第三十七章~いたずら好きな紫みぎゃ子達~
その日、T探偵事務所には珍客が訪れた。
「ちわ~っス!
紫みぎゃ子ちゃんズで~す!!」
見るとそこには、紫髪のロングでゲーミングテックウェアを着た少女と、
同じく紫髪だがミディアムヘアで、オーバーオールを着た少女がいた。
Tさん
「おぅ、何だ何だ、また、みぎゃ子シリーズの子か?
もうこっちは今でも6人、この事務所には手一杯なんだよ。
冷やかしなら、帰ってくれ。」
そう言って冷たく追い返そうとしたTさんを、みぎゃーがいなした。
「じゃあ、僕が話を聞くよ。キミ達可愛いし、フヒヒッ。」
みぎゃーは鼻の穴を大きくしながら、奥の方へと二人を通した。
「それで、今日は一体どんな用事かな?
もしかして、僕に告白とか?」
(うわ、キモ・・・)
ミディアムヘアの紫みぎゃ子がボソッと言った。
ロングヘアーの紫みぎゃ子が言う。
「そうですね、今日来たのは、まず、これを見て欲しいんです。」
そう言って取り出したのは、砂時計のようなものだった。
みぎゃーはそれをジッと注視した。
すると、急に目が回り始め、意識がクラクラとし始めた。
紫みぎゃ子達
「トリックオアトリート!!イタズラ大成功~!!」
ハロウィンでも無いのに、何なんだこの子達は。
そう思いながら、みぎゃーは意識を失ってしまった。
目が覚めると、みぎゃーは見覚えのあるドライブイン風の場所にいた。
そして自分を取り囲む複数の人影に気が付いた。
「ん、ここは・・・?」
みぎゃーハーレム
周囲に目をやると、そこにはみぎゃ子やユキちゃん、
白みぎゃ子に黒みぎゃ子、紫みぎゃ子達。
そして何故かメイドみぎゃ子がいた。
場所はどうやらあのドライブインが廃墟になる前の、
運営していた頃の様子のようだった。
畳敷きの為、リラックスしてくつろげる空間だった。
テーブルには温かいステーキやお茶やお菓子が用意され、
至れり尽くせりな空間だった。
おまけにおかしな事に、まるでハーレムのような状態だったのだ。
みぎゃ子
「ほぅ~ら、よしよし~、アタシに良い子良い子されるの、
案外悪くないだろ?」
白みぎゃ子
「パパ、つ~かま~え~た~。もう絶対、逃がさないんだから。」
黒みぎゃ子
「ね~ね~、このまま一日中、パパとくっ付いていて良い?」
ユキちゃん
「もう~、皆ダメだよ~、ダーリンは私のダーリンだよ?」
その様子を見守る、紫みぎゃ子達とメイドみぎゃ子。
何だ、この状況は。ハーレム展開なのか。
コレは一体、何なんだ。
みぎゃーは嬉しいシチュエーションにも関わらず、
正気を取り戻し始めていた。
「夢よ、覚めろ!!」
そんな、どこかで聞いた呪文を唱えて、コレが罠の類である事を理解し、
必死に起きようとした。
水着の紫みぎゃ子達
「ありゃ~、起きちゃったかぁ~。
じゃあ今度は、もっと良い夢にしてあげるね♥」
起きた瞬間、二人の服装が水着になっていたような気がした。
つまりはまだ、半醒半睡なのだろう。
しかし、みぎゃーはまた、眠りへと入ってしまった。
みぎゃーハーレム
次は、どこかの部屋の中でさっきより露出の高い服装をした皆がいた。
今回は何故かバニーみぎゃ子が増えている。
夢だから、設定が甘々だ。しかし、夢の中に居る本人は気付かない。
みぎゃ子
「ねぇ~、ホラ、このボディースーツ、どうかな?似合う?
気に入ったら、触っても良いんだよ?」
黒みぎゃ子
「パパ~、一緒に泳ぎに行こうよ~!」
ユキちゃん
「体操服・・・こういうの、お好きですよね?」
コレは正直、たまらない!
みぎゃーはそう思ったが、普段のみぎゃ子を思い出し、
コレは夢だと再び気付いた。
そしてまた、呪文を唱え始めた。
「夢よ覚めろ、夢よ覚めろ、夢よ覚めろ、夢よ覚めろ・・・。」
「ヤバい、また気付き始めてる!もっと夢を強めなきゃ!」
そんな声がどこからか聞こえた。
そして、みぎゃーは夢の中で意識を失った。
気付くとそこは先ほどの部屋よりも、もっとプライベートな空間、
もはや寝室のようだった。
先ほどよりも人数は減り、女の子の格好はより過激になり、
そして何よりみぎゃー自身が裸だった。
もはや髪の色が変わってしまったみぎゃ子が言う。
「ねぇ~ん、このまま皆で、良い事しよ?」
ユキちゃん
「そうですよ。せっかく皆でバニーガールに着替えたんですよ。
たくさん、楽しみましょ。」
もういっそ、夢でも良い!
流されたい・・・!!!
そう思ったみぎゃーだった、が。
「コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ、
コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ、コレは夢だ!」
強い意志で、この夢のような夢を跳ね返した。
「僕は、現実に戻る!!」
その瞬間、「あっちゃあ~」という声が聞こえた。
気付くとそこには、タヌキを抱いた紫みぎゃ子達がいた。
「キミ、意思が強いねぇ~、ここまで良い夢見せられて、
それでも現実に戻って来るなんて。
現実が、そんなに良い場所なのかな?」
みぎゃー
「そのタヌキが見せていた幻術って事か。
あぁ、この世界は僕にとっては、現実世界の僕が創りだした現実だ。
好き好んでここにいる。だから、夢なんていらないんだよ。
みぎゃ子やユキちゃん、Tさんや白・黒みぎゃ子達との日々、
それだけで十分なんだよ。」
「そっかぁ・・・なら、仕方ないね。
良い夢見させて、ずっとそこで暮らさせてあげようかなって
親切心で来たんだけど、いらないなら仕方ないね。
それじゃあ、バイバイ、またね。」
そう言って二人と一匹は帰って行った。
みぎゃーは内心、少し惜しい事をしたかも知れないと思った。
しかし学校帰りに事務所にやって来たユキちゃんが、
「わぁ、みぎゃーさん、お疲れ様です!
今日、わからない宿題があったので、教えて貰えますか?」
と、すり寄って来てくれるのを見て、現実も悪くない、と思った。




