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第44話 強くなる作戦をたてるまで!

「なに? うるさいよ、ソウタ」



ルナは迷惑そうな顔していう。



「どうかしたんですか? ソウタさんのギルドカード何かあったんですか?」



隣に座るティアラが俺のカードを覗き込む。



「特に変わったところはないように見ますが…」


「いや… レベル…」



俺は肩を落としながら、ティアラにみせる。



「レベル… 31ですね」



「31? なんでソウタまだそんななの? 私はもう43だよ?」


とルナが気づいた。

そう、レベルなのだ。



このベルンの街に来てから、いや、ランダスの街の時から全然レベルが上がってないのだ。

前にも言ったが、最初に渡された武器こそ使えないものを渡されたもののあの神さまから一応普通よりもレベルが上がりやすいようにしてもらっていたのだ。

だから、あれだけ強敵との戦いの数をこなせばレベルはとんでもなく上がっていてもいいはずなのだ。

しかし、現状レベルは6しか上がっていない。

またあの神さま(ナマケモノ)のせいでバグが発生したのか? だとしたらなにやってんだよ、あいつ!




「ソウタ様は最近、魔物もそうですが敵と遭遇し、戦闘になった時ソウタ様ご自身で戦っていますか?」



と頭を抱える俺にイヴが聞いてきた。



「え、どういうこと? イヴちゃん?」



「はい。 私もこのギルドカード、および冒険者のレベルシステムについては把握しています。 冒険者のレベルは魔物の討伐をはじめとするギルドからのクエストをこなすことによって上がります。 しかし、クエストを失敗、もしくは魔物に逃げられたりすると、得られる経験値は1/4になってしまいます。 そこで考えられるのがソウタ様の最近の戦闘での戦歴です。 私と会ってからも確かに強敵と対峙する回数は多かったですが、ソウタ様は現状一勝もしてません」




ルナの質問にイヴが答える。



「なるほど。 本来、倒すべき敵を倒さずに逃がしたりすると経験値は十分に得られないと」



「え? でも俺ってレベルが上がりやすい体質だし、いくら1/4しかもらえないっていっも魔王の幹部や天使とかを相手にしてるんだぞ? いくらなんでももう少し上がってもいいだろ?」



「それなのですが、ソウタ様はそもそも戦闘に参加してましたか?」




「え?」



戦闘に参加ってそんなの当たり前に決まって…



「ソウタ様は基本的に剣術による肉弾戦を得意とされているようですが、最近それを使って戦闘しましたか? ちなみにソウタ様の『後は野となれ山となれ』は一応分類は召喚魔法なのですが、経験値は戦闘をおこなう召喚された方にに加算されるようです。 もちろん召喚してから戦闘に加われば経験値が分配され入りますが、ソウタ様は召喚したら後はお任せのような形でいつもなさっていたんじゃないのですか?」



いや、ちょっと待て。

なにそれ聞いてないよ?



「そういえばランダスの街でも基本的に戦うのはティアラちゃんでソウタまともに戦うのに参加してないんじゃない?」



ルナが思い出したようにいう。

続いてイブも、



「はい。 私といた時も戦闘行動は基本私で、私が戦闘不能になっても、ソウタ様は剣で戦闘を行わず、召喚魔法を使っていたので一度も戦闘に加わっていません」



「あ、確かに『夜明けの洞窟』でも最下層に行くまでの弱い魔物とは戦っていましたけど、ガシャドクロと戦う時はその…パンツを…召喚されていましたし、魔王幹部のベンケイからは『逃走』を使って戦闘から離脱されたんですよね? 確か『逃走』の魔法を使うといくら頑張って戦ってもその戦闘の経験値はなしにされてしまうと聞いたことがあります」



と、ティアラに最後に追い打ちをかけられた。


確かに、自分でも思い出せるだけ思い出してみたが、3人の言うとおりだった。

つまりみんな頑張ってる中、俺はあまり頑張っていなかった。 という事実を突きつけられたのだ。




「ソウタ… 泣いてもいいんだよ?」



「泣かないよ!」



ルナが俺に憐れみの目を向けるのでそう言ってみたものの再び頭を抱えてしまう。




「えぇぇぇぇっ! なに? 俺そこそこに頑張ってきたよ? そりゃさ、ボロボロにもなったよ? 勝たなきゃ経験値十分にもらえないし『後は野となれ山となれ』使ったら経験値なし? そんなのありかよ!」



「お、落ち着いてください! ソウタさんは十分頑張ってますよ! 相手がいつも強敵ばっかで満足に戦えなかっただけですって!」



ティアラは健気にも俺を励ましてくれるのだが、



「確かにソウタが最近剣抜いて道中のザコはともかく強いやつと当たった時戦ってないよね。使うのはあの高確率でパンツ出す魔法か、 どっかへ逃げる魔法だもんね」



「どちらかというとソウタ様は戦闘の主役としてよりむしろそちらに注意が向いてる相手の隙を盗んでコソコソ動くというスタイルですから無理もありません」



「ルナさん! イヴさん!」



あとの2人が地味に傷つくことを言う。

とはいえ2人が言うことも事実だ。 魔王や『戦争屋』をどうこうするには俺のレベルアップも必要だしな。

となれば漫画とかでよくある修行編に突入だな。



「うーん、強くなるために修行するにもいくらレベルが上がりやすいからってそこらへんのザコ倒してても時間かかりそうだな。 面倒くさそうだ」



「また、そんなこといって… でもそんなソウタにオススメの手があるよ」



ルナは呆れながらも俺に提案してくれる。



「なんかあるのか? とっておきの方法が!」




「あのね、冒険者には『師弟制度』っていうのがあるんだよ」



「なんだそれ?」



「レベルの低い冒険者がレベルの高い冒険者と『師弟契約』っていうのを結ぶと普通にやるより効率よくレベルが上げられたりレベルの高い冒険者のスキルを職業関係なく覚えられたりするんだよ」




と、ルナが教えてくれた。



「そんなのがあったんですか」



「まぁ高いレベルっていうのは100以上の人っていう制約があるんだけどね」




ティアラも知らないことあるんだなー

まぁもともと冒険者ではないからそういうことはあまり知らないのかもな。




とはいえ、レベル100を超える冒険者か。 そんなの見つかるのか?




「ちなみにレベル100を超える冒険者ってどれくらいいるんだ?」



俺はルナに聞いてみた。



「うーん… わかんない。 私もあったことないし…」



じゃあダメじゃん!


一応、ティアラやイヴにもレベル100以上の冒険者を知ってるか聞いてみたけど2人とも首を振る。 やっぱ地道にやってけってことか。



俺も心当たりないしなー。

弟子になって修行か。




俺はそこまで言ってひらめいた。



「俺に心当たりがある!」



「え? レベル100の冒険者に?」



「そうじゃないけど、 おい、ルナそいつを貸せ」



そう言って俺はルナのオモチャになっていた『それ』を取り上げる。 そしてこの世界で唯一登録されている連絡先へかける。




「ああ、俺だ。 ソウタだ。 ちょっと話があるんだが時間は取れるか?」








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