第25話 2人目が仲間になるまで!
みなさんにお伝えしたいことがあります。第1話の日本の学校ソウタの友人のケントとランダスの街の当主のケントは別人です! 紛らわしくてごめんなさい! 前者はバカで後者は真面目な方なので! あと23話でカーリーの名前間違えていました!すいません!
次の朝、俺らはケントさんのところへ行きベルンの街へ行くことを伝えた。
「そうか、ベルンの街に行けば君の謎がわかるかもしれないんだな」
そう、昨日のことは俺でもわからないとケントさんとティアラには伝えた。
さすがにルナは信じてくれたけど他の人にも信じてもらえるとは限らないし、なんとなくペラペラ喋っていいことでもないような気がしたからである。
「はい、俺自身のことを知るためにも行きたいと思います」
「わかった。 ソウタくん、それならこれを持って行きなさい」
と、布に包まれたものを2つ出してくれた。
1つは薄い長方形、もう1つは細長い棒状のものだった。
「なんですか、これ?」
「1つはあの本だ、そしてもう1つはこれも当家に伝わる家宝の剣だ」
ケントさんが出してきたのはあの航海日誌と鞘から出すと顔が映り込むくらい磨かれた刃をした日本刀であった
「あの、この剣はどこで?」
「この剣もあの祠に保管されていたものなのだ。 最初見た時は細長くて折れそうだから戦闘用ではないと思ったんだが、こうしてよくみるとどうやらそうでもないらしい。 君ならこれを使いこなせるんじゃないか?」
日本刀が使いこなせるかどうかと聞かれたら否であるが、こちらの世界の人よりかは馴染みのある武器である。 まぁどうにかなるか。
俺たちはケントさんたちと別れ屋敷を出て復興途中の門の前にきた。
「さて、それじゃ行くか。 ベルンの街に」
「うん。あ、でもベルンの街ってここからどれくらいかかるんだろう?」
「門を出て、この道なりをまっすぐ行けば1日あれば着きますよ」
「へぇー、そうなん… ええええっー!」
ルナが素っ頓狂な声を上げる。
「なんで、ティアラちゃんがここにいるの!?」
俺の横にルナがいて、さらに隣にはティアラがいたのだ。
「はい、私もご一緒させてはもらえないかと」
「ご一緒もなにもケントさんは?」
「これも次期当主の修行と思って精進しなさいって許可はもらいました」
俺が当然のことのように思った疑問を聞いてみたらあっさりとそう答えるティアラ。
「でもでも、あの祠で儀式したんだからもう当主として街で働かなくちゃいけないんじゃないの?」
ルナがそう聞くと
「私は、まだ13なので成人してないんでいいんですよ。 それにあれは反対派がいたから次期当主が誰であるか示すためのものだったのですぐに当主になる!じゃなくてもいいんですよ」
ルナの問いに対して笑いながら答えるティアラ。
適当だなー。
あんな厳かな雰囲気だったのにぶち壊しじゃねーか。
「私たちはもう仲間ですからね、 それじゃ行きましょう!」
こうして新たなメンバーのティアラを仲間に加え、次の街を目指すのであった。
ここは普段人の寄り付かないとある教会。
そこには男と『人間』の死体があった。
「ふぅ、とりあえず修復は終わったな。 あとはゲートを開いて『これ』を送り返すだけだ」
男はそういうと『人間』の死体をもう一度見る。 完全に破壊された頭部はしっかりと修復されているようだ。
「あーあー、なによもう! 別事案ってただの雑魚狩りじゃない! 絶対あっちの方が楽しかった!」
そこへ赤い目のおかっぱ少女が入り込んでくる。
「そもそも、その雑魚どもが湧いたのはお前が持ち場を放棄したからだぞ、カーリー」
「だってあっちはつまんなそうだったんだもん! それに雑魚どもが暴れそうだったらカマエル、あなたでもなんとかなったでしょ!」
カーリーと呼ばれた少女はほっぺを膨らまし拗ねている。 ただその可愛げな行動とは裏腹に彼女のきている服は真っ赤な血に染まっていた。
「なんとかはなったが俺の担当ではないからな。 動く理由はない」
カマエルと呼ばれる男はそういうと死体をゲートの中に放り込む。
「今放り込んだのってあのランダスのゴミ?」
「そうだ。 お前がめちゃくちゃにしてくれた分の尻拭いをしてやってるのだ」
「そんなのほっといていいじゃん。 それにあのいろいろ聞いてきたおじさんたち殺さなかったんでしょう? 甘々だなー、カマエルも」
「甘い、か。 ただあそこで殺したところでそれを主は望まない。 主の計画のためにはまだ生きてもらっていないと困るからな」
「どうせ死ぬんだから変わりないでしょ? それより汗かいた。 シャワー浴びてくる」
と行ってカーリーは服を脱ぎ始める。
「カーリー。 貴様は淑女としての恥じらいとかないのか」
「あれれ? カマエル、まさか私の裸見て欲情しちゃった? こんな幼児体型に欲情するなんてカマエルも変態さんだなー」
「あの者たちの代わりにお前が死ぬか? カーリー」
カマエルからは普通の人間なら触れただけでも死に至りそうなほどの殺気を出している。
「うわ、カマエルが怒った! 逃げろー!」
少女はまるで鬼ごっこをするような楽しげなテンションで風呂のある教会の奥の扉へと逃げ込む。
「ちっ、 全くあのおてんば娘もどうにかならんもんか」
そんな悪態をついていると、男のすぐ近くに小さめのゲートが開き手紙が送り込まれてくる。
「主からの手紙か。 ふむ、次の指令は… ベルンの街か」
そういって男は教会から出かける準備をする。
そして先ほど少女が入っていった奥の扉を開け、さらにその居住スペースの奥にある浴室の方へ向かう。
「カーリー、俺は次の指令が出たからもういく。 お前は雑魚狩りの方を主に報告しにいけ」
「ちょっ!? なにいきなり扉を開けてんのよ! なに? やっぱカマエルって私の裸に興味あるの!?」
「先ほどまで全裸で駆け回っていた奴がよく言う。 それじゃ行くからな」
「あ、ちょっと待って!私も行くから! なんかそっちの方が楽し…」
とカーリーが何かいいかけていだが、その前に扉を閉めてしまった。
「ベルンの街か。 あの街で『アレ』を探せとのことだが、そもそも『アレ』の製造計画は頓挫したのではなかったのか? これは先に『製造者』の方に行った方がいいな。 しかし俺の記憶が正しければあの者はもう…」
とまでいって、男はハッと思い出したようにいう。
「そうか確かあの者はもういないが、その娘がいたな。場所は…スイーンの街だったか。ケビン・ウィルキンスの娘であるミーナ・ウィルキンスは」
そういうとカマエルは教会を出て行くのであった。




