DAY 19 フォトスポットで水着写真撮影と俺の家は溜まり場継続だった日
「あー、向こうにフォトスポットってあるよー。記念に撮ってこー」
お昼、ご家族連れで混んできたのでそろそろ帰ろうかと思ったら、藤浪さんが楽しそうにシャワーコーナーの横を指さす。
見ると、どうやらこの市民プールのキャラクターらしい、丸っこいアザラシのパネルが置かれていた。
「うわ、かわいい……! ね、みんなで撮ろうよ」
和風美人、西崎華さんが丸っこいアザラシを見た途端、目をキラキラと輝かせ始めた。
西崎さん、こういうのが好きなのか。
この時間はスタッフさんが立っていて、サービスで写真を撮ってくれるらしい。
人気なのか結構並んでいるが、これに並べば、お美しい女性陣と一緒の写真が撮れるんだろ……?
絶対に並ぶ。
このチャンスを逃してなるものか……!
「み、みんな、せっかくだし記念で撮ってもらおうか」
「……ああ? 私たちの水着写真が欲しいだけだろ?」
恐る恐る聞いてみるが、金髪ヤンキー女子、伊江里クロワさんには見抜かれていた……。
「別にいいじゃーん。こっちだってミャーマの筋肉姿撮ったし、ミャーマだって私たちのエロい水着姿、欲しいんだよねー? 変なことに使うなよー? あはははは!」
あ、その、絶対ではないですが、お約束します!
毎日眺めるのは確実ですけど!
「あれ、見てください! 今ならアザ丸君のぬいぐるみ無料レンタルだそうです! 行きましょう、私たちのパーティーにはマスコットがいてもいいと思うんです!」
西崎さんが鼻息荒く、ぐいぐい俺を引っ張ってくる。
アザ丸君……ああ、あのアザラシの名前か。
私たちのパーティー……? 異世界物の冒険者じゃあるまいし……まぁよっぽど気に入ったのかな。
子供たちに混じって並び、やっと俺たちの番が来た。
「では、お一人一匹ずつアザ丸君を持って下さい。撮りますよー、はいアザ丸くーん」
スタッフさんの謎の掛け声で、渡した俺の携帯端末のシャッターが押された。
パネルの前に四人並んで立ち、アザ丸君のぬいぐるみを手に持った状態の写真。
「うわっ、うわっ! かわいい! これすぐに私に送って下さい!」
携帯端末を返してもらい確認するが、伊江里クロワさんはいつものムスっと顔だけど、他は全員良い笑顔。
うん、これいい写真だな。
伊江里クロワさん、どう見ても金髪ヤンキーなんだけど、かわいいぬいぐるみを持っているのが、ギャップがあって良い感じ。
しかし、西崎さんがすっごい大興奮だな。
よっぽどアザラシのキャラクターが気に入ったのか。
見ると、売店があって、そこでアザ丸君グッズが売られていた。
うーんこの撮影スポット、絶対に販促目的だよな……まぁ、まんまとだが、西崎さんが喜んでいるし、記念に全員にプレゼントしようか。
「はい、アザ丸君アクリルキーホルダー。今日の記念に俺からプレゼントです」
「……いいのか。ありがとう、毎日持ち歩く」
「うわー、ミャーマからプレゼントだってー! 絶対にこの後は食事に誘われて、夜帰ろうとしたら、今夜は帰さないよ……とか言ってくる布石だー!」
「アザ丸君! うわ、ありがとうございます美山君! すごく嬉しい、大事にしますね、ふふ」
みんな喜んでくれたようで何より。
そして最近気付いたが、藤浪桃世さんの言うことはスルーしても大丈夫、ということが分かった。
「じゃあ今日はここまでということで。みんな、泳ぎ疲れているだろから、しっかり休んで……」
「えええええー、ミャーマー、お腹すいたー!」
市民プールから出て解散しようとしたら、藤浪桃世さんからクレームが……。
え、ああ、もうお昼過ぎましたしね。各自帰ってご飯を……
「……なんだ、お前のデートってこんなにあっさりなのかよ。こっちは明日まで時間取ってあるっての」
「お昼は美山君の手料理がいいなぁ。だって美味しいし」
あれ、伊江里クロワさんと西崎華さんからも不満の声が……え、あっさり……?
俺、デート初めてで、スケジュールの組み方を分かってないんですけど……ああそうか、デートってご飯までがセットで当たり前なのか。
「じ、じゃあ俺の家に来てください。美味しいお昼、作りますので」
「やったー! プレゼントからのお持ち帰りコースキター! 今夜は帰れないってことだー!」
藤浪さんのセリフはスルーしたほうがいいことも、ある。うん。
「スーパー寄ってこうぜ。昼と夜の分買っていかないと」
「お昼は美山君にお任せして、夜は私たちで作りましょうか。ふふ」
え、あの伊江里クロワさんに西崎華さん、昼と……夜の分?
一か月のダイエット計画が終わったけど、俺の家って普通にみんなの溜まり場で継続なのね……。
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影木とふ




