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二日目:距離
朝、また少し早く目が覚めた。
静かなはずの部屋に、
かすかな気配があることに、もう驚かなくなっていた。
隣を見ると、
春は起きていた。
目が合う。
何も言わない。
ただ、それだけだった。
距離が、分からない。
近づいていいのか、
触れていいのか、
どこまで踏み込んでいいのか。
一歩、近づく。
春は動かなかった。
もう一歩。
それでも、逃げなかった。
試すように、手を伸ばす。
触れる寸前で、止まった。
そのとき、春の方から、
ほんの少しだけ、近づいた。
偶然かもしれない。
意味なんてないのかもしれない。
それでも——
昨日より、少しだけ。
距離が、縮まった気がした。




