表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/114

第19話 助けられるまで!

目を開けてみるとあたりは一面の砂漠、そして空を見上げると満天の星空だった。


そして目の前には見覚えのある巫女服の少女がいる。だが、その巫女服は明らかに汚れというか煤だらけになっている。



「久しぶりだな、キリ。 なんでそんな汚れてるんだ?」



目の前の巫女服少女、この世界の神さまであるキリにそう聞いた。



「どうしたもこうしたもないじゃろ! 人の家にあんなものこちらに送り込みおって!!」



あんなもの? はて?



「爆弾じゃ! 爆弾!! テロリストか! お前はっ!! 私になんの恨みがあるというんじゃ!」



思い出した。 あの黒ずくめの男が爆発する直前、『後は野となれ山となれ(デスペレーション)』を唱えたんだっだ。



恨みがあるのかと問われればある、山ほど。 だが怖いので言わないようにしておこう。



「あれは仕方なかったんだよ。 というか、俺はここにいるってことはまた死んだのか?」



俺はむくれるキリに聞いてみた。

むくれながらもキリは答えてくれる。




「いや、死んではおらん。少年はここにさっきの爆弾と一緒に来たんじゃ。 突然のことじゃったから、私も急いで結界を張ったんじゃが、見ての通り煤まみれになりおった」



と、キリは巫女服の両袖を持ち上げてくるりと回る。 なるほど確かに全身煤まみれになっている。



それよりもあの魔法、何かを召喚するだけじゃなくて転送もできるんだな。

ただ毎回効果が違うというのはどういったものなんだろうか?

キリに聞いてみるか。

そう思いキリに聞いてみた。



「なぁ、キリ。 爆弾を送り込んだのは謝るし、助けてくれたことは礼を言うけど、俺のこの魔法はなんなんだ? この世界で俺しか持ってないみたいなこと前にあったやつが言ってたんだが」




「少年の『あとは野となれ山となれ』か? それは… 説明するのめんどいな。 少年は『モンクエ』やりこんでるんだったよな?」



「ああ、この世界にくる直前もやろうと思ってたよ」



「それじゃ話は早い。 要するにその魔法は『モンクエ』でいうパル◯ンテじゃ」





は? パル○ンテ? あの『モンクエ』の中に出てくる何が起こるかわからないあの魔法?



「ふざけんなよ! なんで俺が唯一と言ってもいい魔法がパル◯ンテなんだよ! なるほど、だからギルドカードに職業が出ないんだな。 そりゃそうだ、職業遊び人だもん。 出るわけないもん!」



「まぁまぁ、職業が空欄なのはなんというか…私が少年をこちらの世界に送り込んだ時の調整ミスであって、魔王を倒すのになんの問題もない。それにその魔法は少年にもっともあった魔法なのじゃぞ?」



「いや、勇者様ならもっとマシな魔法あっただろ! ベギ◯ゴンとか、ミ○ディンとか! パル◯ンテじゃかなりの割合で余計ピンチになるわ!」


「なら、少年。 その魔法ピンチの時に余計状況を悪化させたか?」



「それは…」



思い出してみると、確かに1番最初のジャックパンサーといい、エスタの時といい、今回といいこの魔法に助けられてきた。



「じゃろ? その魔法は確かに何が起きるかわからないが、少年のその服、勇者の服には戦闘サポート以外にもう1つ効果が備わっている」


「効果?」


「それはな主人公補正だ」




なんだそれ、ただのチートじゃねーか。

まぁそのチート使い、俺なんだけど。



「まぁ世界を救う勇者なんじゃから、これくらい良いだろう。 ステータスは並じゃが、その補正のおかげで死なないし、何度負けても最後は勝つ。 じゃが、主人公補正がついてるからといって勝つ努力を怠ったり油断して舐めプとかしてると普通に死ぬけどな。 あくまでこの世界における少年のサポートみたいなもんじゃ」



「待て待て、主人公補正はわかった。だが、この魔法と何が関係あるんだ?」


「察しが悪いの。主人公補正がついておるからその魔法は本当のピンチの時には助けてくれるが、どうでもいい時にはどうでもいいことしか起きないんじゃ」



とキリは俺に思い出してみろという。



「例えば今回はさすがにあんな狭い空間で自爆なんぞされたらお前のパーティは全滅していたであろう? だから、こっちとしてはたまったもんじゃないが、この広い空間に飛んできた。 そんであのロリ博士の時はピンチでもないのに最初っからこの魔法で蹴散らそうとしたから文字通り何が起きるかわからない魔法になった。 まぁ本当のピンチ判定も実際どうなのか私もわからないがな」




「待て、じゃあもし俺にとってピンチで死にそうな時この魔法を発動してピンチ判定されず、適当なことが起きたらどうなるんだ?」



「おそらく運が悪ければ死ぬじゃろうな。 いくら主人公補正とはいえ、あくまで補正、サポートじゃからな。 そこまで面倒は見切れないじゃろ」



「やっぱクソ魔法じゃねーかっ!!!」



俺はキリに飛びかかった。

戦争だ、戦争しかない。 俺だって喧嘩は負けっぱなしじゃないってとこみせてやる!












「懲りないの。 少年も」




またもやボコボコにされた。

なんで!? 主人公補正ついてるんじゃないの!?

この主人公補正ってのも怪しくなってきた。





「ほれ、さっさとあの世界に戻って魔王を倒してこい」


と扉を出現させるキリ。


俺はいろいろ納得いかないのだが、あの世界に戻るために扉をくぐるのであった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ