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第五章~初共闘・トイペの怪異~

その日の依頼は、ある小学校の体育教師からのものだった。




「先ほど私が、トイレに仕掛けておいた隠し撮りのカメラを


 回収しようと女子トイレに忍び込んだんです。


 そしたら化け物がいて、何か叫んでいたんです。


 こんな話誰にも言えなくて、それでここに来ました・・。」




二人は眉を潜めた。


みぎゃ子が言う。




「え、とりあえず、サラッと犯罪告白、やめてもらって良いですか?


 別にココ、懺悔室とかじゃないんで。


 怪異の報告だけで良くないですか?警察に突き出すの、


 色々と聞かれるし面倒なんですけど。」




更にT氏が続ける。




「まぁ、アンタの性癖についてはオレらがどうこう言えるわけじゃねぇ。


 けど、とりあえずその怪異は何とかしねぇとな。」




簡単な事務手続きと前金受け取りを済ませて、二人は現場へと向かった。




現場は学校の女子トイレという事もあり、既に騒然としていた。


警察が呼ばれていたものの、何もする事は出来なかったようで、


肩に切り傷を負い、保健室の先生から手当を受けている。




みぎゃ子が人だかりに声をかける。




「ハイー、皆さん、どいてどいて~、霊能力者が来ましたよ~。」




決して威圧的ではなく、しかし仕事の邪魔をしないでくれと軽妙な口ぶりで


人だかりの間を縫いながら現場へと足を進めた。




そして、怪異と邂逅した。


圧倒的なトイレットペーパー感。


いや、そもそも怪異自体がトイレットペーパーだとは聞いていたが、


あまりにもトイレットペーパーそのもの過ぎて、言葉を失う。




T氏が言う。




「てめぇの主訴は何だ?一応、聞いてやるよ。」




怪異は答える。




「モウ、私達ハ人間ノ臭イ尻ヲ拭クタメダケノ運命二懲リ懲リダ。


 清潔ナ仕事ガシタイ!」




T氏が答える。




「そりゃあちょっと、無理ってモンだぜ。


 現代人ってのは良いモンばっか食ってるし、その穢れが余計に


 くっせぇケツを作り上げる。それを拭きとるのがお前らの使命だ。


 逃げる事は出来ねぇよ。なぁ、みぎゃ子。」




「え、ちょ、女の子にそれ聞く!?


 とりあえず、ノーコメントで!」




「女の子・・?(ボソッ)」




「あーもう、そこツッコまないの!


 ホラ、サッサと除霊するよ!」




二人は怪異の攻撃をサラリとかわしながら、体術により


打撃や蹴りを加える。しかし相手は紙の怪異であり、


あまり決定打は得られなかった。




「チッ、紙の怪異相手じゃあ、やっぱり打撃は効かねぇか。


 かと言って火じゃあ建物が燃えちまう。


 おい、みぎゃ子、こんな時はどうする?」




するとみぎゃ子は、待ってましたとばかりに水道ホースを手に持ち、




「やっぱ、コレでしょ!水に霊力を込めて、最大水圧でぶっかける!


 ビショビショになったら、あとはトイレに流す!」




「おぉ、良いじゃねぇか。


 しかし、自分から女の子とか言っておきながら、ぶっ掛けるって、


 まぁ別に構わねぇがよぉ。」




少し呆れた顔を見せながら、T氏はみぎゃ子の放出したホースの水に


念を送り霊力を込める。


それが怪異に当たり、苦しみ始める。




「グワァァァァァ、セメテ、セメテ、生マレ変ワルナラ、


 舐メ犬二ナリタイ・・・」




そう言いながら徐々に小さくなり、やがては単なる濡れた紙になった怪異に


T氏が言う。




「舐め犬とトイレットペーパーって、あまり変わらねぇじゃねぇか。


 臭ぇ所を拭き取るという意味で、お前さんの運命は変わらねぇよ。


 舐め犬に生まれ変わったら、もう二度と悪さするんじゃねぇぞ。」




こうして二人の初共闘は静かに幕を閉じた。


そうして現場には、水に濡れて中身を確認出来なくなったカメラだけが


静かに個室の上の方で、また次の怪異になる様子を見せているのだった。

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