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船長としての責任


 また一人、死なせてしまった。


 ウエートは心の中で自責していた。謎の生命体がココロの体を乗っ取り、残虐なゲームを勝手に開催して楽しんでいるなどと、上に告げても信じてもらえない。事故として対処され、船長である自分が責任を負うだろうと考えた。だが、今はこれ以上死人を増やさないこと、<デンジャーロープ>をクリアすることに集中すると気を改め、ウエートはロープに向かってジャンプした。




 ウエートはものすごい勢いで次から次へとコンテナに飛び移った。その速さを見て、ナイトたちは茫然としていた。


「は……早い」


「さすがウエート船長!」


「資料で見たけど、かなりスポーツマンだったらしいね! こりゃークリアできるよ!」


 ナイトはウエートの動きを見て驚き、ジギーハとトレトイルはクリア確定だと喜んだ。だが、ティアナだけは不安な顔をしていた。その顔に気付いたナイトは、ティアナに近付いた。


「どうかしたんですか、ティアナさん?」


「あのロープ、変えてないわよね? ウエートの体重に耐えられるか心配で……」


 この言葉を聞き、ナイトはすぐにウエートの方を見た。




 ウエートは次のロープにぶら下がり、激しく前後に動かしていた。


 よし、この速度なら次のコンテナに飛び移れる!


 そう思い、ウエートは両手に力を込めた。次の瞬間、ウエートがぶら下がっているロープは根元からほどけてしまった。


「なっ⁉」


 ロープにしがみついているウエートは、ロープに異常があったことを知って表情を変えた。この瞬間を見ていたナイトたちは、驚いた表情をしていた。


「んっんー。どうやら、お前が想像以上にでかいせいで、ロープが耐えられなかったようだ。いやー、残念だったねぇ」


 と、この状況を理解したロココはこう言った。だが、ウエートは無理矢理力を込め、大声を発し、高くジャンプした。


「おいおい、無理矢理飛んだのか⁉」


 ロココはあっけなく落ちるだろうと予測していたが、その予測とは大きく違うことが起き、思わず声を出した。無理矢理飛んだウエートは、何とか次のコンテナに飛び移ることができた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 コンテナの上で、ウエートは横になって何度も大きく深呼吸をした。ロココは動揺しているのか、しばらく声を出せなかった。


「おい! 話がある!」


 と、ロココの静寂を破るかのようにナイトが大声で叫んだ。


「今すぐ新しいロープにしろ! さっき使ったロープと同じじゃ、またさっきみたいなことが起きえる!」


「そうだそうだ! ナイトの言う通りだ! 公平性を考えろ!」


 ナイトの意見に同調する形で、トレトイルも叫んだ。ロココは苛立ちながら声を出した。


「おいおい、次の挑戦者の指名権をよこせの次は、ロープを変えろ? 嫌だね。俺はワガママ野郎の言うことを聞くのが嫌いなんだ」


「何だとこの隕石野郎‼」


 トレトイルは怒りで我を失い、両手を振り回しながら怒りを露わにした。だが、声を聞いたウエートがナイトたちの方を振り返り、叫んだ。


「待て! 奴を黙らすには、デンジャーロープをクリアしたほうが手っ取り早い!」


「ですが船長!」


「大丈夫だ! 私は必ずクリアする!」


 そう言いながら、ウエートは立ち上がった。それを見たロココは笑い声を出していた。




 それから、ウエートは難なく次のロープをクリアした。目の前には、ルコールが命を落とすきっかけとなった二連ロープがあった。


「今なら風は起きないぜ。早くクリアするなら今のうちだぜー」


 と、ロココはこう言った。その言葉を聞いたウエートは、上を向いてこう言った。


「本当か?」


「さーて、どうだかねー」


「お前の言うことは信用できない。余計な茶々を挟むのは勘弁してもらいたい」


「このゲームの主催者は俺。お前らは参加者。格は俺の方が上。下が上に文句を言うな」


「君が勝手に俺たちを参加させたんじゃないか」


「おーおー、偉そうに言うねぇ。船長ってのはどいつもこいつもそうなんかい?」


「俺は全責任を負う立場だ。だから、些細なミスでもなくしたい」


「あっそ。俺には関係ないからどーでもいーや。でも、早くしねーと下の電撃がテメーのかわいい彼女に飛んじゃうかもよ?」


 ロココの言葉の後、電撃が強い音を発しながらティアナの近くに落ちた。ティアナは悲鳴を上げて後ろに倒れ、ナイトが慌てて手を貸した。それを見たウエートは、ロココを睨んだ。


「今から飛ぶ。邪魔をするな」


「約束を守れってか? やだね」


「邪魔をするというのか。なら、勝手にしろ」


 と言って、ウエートは助走を付けて走り、最初のロープを掴んだ。激しく前後に揺らしても、ロープに異常はなかった。


「船長、気を付けて!」


「あいつのことだ! 絶対風を出すって!」


 ナイトたちの言葉を聞き、ウエートはどのタイミングで飛び出そうか考えていた。しばらくして、飛ぶタイミングを見極めたウエートは次のロープに向かって高くジャンプした。


「あっ! 船長が!」


「頼む、次のロープを掴んでくれ!」


 宙にいるウエートを見て、ナイトたちは目をつぶって両手を合わせ、成功を願った。


「頼む! 届け、俺の右腕ェェェェェェェェェェ‼」


 ウエートは叫びながら、利き手である右腕を次のロープに伸ばした。


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