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メンデル、4

論外。

バルテニーさんが何を思ってどういう答えからどう導き出されたのか……。

ブロームさんがなぜにあんなに食って掛かったのかも……。

私には見当がつかない。


スライルさんの代わりは現状存在しない。

スライルさんが昔言っていたこれからの方針として民衆から優秀な人材を民衆の中から選ばせるいわば選挙が始まり、民衆が納得いく人で政治を行っていけるようになったらスライルさんの代わりは見つかるだろう。

でもまだ国が誕生したばかりで十分な基盤ができていない。それをする土台作りのために今は過去の実績で、スライルさんの一存で勝手に選ばれただけの人で政治を行っている。そうである以上我々ならまだしもスライルさんを変えるのははっきり言って論外。

戦もそうだが大将の名前も兵を一つにまとめるための大事な要素だ。

スライルという名前が民衆と国を繋いでいる。

スライルさんの状態はどうであれ今彼を表舞台から消すのはもう論外だ。

話し合う価値すらない。議論する気にもならない。



どうでもいい内容の会議は終わり、自分の部屋に戻る。

私は今日忙しい……、今日も忙しいのだ。

兼ねてから計画されていた辻斬りの大規模討伐を実行に移す日が来てやることが多いのだ。つまんない話だから途中で帰ろうかと思ったが、まあそこは大人の責任で……。


私の私兵はざっと1000はいるのだが、如何せん戦場での経験があるものは少ない。そもそも戦闘訓練を受けたことがあるものがまず国中にほとんどいない。戦場はたくさんあったのに個人の戦闘能力を伸ばそうとするものはトルニエ様ぐらいしかいなかった。彼はこの力の重要性を考えて軍学校をつくったのだが、我々の戦いは基本的に数で勝っていたからなー。1000いてもこの辻斬りの強さを考えると何人でかかっても返り討ちに遭うだろう……。せいぜい連絡係として使うのが関の山だ……。

私には個で戦局を打開できる駒が少なくて、なかなか踏み出せなかったのだが……。

しかし……。


自室の部屋の扉を開けると部屋の中で長椅子に腰掛けている2人の青年がいた。


「今回はすまないね。」

私はわざと作り笑顔で声をかける。

「……してやられましたよ。これで貸し借りはなしでお願いしますよ。」

2本の剣を台頭している方の青年が言った。


まさに棚から牡丹餅だった。

まさかこう都合よくぴったりの人材が見つかるとは……。

これも私の普段の行いがいいからに違いない。

彼らの面倒くさいという気持ちもわかるが……。

「そういやそうな顔をするなって、遭遇しなければ何でもない夜のパトロールなんだしさ。」

「そうは言いましても俺達も暇じゃないんですよ。……一度引き受けたからには全力でやりますけど……。ごめんな、フレロレ、巻き込んじまって……。」

「いいよ、グレン。これは仕方ないことだし。」

頼りなさそうな方が返事をする。彼は本当にトルニエ様の学校でトップクラスの成績だったのだろうか……。

まあ、見かけによらず強いのかもしれない……。

名前はグレンにフレロレな。

二人も手練れがいれば戦略に幅ができる。


「理解が早くて助かるよ。後で全員集めて説明する。作戦会議の時間は今日の16時からだ。頼んだよ!」

「はい!」

二人のいい返事をすると、部屋を出ていった。


さてと、ブロームさんにお願いした装置はもうできているだろう。

この前聞いたときはなんか顔面パンチがどうこうと訳の分からないことを言っていて、結局私が考えることになったんだが……。

まあ、私が考えた兵器をしっかり作ってくれていれば問題ないだろう。

……問題ないだろう。

あの人、たまに子供っぽいところあるからな……。


あとは、指揮を執るものが足りないからオーネンスにこっちに来るように言ってあるし……。

何かやること他になかったかな……。

うーん、それでは作戦会議用の資料の配布準備と椅子でも並べておくか……。

いや、そうだ作戦を書き込むボードの準備をしておくか……。




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