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恐怖はまだ続く


 見事に第四のゲーム、<ビームロール>をクリアしたベルンゼは、勝ち誇ったような顔をし、ロココに指を向けて高笑いをしていた。ウエートは調子に乗ってと思いつつ、深いため息を吐いた。だが、ナイトは表情を変えないロココに異変を感じていた。


「嫌な予感がします」


「ええ。私もよ」


 ナイトの横にいるティアナがそっと呟いた。ロココはにやりと笑い、口を開いた。


「おいおい、一回クリアしただけで終わったつもりか? <ビームロール>はまだまだ続くぜ?」


「なんとなくそんな気はしたぜ。けど諦めな、ポンコツAI! テメーの考えているようにはいかねーぜ!」


 調子に乗ったベルンゼは、両手の親指を下に向けた。ロココの額に青筋が浮かび、鼻で笑った。


「調子に乗るのもこれまでだ、ブサイク面。次はコントロールルームで行う。早く移動しろ。今すぐサイコロステーキにされたかったら、その場に立ち止まったままでもいいんだけどな」


 と言って、ロココは消えた。すると、後ろから無数のビームが放たれた。


「仕方ない、早く移動しよう」


 ウエートの言葉を聞き、ナイトたちは急いでコントロールルームに移動した。




 コントロールルームに移動したナイトたちは、すでにモニターにロココの顔が映っていることに気付いた。


「遅かったな。全員ビームで死んだかと思ったよ」


「勝手に殺すなクソ野郎」


 そう言って、ベルンゼは舌打ちをした。ウエートは苛立つベルンゼを抑え、ロココの方を向いた。


「質問がある。<ビームロール>は各部屋の間の廊下で行うではなかったのか?」


「ちーっと趣向を変えたんだよ。今回は時間内にビームに当たらなければクリアにしてやるよ! 動ける範囲はライトで照らした! ま、周りにビームを発したからどこまで動けるか理解できるだろうけどな」


 ロココがそう答えると、ベルンゼの周りにライトが点いた。


「早く逃げた方がいいぜ。挑戦者の周りにいたら、ビームで串刺しだ!」


「なっ、また俺かよ!」


 ベルンゼがこう言った後、牢屋の形になるようにビームが放たれた。後ろに下がったナイトたちは、ベルンゼの方を見た。


「ベルンゼ、大丈夫か⁉」


「死んじゃいねーよウエートさんよ。クソッ、意外と狭いな。これでビームを避けろって言われたら無理な話だ」


「無理だろうが何だろうがやるんだよ! さ、二回目のゲームの始まりだ! 参加者以外の連中は危ないから離れるんだな!」


 ロココの声を聞き、ナイトたちは距離を取った。すると、対侵入者用のレーザー砲がベルンゼに近付いた。


「ココロ、アシスト頼むぜ」


「分かりました」


 ベルンゼは小声でコピーココロにこう言った。コピーココロのアシストがあれば一応安心だろうとベルンゼは思ったが、その直後に足元にレーザーが放たれた。


「うおっ! いきなりかよ!」


「ベルンゼ様、今回はさっきと比べてレーザーを放つ速度が速いです。私の計算速度が間に合わない可能性もあります!」


「計算速度を早くできねーか?」


「今やってます。あっ、後ろに注意してください」


 コピーココロの声を聞き、ベルンゼは振り返った。そこには三台のレーザー砲があり、マシンガンのごとくレーザーをベルンゼに向かって放った。


「うわァァァァァ‼」


 ベルンゼは無我夢中で両足を動かし、レーザーをかわした。奇跡的に、レーザーはベルンゼに当たらなかった。


「滅茶苦茶な動きだが、レーザーに当たってないぞ」


「これで時間いっぱいまで持てばいいんですが……」


 安堵の息を放つウエートに対し、ナイトは心配そうにこう呟いた。




 クソッ! 難易度を上げるにしても、いくら何でもこりゃー急激に上げすぎだろうが!


 両足を動かしながら、ベルンゼは心の中で叫んだ。奇跡的にレーザーをかわしているが、疲れ果てた所を狙われ、レーザーで撃たれるだろうとベルンゼは考えた。とにかく動くしかないと思いつつ、ベルンゼはレーザーをかわした。しばらくして、レーザーが止んだ。


「残り時間は?」


「まだ半分残っています……ベルンゼ様、注意してください」


 注意を促されたベルンゼは、周囲を見回した。すると、何かが動く音を耳にした。


「最悪だな……」


 と、ベルンゼは小さく呟いた。三台あったレーザー砲だが、それが六台に増えていたのだ。


「さーて、レーザーの雨から身を守ることができるかなー?」


 焦り出したベルンゼを見て、ロココは笑みを浮かべた。しばらくして、六台のレーザー砲による一斉射撃が始まった。


「うわァァァァァ‼」


 レーザー砲が増えたことにより、ベルンゼを襲うレーザーの数が倍近く増えた。


「ベルンゼ様、とにかく中央にいてください! 無暗に移動すると、周りのレーザーで焼かれてしまいます」


「分かってるって! それより、次のレーザーはどこから出てくるか教えてくれ!」


「レーザー砲の動きが異常に早く、私の計算能力では追いつけることができません!」


「嘘だろ! ナイトの野郎、もうちょっとましなAIを作れってんだ! おわっと‼」


 いきなり放たれたレーザーに驚き、ベルンゼは転倒してしまった。


「ベルンゼ君!」


 倒れたベルンゼを見て、ウエートは叫んだ。立ち上がったベルンゼだが、六台のレーザー砲はベルンゼの方に向いていた。


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