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レーザーが貫くのは


 いきなり放たれたレーザーに驚き、転倒したベルンゼを狙うかのように、六台のレーザー砲は向きを調整していた。ベルンゼは死への恐怖で体が動けなくなり、ただただ体を震わすことしかできなかった。


「ベルンゼ様! レーザー砲は向きを調整するのに約五秒の時間を使います。約五秒なら、立ち上がることができます! 急いで!」


 コピーココロは急かすようにこう言った。ベルンゼはすぐに立ち上がり、レーザー砲を睨んだ。


「来ます!」


 コピーココロの声を合図にし、ベルンゼは素早く右に走った。それからレーザー砲はベルンゼがいた場所に向かってレーザーを撃ち始めた。


「へぇ、運がいいねぇ」


 と、この動きを見ていたロココは小さく呟いた。しばらくして、レーザー砲の射撃は終わった。


「な……何とかなったか……」


「みたいですね」


 ベルンゼが無事であることを知り、ナイトたちは安堵の息を吐いた。ナイトたちの様子を見たロココは、笑みを浮かべてこう言った。


「おいおい、まだ終わったわけじゃねーぜ? こっから面白くなるんだからよォ」


「まさか、レーザー砲を増やすつもりか⁉」


「ご名答だエロゴリラ! さぁ、ダンスパーティーはこれから本番だぜ!」


 ロココがこう言った直後、レーザー砲が増え、その数は二十台近くになった。


「んなっ‼ そんなのありかよ⁉」


「ありなんだよ‼ さぁ、もっと踊ろうぜ!」


 その後、再びレーザー砲の射撃が行われた。ベルンゼはコピーココロの声を頼りにしつつ、四方八方から雨のように飛んでくるレーザーをかわした。しかし、コピーココロの声よりもレーザーの動きが速く、声を聞いてどんなに早く動いても、レーザーがベルンゼの体をかすっていた。


「ギャハハハハハ! 血まみれになって踊る気分はどうだ? 灯りに色を付けようか? それともノリのいい音楽でも流してやるよ!」


「う……うるせぇ……黙ってろ……」


 激しい動きをしたせいで、ベルンゼの体力は限界の領域に達していた。それでも、ベルンゼは死なないために体を動かし、レーザーをかわしていた。ベルンゼが限界だと察したウエートは、ロココの方を見た。


「おい! 彼の体力はもう限界だ‼ これ以上やることはないだろうが‼」


「うるせぇ‼ まだ時間は終わっちゃいねーぜ! ルールを聞いてねーのかクソゴリラ? このゲームをクリアするには時間いっぱい生き残らなきゃいけねーんだよ!」


「しかし、彼はさっきも……」


「そんな事情俺が知ったこっちゃねぇ! 早く終わりたかったら、あの野郎にとっととくたばれって声をかけてやれよ!」


 と、ロココは笑いながらこう言った。ロココとウエートの会話を聞いていたベルンゼは、何が何でも生き延びて、ロココが映るモニターを一発殴ってやろうと心の中で決めた。その時だった。


「ベルンゼ様! 後ろからレーザーが!」


 コピーココロの慌てた声を聞き、ベルンゼは後ろを振り向いた。レーザーが放たれていたが、ベルンゼは足を動かしてレーザーをかわした。しかし、ベルンゼからの死角から、コピーココロが気付かない場所からレーザーが放たれ、ベルンゼの左足を撃ちぬいた。


「ぐわァァァァァァァァァァ‼」


 左足を撃ちぬかれたベルンゼは、悲鳴を上げながらその場に倒れた。撃ちぬかれたベルンゼの左足には大きな風穴があいており、そこから大量の血が流れていた。


「ベルンゼ君‼」


 ベルンゼの悲鳴を聞き、ウエートは急いでベルンゼに近付いた。その時、牢屋の形になっていたレーザーが動き始めた。


「ゲームオーバー。こいつはレーザーに撃ちぬかれた」


 ロココの冷たい声が聞こえた。ナイトは急いでモニターに近付き、画面を叩いた。


「止めろ! 今すぐ止めるんだ!」


「お前に俺を止める権限はねぇよ! あいつは失敗した! 失敗の代償は死‼ 今までのゲームで失敗した奴がどんな運命を辿ったかお前も理解しているだろう? だから、あいつも死ぬんだよ!」


 ロココが狂気じみた笑い声を上げながら答えた。その一方、縮小されるレーザーの牢獄の中にいるベルンゼは、迫るレーザーを見て泣き叫んでいた。


「待て! 待ってくれ! 俺はまだ死にたくない! 地球には残している人がたくさんいるんだ! 俺が死んだら、そいつらが悲しむんだ! レーザーを止めてくれ! 早くレーザーを止めてくれェェェェェェェェェェ‼」


 レーザーを止めるように叫びながらベルンゼは懇願したが、この声はロココに届かなかった。レーザーの牢屋はそのまま縮小され、中にいたベルンゼはみじん切りにされた玉ねぎのようにバラバラになってしまった。


「あ……ああ……」


 哀れな姿になったベルンゼを見て、ナイトは口を開けて驚き、ティアナは迫る吐き気に耐え切れず、口を押えてその場にしゃがみこんだ。そんな中、ロココが笑いながらこう言った。


「さーて。残りは三人になっちまったな。心配するな。<ビームロール>はまだまだ続く」


 と、ロココはこう言った。




 その後、ロココは何も言わなくなった。ナイトたちはベルンゼの死体を見て、大きなため息を吐いていた。


「ベルンゼ君までもが……」


「もしかしたらあいつ、私たちを全員殺すつもりかしら?」


「にしても、目的が分かりません。あいつに得がないように見えますが……」


 話をしていると、突如ナイトの足元に灯りが点いた。ナイトは察した。次の<ビームロール>の挑戦者は自分であると。


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