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序章 苦艱
――ただ、虚しかった。
別に、卑屈になっているわけでは無かった。
好きだからこそ。恋焦がれるからこそ。
願っても、叶わない。
望んでも、届かない。
それでも、毎日その声を聴いた。
同じ言葉、同じ笑顔だと分かっていても、それだけで満たされるはずだった。
けれど、好きになればなるほど、触れられない虚しさだけが鮮明になっていった。
きっと、この先もずっと――。
――けれど、もしも。
この願いが、叶うなら。
この望みが、届くなら。
――他に、何も要らない。
嗚呼、どうすれば、彼女に。
貴女に、会えますか――。




