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セミ・ファイナル?:とってもくだらない系のショート・エッセイ  作者: 秋月心文


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3/9

カナブンが身をもって教えてくれたこと

 それは暑い日のことだった。

 当時の私は自動車教習所に通っていた。

 あの頃は、若かった。

 だから調子にのってパーマとかあてていた。


 そんなある日のことだ。

 会社帰りで夜の教習を予約した。


 昔のことなので、ハッキリ覚えていないが、確か窓を開けての教習だった。

 バックだったか、S字だったか、あまり得意じゃない系の教習を受けていた。


 そんな時、事件は起きた。

 そう、事件は会議室で起きているんじゃない。

 現場で起きているんだ。

 んん……ごめん、言いたかっただけだ。

 話を戻そう。


 何かが飛び込んできた。

 そして、そいつはパニックに陥っている。

 正体はチラ見しかできなかったが、確かヤツの名前は「カナブン」だ。

 よりによってパーマでカールしているところにジャストフィットし、もがいている。


 バチバチバチ……。

 頭からすごい音がしてくる。

「はい、集中して~。そう、いいよ」

 シレっと、それをスルーしてくる教官。


 バチバチバチ……。

 頭からすごい音がしてくる。

「はい、集中して~」

 運転中だ。それはわかっている。

 止めて外してあげたいんだけど、ダメなん?


 バチバチバチ……。

「止めずに頑張って~」

 ダメらしい……。


 バチバチバチ……。

 だんだん、頭の上のサウンドの回転数が上がってくる。

 めっちゃ、もがいているらしい。


 バチバチバチ……。

 回転数がレッドゾーンに入りそうなサウンドになってきてる。

「はい、集中して~。何があっても冷静にね」


 バチバチバチ……。

 時々、髪の毛が引っ張られるような感覚がする。

「そうそう、頑張って」


 バチバチバチ……。

 気にせずにはいられない。

「集中切らさないで……」


 バチバチバチ……。

「はい、おつかれさん。教習の時間終わりです」


 バチッ、バチッ……。

 心なしか、頭の上のサウンドが弱まっている。

 力尽きたのか?


 トイレの鏡を見ながら、カナブンを取ろうとするのだが、良く見えない。

 しかし、とても絡まっているらしい。

 手探りでなんとか外すことができた。

 カナブンは飛んで行った。


 そして、頭にカナブンの足が残った。

 頭から足が生えている系の状態だ。


 うん、パーマはやめよう。

 そう思った。

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