踊る者たちの運命
ティアナは自らの揺れる大きな胸を指摘され、恥を感じていた。
子供の頃みたいに、大きな胸のことであれこれ言われるのはもう勘弁よ!
そう思っていたティアナだったが、恥を捨てなければ<ミュージックオン>に失敗し、自分とナイトたちの命が失われてしまう。そう考え、ティアナは無我夢中で床の灯る灯りに向かって左手を伸ばした。ティアナの薬指が、灯りに触れた。灯りはナイスタイミングと表示が出て、消えた。
「命と恥を天秤にかけて、命の方を取ったか」
と言って、ロココは笑みを浮かべた。その直後、激しく鳴り響いていたロックは終わった。
「こ……これで終わりか?」
休みなく両手両足を動かしていたベルンゼは、息を切らせながらこう言った。ロココは舌打ちをし、言葉を返した。
「その通りだよ。チクショー。今回は全員生きていやがるか。一人ぐらい死んだ方が面白かったのによー」
この言葉を聞き、疲れ果てたナイトはその場に倒れた。ウエートは立った状態でロココを見ていたが、全身からは汗が流れていた。
「これで……終わりだな」
「今日はな。また明日やるから十分に休んどけよ。あ、休んでいる間にいろいろとやっても無駄だからな」
と言って、モニターに映るロココは姿を消した。今日は終わりということを聞き、ナイトたちは安堵の息を吐いた。
プライベートルームにて。ナイトは部屋用のタブレットを操作してロココのことを調べていた。
僕の推測だと、ロココはココロ……コピーする前だからオリジナルのココロか。オリジナルココロのプログラムを変えたんだ。だが、オリジナルのプログラムを見ようとしても、権限が僕からロココに移っていて、プログラム内を見るのは不可能だ。ドスコイに……連絡はできないか。
そう考えたナイトは深いため息を吐き、ベッドの上で横になった。そんな中、タブレットに映るコピーココロが口を開いた。
「私がロココの中を調べましょうか?」
「気持ちだけで十分だよ。君はこのヤーヴァイ号の補佐AIとして作ったんだ。ハッキング技術を持たせていないんだ」
「ですが、ネット上でその技術を……」
「ロココの監視の目がある。変に動いたら奴が君の存在を察する可能性がある。僕のタブレット内なら安心だ。あいつと繋がらないようにしてあるから」
「そうですか。守っていただきありがとうございます」
と、コピーココロはこう言った。とにかく今は休もう。そう思ったナイトは机の上にあるコーヒーメーカーの電源を入れ、コーヒーを作り始めた。
シャワーを浴びていたベルンゼはベッドの上に座り、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、一気に飲み干した。
クソッ! こんな状況だからビールを美味く感じねぇ‼
そう思いながら、苛立ったベルンゼは空の缶を投げ捨てた。カラコロと空の缶が音を発して転がる中、ベルンゼは隣のウエートの部屋から音がするのを察した。
やかましいな。何やってんだあの人は? 隠してあったエロ本を読んでお楽しみ中か?
ベルンゼはそう思いつつ、壁に耳を当てた。音の正体はベッドがきしむ音と、ティアナの切なそうな声だった。音の正体を察したベルンゼは呆れてため息を吐き、ベッドの上で横になった。
こんな状況でセックスかよ。生物は追い詰められたら子を残す衝動が発生するっつーが、ここでガキを作っても生きて地球に戻れるかどーか分からんっつーのに。
危機的状況の中、愛を重ねるウエートとティアナの行為に呆れて、ベルンゼはもう一度深いため息を吐いた。そして、心の中でこう思った。
本来なら俺もあいつと結婚して子を作って……あいつがあんなことをしなければ……ナイトのクソ野郎が!
セックスを終えたティアナはウエートの部屋のシャワールームで汗を流していた。シャワーを浴びる中、ウエートが声をかけてきた。
「ティアナ。今日は少し激しすぎた。体の方は大丈夫かい?」
「体のことを心配してくれてありがとう。私は大丈夫よ。それにしても、こんな状況でセックスしようって誘うなんて……皆が知ったら怒るわよ」
「生物的衝動かな? とにかく君を抱きたくて仕方なかった」
「体を鍛えすぎたから、テストステロンが噴火する火山のようにあふれてるってわけ?」
「そうかもしれないな。そうだ。一緒にシャワーを浴びてもいいかい?」
この問いを聞き、ティアナは鼻で笑った。
「コンドームはあるの? さっきのセックスで三つは使ったわよね?」
「コンドームの在庫は大丈夫さ。まだ十分ある」
「フフッ。スケベ小僧ね、あなた。でも、続きはロココのことをどうにかしてからよ」
「私は待つのは嫌いなんだ」
そう言って、ウエートは無理矢理シャワールームの扉を開けた。ウエートはすでに全裸であり、次のセックスの用意もできていた。
「あなたは準備できているけど、私はまだできてないわよ」
「大丈夫だ。私も手伝うよ」
「ちょっと、無理矢理やらないで」
ティアナは少しだけ抵抗をしたが、ウエートは無理矢理ティアナにキスをし、シャワールームの扉を閉めた。しばらく、扉の中からティアナの激しい声だけが響いていた。
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