DAY 61 海からの帰還で滝と虹と間接だった日
「ああ、楽しい時間というものは過ぎるのが早い、というのは本当だったのですね……気付けばもう帰る時間となってしまいました。みなさま、お世話になりました」
お昼前、料亭西崎の保養施設の前に荷物を持って集合。
西崎華さんが涙を拭い、施設『海の遊び場』の従業員の皆さんに頭を下げる。
「お世話になりました。みなさんのおかげで、夏の良い思い出ができました。ありがとうございました」
わざわざ施設の従業員さんが集まってくれたので、俺も頭を下げてお礼を言う。
「みんなありがとー! スイカゼリー美味かったー!」
「ありがとうございました。また来たいです」
藤浪桃世さんと伊江里クロワさんも頭を下げ、お礼を言い、記念の集合写真を撮らせてもらう。
「それじゃ、帰ろうか。さようなら夏の夢、ただいま現実の辛い時間、さぁ車に乗れ~!」
西崎華さんのお姉さん、楓さんが元気に叫び車に乗り、荷物を運び込む。
「ああ……夏の夢の時間が遠くなっていきます……」
従業員の皆さんに見送っていただき、施設を離れる。
楓さんに車を運転してもらい、来たルートと同じ道で帰る予定。
「華ー、また来ればいいじゃーん。お姉さん、このメンバーならいつでも大歓迎だよ。華が何も隠さず、本性丸出しでずっと笑っていられるメンバーだもんね。貴重だよ、この仲間は。大事にしな」
「はい、そうですね、大好きなこのメンバーで、また来ればいいんですもんね。そうでした、ふふ。はぁ、早く来年にならないかなぁ」
運転席と助手席に座っている西崎姉妹が笑いあっているが、え、来年も来れるの?
「そうだ、帰り道、ちょ~っと寄り道しちゃおうか~。綺麗な滝が見れる場所があってさ、道も整備されてるから気軽に歩いていけるのさ~」
「おー! 滝見たいー! 水流ズドドドドーン!」
携帯端末で検索すると、人気スポットらしい。
滝か、それはぜひ見てみたい。
一応動画も撮っておくか。
「ほい到着~。まずは滝見て癒されて、それから売店でアイスいこっか~!」
「ふふ、ここのアイス、美味しいんですよ。このメンバーと一緒に食べられるのは嬉しいです」
大きな駐車場に車を止め、売店がズラリと並ぶ道を抜け、滝へ向かう自然道へ入っていく。
「ああ、いいですね、ここ。とても映える景色です」
ちょっとした山道を歩くが、キチンと整備されているので歩きやすい。
鳥のさえずりや、道の横を流れている川の音が心地いい。
「おーー! すっげー! 滝ドドドドーン!」
「滝の近くは涼しいですね、ふふ、天然のミストです」
「すっげぇな、滝とか久しぶりに見たぞ」
「誰もいない今のうちに動画撮りまーす。滝の前でこちらを向いて下さーい」
十分もかからず滝まで到着。
誰もいなかったので、いまのうちに動画を撮っておこうとみんなに並んでもらったが、なんの奇跡か、ちょうど三人が並んだタイミングで虹が発生。
「うぉおおおお、虹の門出現、これより我々は異世界へと向かうー!」
「ふぁぁ、虹です! すごい、素晴らしいタイミングですね! 何度か来ていますが、虹と一緒に写れるなんて最高です!」
「すっげぇ、マジで虹だ」
「うひゃあ、まるで観光パンフレットの表紙みたいだ~。映えるねぇ、あっははははは!」
俺の横にいた楓さんも驚いているが、この滝、虹がかかることで有名らしいが、自然相手に狙って撮るのは難しいしな。
誰もいないタイミングで虹を独占出来るとか、運が良いぞ。
その後、まだ虹が出ていたので、一人ずつ写真を撮り、俺とボスでも撮ってもらい、滝と虹を満喫。
「いやぁ、良い物見れたねぇ。あんたら持ってるよ~、あっははは~。じゃあアイスといこっか~」
お店が並んでいるところまで戻り、有名なアイスをいただく。
紫芋アイスというもので、本当に紫色のアイス。うん、とても映える色だ。
「うっまー! マジ紫ー!」
「ほんのり甘くて美味しいですね。ふふ、みなさんと一緒なので、余計に美味しいです」
「美味いな、これ。見た目も可愛いし、好きかも」
おや、伊江里クロワさんにヒットしたみたいですな。
俺もいただくが、うん、色のインパクトがすごいけど、甘さは控えめ。
飽きずに食べられるな、これ。
「じゃあ四人の写真を撮ってあげる~」
「ピーース! 紫ピーース!」
「楓姉さんありがとうございます。ふふ」
「ほら、あーんしろ、あーん」
「え、ちょ、クロワ……甘冷たくて美味い……です」
楓さんが携帯端末を構えてくれ、俺たち四人の写真を撮ってくれた。
伊江里クロワさんがスプーンで俺にアイスを食べさせて来たので、その瞬間を写真に撮られてしまったが、良かったのか?
「あああああー! またクロワが仕掛けたー! ずるいー、私もミャーマとラブラブ間接するー! ほいミャーマー、あーーーっん!」
「うンごっ……! 桃世、すごい速度でスプーン突っ込んでこないで……美味いけど」
それを見た藤浪桃世さんが激怒し、自分のアイスを俺の口に突っ込んできた。
「あらぁ、夏の旅は乙女を大胆にするのね。では私も、はい美山君、あーん。ふふ」
「は、はい……うん、美味しいです……」
西崎華さんもアイスを食べさせてくるが、あの、周りからすっげぇ見られているので、さっさと移動しましょう……。
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影木とふ




