導いた行方
ベルンゼは<ビームロール>に失敗し、レーザーを浴びて全身がバラバラになって死んでしまった。次の指名者はナイトだった。次は自分の出番だと察したナイトは近くにいるウエートにタブレットを渡し、後ろに下がるように促した。
「ナイト君、死なないでくれよ」
「はい。ウエート船長」
ナイトが答えた直後、レーザーがナイトの周りに現れた。
「それじゃあもう一度おっぱじめるぜ! さっきの不細工みたいに簡単にくたばるんじゃねぇぞ‼」
ロココがこう言った後、レーザー砲が現れた。すると、すぐにイヤホンからコピーココロの声が響いた。
「ナイト様、何故か分かりませんが、レーザーの狙いが読めます」
「分かった。どこを狙っているんだ?」
「ナイト様が今いる地点です。しかし、レーザーを放出するのに時間がかかるため、避ける時間はあります」
「教えてくれてありがとう」
ナイトは小さな言葉で礼を言った後、後ろに下がった。しばらくして、レーザーが放たれた。
「お見事です。次にレーザーが放たれる場所は後ろ、その次は右です」
「次のレーザーまで分かるのか」
「はい。私にも分かりませんが、何故かレーザー砲の動きを設定しているプログラムが分かるようになって……」
「理由を考えるのは止めよう。とにかく今は、生きることを専念するよ」
「はい」
短い会話の後、レーザーは次々とナイトに向かって放たれた。だが、事前にコピーココロがレーザーの狙いを教えてくれるため、ナイトは簡単にレーザーをかわすことができた。
ティアナは安堵した表情でナイトの動きを見ていた。
「よかった。ナイト君なら何とかクリアできそうね」
「確かにそうだが、また途中でレーザー砲が増えるかもしれん」
と、ウエートは冷や汗をかきながらこう言った。ウエートは心配していた。性根が腐りきっている卑怯なロココのことだから、途中でレーザーを増やして攻撃をするのだろうと思っていた。そして、今は油断させて後で急激に難易度を上げるだろうとも考えていた。
「ナイト君、とにかく動くんだ。死ぬんじゃないぞ」
ウエートは祈るようにこう言った。
ナイトは呼吸を整えながら、周囲を見回していた。体力に余裕があるため、その分周りを見る冷静さを持っていた。
「ナイト様、次のレーザーが放たれた後、レーザー砲が一気に十二台に増えます」
「そんなに……」
ナイトがこう言った後、レーザーが放たれた。ナイトは急いでレーザーをかわし、周囲を見回した。すでにレーザー砲は十二台に増えていた。
「悪いねぇ、奥の手は見せちまったから、ここで一気にドーンと派手にやろうと思ってねぇ」
「そんな! 急に数を増やすなんて卑劣だわ!」
ティアナはモニターに映るロココに向かってこう叫んだが、ロココは下種な笑みを浮かべて言葉を返した。
「下種で何が悪い? お前も同類だろう? 人のほとんどは下種なことを考えているじゃないか」
「私は……」
「違うわよと言いたいのか? それならはっきり言えよ! 言葉を返す途中であいまいになるなんざ、自身がない証拠だぜ」
ロココの笑い声が響く中、ウエートがティアナに近付いた。
「ないならないと、あいつにはっきり言っただろうだ?」
「ええ……そうね」
ウエートの言葉を聞き、ティアナはロココを睨んだ。
「私はあんたみたいな下種じゃないわよ」
「あーそーですかい。そいじゃ、ゲームの続きを遊ぶとしますかねー」
と言って、ロココはレーザー砲を操った。ナイトは体を動かす構えをとったが、コピーココロの声が聞こえた。
「ナイト様、右前のレーザーから最初に動きます。それから時計回りに動くように、レーザーが放たれます」
「そこまで分かるのか」
「そうなのですが、本当に少しおかしいのです。いきなりです。いきなりレーザー砲の動きが分かるようになったんです」
「プログラムの処理の動きが遅くなったのか?」
「その可能性もあります。ベルンゼ様の時は、プログラムの処理が速すぎて私でも追えないほどでしたが……」
「いきなり遅くなったのが気になるが……故障……じゃあなさそうだし」
「ナイト様、今はあれこれと考察している場合ではありません。レーザーが放たれます!」
コピーココロの声の直後、レーザーが放たれた。ナイトはそのレーザーをかわし、次から放たれるレーザーの動きを見切り、かわしていった。
「おいおい、どうした? 急にレーザーの動きが変になったぞ?」
ロココはそう言うと、姿を消した。それからレーザーは放たれなくなったが、コピーココロはこう言った。
「気を付けてください。目の前のレーザー砲から強い熱を感じます」
「おいまさか……レーザーの放出レベルの限界を超えるつもりか?」
「ロココならやりかねません。確実に、次に出てくるレーザーは、今までのものよりも威力が高いものです!」
コピーココロが焦るようにこう言った。それからしばらくして、ナイトの前にあるレーザー砲から激しい音がした。ナイトは急いで隅に移動し、様子を見た。それからしばらくして、レーザー砲から今までよりも太く、速い速度のレーザーが放たれた。
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