2/5
序章 side─××××─ 呼応
何処からだろう、私を呼ぶ聲がする。
目を開けても、そこには何も見えない。
そもそも私は、いつからここにいたのだろう。
名前も、姿も、何ひとつ思い出せないのに、その聲だけは胸の奥まで真っ直ぐ届いてくる。
――――だれ?
初めて聴く声。
なのに、どうしてこんなにも懐かしい気がするのだろう。
――――あ、そっか
私は、ずっと『彼《あの人》』が呼んでくれるのを待っていたんだ。
――――ずっと、さびしかった
でも、もう大丈夫。
何処にいるのかも、どうやって行けばいいのかも分からない。
それでも、彼のもとへ行けることだけは、何故だか分かった。
――――待っててください
「すぐ、逢いに行きますからっ!」




