第三十九章~黒みぎゃーとの対峙~
みぎゃーは、夢を見ていた。
しかしそれは最近のハーレムのようなものでは無く、
暗く深い森の中を抜けその先に大きな存在が待ち受けているものだ。
最初は疲れているだけと気に留めていなかったが、次第にその内容が
あまりに続く事が気にかかり、やがてそれはT探偵事務所から実際に
その場所まで行けるようであるという事に気付いた。
みぎゃーはある日、その事を事務所のメンバーに語った。
みぎゃ子
「え、何それ、怖。でもある意味、黒みぎゃーに辿り着くための
何か大切な情報なのかも知れないわね。」
ユキちゃん
「そういったものは深層心理と結びついている事があるようですから、
自身の半身としての黒みぎゃーに結び付いた記憶かも知れませんね。」
黒みぎゃ子
「だったとしたらさぁ~、やっぱ、途中に四天王とかいるのかな?
この前の天穿ノ剣戟よりも厄介なヤツらが前衛にいたら、
結構面倒そうだよね~。」
白みぎゃ子
「そもそも黒みぎゃーがどれほどの力を持っているかもわかりませんもの。
慎重に、だけどあまり時間は無いようにも思いますわ。
最近、霊力が5000近いもの達が増えています。
このままでは一般社会への影響も大きいですし、私達以外対処出来るのが
トーナメントで戦ったような方々くらいしかいませんから、
非常にマズいですわ。」
Tさん
「まぁ、どうせいつかは辿り着かなければいけない場所だ。
よし、行ってみるか。ヤバいと思ったら、すぐに引き返そう。
今の俺達じゃあ、立ち向かえない相手である可能性もあるからな。」
こうしてTさん達一行は、みぎゃーの夢の通り、複雑な経路を辿りながら、
その先にある真実を確かめる事にした。
森を抜けて、川を渡り、鍾乳洞のような場所を潜り抜けて。
明らかに踏み外せば命を落とすような崖を飛んだりもした。
もちろん霊力を使いながらだが、それでも険しい道すがらだった。
黒みぎゃ子
「ねぇ、本当にこんな人の足跡が全くないどころか、
動物すら入った形跡のないような場所に何かあるの?
単なる行き止まりで終わるんじゃあ・・・。
そもそも、帰りどうするの?」
黒みぎゃ子がブツクサと文句を言っていた時、それは目の前に現れた。
明らかに、人工物のようであり、しかしこんな場所に一体誰が作ったのか
全く不明な、場違いな構造物、大き過ぎるダムのような壁。
そして、およそ普通の人間が使うわけが無い、数十メートルはある扉。
どう見ても、現生の人類の為の施設では無かった。
Tさん
「コレは・・・まるで巨人用だな・・・。」
白みぎゃ子
「巨人・・・ネフィリム。巨人は確かに存在したよ。
私は見た事は無いけれど。」
みぎゃ子
「え、じゃあ、本当にここ、巨人の作った施設なの!?
今ももしかして、居たりして!?」
ユキちゃん
「いえ、さすがに今はもう存在していないのでは?
と言うより、これだけ大き過ぎる構造物、
見ていると何だか不安になって怖いです。
みぎゃーさん、近くに居ても良いですか?」
みぎゃー
「うん、良いよ、ユキちゃん。
だけどね、いつも僕が見ている夢では、
この扉を開いた先に何か黒い大きな影が居るんだ。
それが巨人なのか、黒みぎゃーなのか、
それとも別の何かなのかはわからないけれど。」
みぎゃ子
「だったら、ここまで来たからには行くしか無いよね。
黒みぎゃ子、魔法で開けられる?」
ーしかし、その瞬間、扉が内側から開いた。ー
そして、その奥には身長がみぎゃーの倍ほどもある、
黒い大きな存在があった。
???
「ほう、やっと来たか、みぎゃー。そして、みぎゃ子。」
Tさん
「お前は、誰だ!?」
???
「寺生まれのTか、お前の探偵事務所にコイツらが集まって来たんだな。
お役目ご苦労。しかし、つまりはお前の役割はもう終わりだ。」
Tさん
「どういう事だ!?
お前、黒みぎゃーを知っているのか!?」
???
「知っているも何も、私が黒みぎゃーだ。
感じぬのか?この圧倒的な霊力を。」
黒みぎゃーと対峙する六人
今まさにみぎゃー達の前に立っている存在こそが、黒みぎゃーだった。
黒みぎゃー
「クク、探したぞ、半身よ。
まぁ最も貴様は、悪意が抜けて腑抜けのようになっているが。
どうせ残ったものと言えば、役に立たぬ善意や正義心、あとはそうだな、
個を生き延びさせるには何も役に立たない、性欲くらいか?」
黒みぎゃーはクスクスと嗤った。
Tさんが霊力を測定する。
「う、嘘だろ・・・?
霊力、じゅ・・・・じゅう・・・ごまんだ。」
みぎゃ子
「霊力、15万!?」
黒みぎゃ子
「おいおい、マジかよ、アタシ達が束になっても、
敵いっこ無いじゃん・・・。」
黒みぎゃー
「フフ、最初は単なるイタズラだったのさ。
私と貴様が同じだった時はな。
それはまるで、性交の際にゴムに穴を開けるような感覚だ。
大きな結果を招く事を軽視して、手間は少なかった。」
みぎゃ子
「どんな例えだよ・・・。
ったく、キモい所は分裂しても一緒なんだな。」
黒みぎゃー
「フン。キモいキモいと、これまでも随分とソイツに言って来たようだが
貴様も同じ”みぎゃー”から生まれた存在だ。
それはわかっているのだろう?同族嫌悪か?」
みぎゃ子
「いや、最初はキッカケはそうだとしても、もう既にアタシは、
自分の自我を持って動いてる!
いつまでも同一の存在だとか、そういう目で見んな!!
だから、キモいって言ってるんだよ!!」
黒みぎゃー
「よかろう、ではこの圧倒的な力を前にしても尚、戦おうなどと
無謀な挑戦をすると言うのだな?」
みぎゃ子
「どうせアンタがコイツをここに呼んだ理由なんて、また同化して、
更に完璧な心身を手に入れるとか、そんなとこでしょ?
コイツはお前なんかに渡さないっつーの!」
Tさん
「来るぞ・・・こんなヤツの攻撃喰らっちまったら・・・
一発でお陀仏かも知れねぇな。
チクショウ、先に生前葬しておくべきだったか・・・。」
不意に始まってしまった、黒みぎゃーとの最終戦。
しかしそれは戦いと呼ぶにはあまりにも一方的な力の差だった。
Tさんやみぎゃー、みぎゃ子達にユキちゃんは、
果たしてこの絶望的な状況を乗り越える術はあるのだろうか。
それとも、ただ成す術も無く蹂躙され、
みぎゃーを差し出して世界の混沌を加速させてしまうのか。
いよいよ始まった最後の戦いはどのような結末を見せるのか!?




