを見て、ナイトとウエートは声を上げた。その声を聞いたロココは、鼻で笑って言葉を返した。
「いきなりレーザーを出して文句を言うんじゃねーよ! 難度を上げたって言っただろうが。いきなりレーザーが現れるかもしれないってその低品質で腐った脳みそに叩きこんどけ!」
ロココは罵倒をした後、ティアナの様子を見た。
「おかしいねぇ。いきなりレーザーが現れたってのに、あのデカ乳女は驚きも戸惑いもしないなんて」
この言葉を聞いたナイトたちはまずいと思った。ティアナはコピーココロのおかげでレーザーの罠の存在に気付いた。自分たちも卑劣な手をやっているとロココが知ったら、状況がさらに悪化するからだ。
まずい、コピーの存在がばれたか?
ナイトはそう思い、不審な表情をするロココを見つめた。
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