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次のゲーム


 デンジャーロープ最後の関門、連続ロープ飛び。宙にいるウエートは命を懸けて次のロープに向かって右腕を伸ばした。ロープの一部が、ウエートの右手に触れた。その瞬間、取れると察したウエートはすぐにロープを掴み、素早く体を次のロープに移動させた。


「よっしゃ!」


 この光景を見ていたトレトイルは、歓喜の声を上げながらガッツポーズをした。ナイトやティアナたちは喜び、安堵の息を吐いていた。そんな中、ロココの声が聞こえた。


「おいゴラァ! 勝手にクリアしたと勘違いしてんじゃねーぞー? デンジャーロープのクリア条件は、ゴールにたどり着くまでだ! あのゴリラがゴール目前で足を滑らせて、さっきの野郎みたいに黒焦げの物体になる可能性もあるんだからなぁ!」


「いや、その可能性は潰えたよ」


 と、ゴールと指名されたコンテナの上に乗っているウエートがこう言った。ロココは話をしている間に、ウエートがゴールしたと察し、舌打ちをした。


「何だよ、難なくゴールしやがったのか。つまんねーの」


「つまらない思いをさせてすまないな」


 悔しがるロココの言葉を聞き、ウエートは鼻で笑いながら言葉を返した。




 その後、ウエートはナイトたちの元へ戻った。ウエートの無事を確認したティアナはウエートに抱き着いて泣いたが、生きて戻って来たのにもかかわらず、ウエートは浮かない顔をしていた。


「船長……」


 ウエートの表情を見て、ナイトはルコールが死んだことを自責しているのだろうと察した。だが、励ます言葉を見つけることができず、ナイトは口を閉ざした。そんな中、再びロココの声が聞こえた。


「何だよ、一人死んだだけでクリアか。俺の予想だと、あと二人は死ぬ予想してたんだけどよ」


「これ以上死人を出してたまるかよ!」


 ロココの言葉を聞いたベルンゼが、近くに落ちていたバケツを天井にあるスピーカーに向かって投げた。バケツはスピーカーに当たって下に落ちたが、ロココは口調を変えなかった。


「バーカ。こんなことをしても無駄だっつーのに。さて、それじゃあ次のゲームだ」


「おい、ちょっと待ってくれ!」


 ロココの言葉を聞いたナイトが、真っ先に声を上げた。


「船長はさっき動いたせいで、完全に疲れが癒えたとは言えないぞ! ゲームなら、公平性が必要じゃないのか⁉」


「そっちのことなんて関係ねーんだよ。ま、次のゲームにはそのゴリラには指名しねーから安心しろ。とりあえず、今すぐ食糧倉庫へ向かえ。ここからすぐ近くだろ? 俺の言う通りにしねーと、このポンコツを爆発させて、ポンコツの破片とお前らを宇宙に漂う粗大ごみにできるんだぜ?」


 ロココの言葉を聞き、ナイトたちは仕方なく食糧倉庫へ向かった。




 食糧倉庫の中を見て、トレトイルは口を開けて驚いた。


「嘘だろ? あんなにあったコンテナが……ない!」


 食糧倉庫には文字通り、任務期間中に使う食料と、予備の保存食がコンテナに入れられ、大量に保管されているのだが、その大量のコンテナが今はなかったのだ。ナイトたちが驚く中、ロココの声が聞こえた。


「驚いただろ? 俺が次のゲームのためにコンテナを動かしたんだよ」


「そんなことをしないでくれよ! 食材の中には、繊細に扱わないといけないものがあるんだ!」


 トレトイルが文句を言ったが、近くにあるモニターが動き、ロココの姿を映した。モニターの中のロココはトレトイルを睨むような顔をしていた。


「知ったことか! とにかく次のゲームの話だ! 次のゲームの名前は<アスレチックダイ>だ! 俺が指名した奴が下に降り、制限時間内に生き残ればクリアだ!」


 生き残ると言葉を聞き、ティアナは嫌な予感がした。


「もしかして、また電撃とか出すんじゃ……」


「そんなことしねーから安心しろ、巨乳のメス牛! 俺が動かすのは、コンテナだ! ま、どんな風にやるかは見れば理解できるだろ!」


 と言って、ロココはナイトたちの方に目をやった。


「そうだな。おい、そこの似合わないコックのコスプレ野郎! 最初はお前からだ!」


 指名されたトレトイルは、驚いた声を出し、その場に座り込んだ。


「嫌だよ! 俺はまだ死にたくないよ!」


「死にたくないならクリアすればいいだけの話じゃねーか! 早く動かねーと、このポンコツを自爆させるぞ!」


 脅されたトレトイルは、渋々と下に降りた。トレトイルが下りたことを確認したロココは、モニターに制限時間を映した。


「時間は九十秒! 最初は手を抜いてやるが、徐々に難易度を上げるから覚悟を決めろよ!」


「そ……そんなぁ……」


「楽にクリアできるゲーム何てつまらないだろ? それじゃあ、始めるぞ!」


 嫌な顔をするトレトイルを無視し、ロココは第二のゲーム、<アスレチックダイ>を始めた。大きな音を立てながら、宙づりにされたコンテナが現れた。


「トレトイル、足元の影を見るんだ! 影を見て、どこにコンテナがあるか見極めるんだ!」


 ウエートの声を聞き、トレトイルは意を決して動き出した。しばらくして、トレトイルから離れた所にコンテナが落下した。


「最初はこんなもんだ。だが、これから先はもっともっと難しくなるぞ? 生きて戻れるかな? コックさんよぉ?」


 焦りの色を見せるトレトイルに対し、ロココは笑いながらこう言った。


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