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第三十三章~ドライブイン怪異~

その日、T霊界探偵事務所のメンバーは全員、満身創痍だった。


前日の霊界トーナメントで全力を出し切り、幾多の傷も負い、


精神的にも疲れ果てていた。




Tさん、白みぎゃ子はユキちゃんの回復以降は自身で


自然回復を待つ他無く、ただ安静にしていた。


黒みぎゃ子は、名も無き悪魔を召喚して


対戦相手を食わせられなかった罰として自身の霊力が食われ、


ほぼ霊力無しの状態であった。


ユキちゃんは度重なる重傷の回復で疲れ果てていた。


唯一、天使と悪魔の力によって復活したみぎゃ子は万全かと思われたが、


一度死んでしまった事と、まだ自身の力のコントロールが上手く出来ず、悶々としていた。


一方で、新しく入ったメンバー、作者自身であり、分身でもある


みぎゃーは、ユキちゃんや白・黒みぎゃ子を眺めてニヤニヤしていた。




みぎゃ子


「おい、お前だからそれ、止めろって(汗


 アタシには目を向けないのがまた、


 余計にリアルにキモいから。」




みぎゃー


「え、何?みぎゃ子も視姦されたいの?」




みぎゃ子


「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、冗談抜きでマジでキモいって言ってんの!


 こんなヤツ、仲間にするの認めるんじゃなかった、本当に(汗」




ユキちゃん


「ま、まぁ、それだけ愛情が深い方なんですよ、きっと。


 素敵な方に解釈しましょう?」




みぎゃ子


「ずうぇ〜ったい、ヤだね!


 コイツ単なる変態だよ、ユキちゃんそのうちコイツに食われるよ、


 気を付けな?」




その時、事務所の電話が鳴った。


Tさんが電話に出る。




Tさん


「はい、こちらT霊界探偵事務所。


 どうされました?」




「はい、はい、えぇ、あぁ〜、なるほど。


 それは…今すぐ、ですか。


 えっ!?そんなにお支払い頂けるんですか?


 わかりました、向かいます。では。」




みぎゃ子


「どしたの?依頼?」




Tさん


「あぁ、隣県の潰れたドライブインなんだがな、


 そこで怪異が発生しているらしくてな。


 それで、中に肝試しで入った若者達が怪異に睨まれて


 逃げられなくなっていて、その中に大企業の御曹司がいるらしいんだ。


 救い出してくれたら1000万出す、と。」




みぎゃー


「い、い、い、一千万!?


 単位はゼニーじゃないよね!?」




Tさん


「どこの単位だ、それは(汗


 もちろん、円だ。さぁ皆、行くぞ。」




黒みぎゃ子


「え、アタシ、役に立たないよ?」




白みぎゃ子


「私も、傷だらけで…。ごめんなさい。」




ユキちゃん


「多分今は霊力が底を付いていて、


 回復出来そうにありません。」




みぎゃ子


「なぁんか、あの時以来、上手く力が引き出せないんだよね。


 もしかしたら、前より弱くなってるかも。今、一時的にだけど。」




Tさん


「まぁ、皆そりゃそうだよな..。かと言って、みぎゃーは霊力8の


 一般人だしな..まぁ、仕方ない。逃せん案件だ。


 あまり強く無い怪異である事に期待して、行こう。」




みぎゃ子


「何か、そんな風に言う時に限って、めちゃ強いヤツに遭遇しそう(汗」




Tさんのワンボックスカーを、途中でみぎゃーが運転交代しながら


廃ドライブインを目指す。




1時間半後に着いたそのドライブインは、異様な空気感を醸し出していた。




見ると駐車場には高級車が一台停まっている。


肝試しに来た御曹司達のものだろう。




Tさん


「うん…。何か微妙に霊気が漏れて来てる気もするが、


 大した事無い方に賭けよう。そもそも今回は倒さなくて良いんだ、


 救出するだけだからな。行くぞ!!」




しかし、入り口は見事に塞がっていた。


どうやら2階の開いている窓へと梯子を渡し、


そのまま中に飛び入ったようだった。


建物外観に倒れている梯子をかけて2階の窓へと向かう一行。


しかし降りる時にも梯子があった方が安全だとの事で、上手く全員が


登り切った後に梯子を引き上げ、今度は建物内側へ向けて梯子をかけた。




降りてみると、対角線上の向こうの方から物々しい気配や霊力を感じる。


ソーっとそちらへ近付くと、やがて怪異によって隅に追いやられて怯える、御曹司とその仲間達の合計3人がいた。




Tさんが「助けに来たぞ」と言うと3人は泣きながらTさん達の方に向かって駆け出し、みぎゃ子が「向こうに梯子あるから、使って逃げ出しな。」


と言うと、「ありがとうございます!」と、震えながらも力強い声で言い、走って逃げて行った。




「さて…と。」




Tさんが言った。




「怪異の霊力は、12800。いつだかの多面宿儺以上の霊力か。


 全員が満身創痍の中でこれは…逃げるしか無いな、今回は。」




しかし、こんなに強力な怪異を前に上手く逃げ切れるのだろうか。




「行くぞ!!」




Tさんの声を皮切りにして、全員が一斉に走り出す。


しかしどうにも、ユキちゃんが逃げ遅れてしまう。




「こっちだ!!手を掴んで!!」




勇敢にも、みぎゃーが少し引き戻り、


ユキちゃんの手を掴みグッと力強く引っ張る。




「あ、ありがとうございますっ。」




しかし、尚も怪異は追い続けて来た。




「あ、あったぞ、梯子だ!!」




Tさんが言う。




しかし、怪異はもうすぐそこまで来ている。




「クソッ!登ってる余裕がねぇ!!」




そこで突然、みぎゃーが申し出た。




「僕がもう一周、怪異を引き付けて走り続けるから、皆は先に出ていて。」




「そんな事したら、お前は…」




「早くして下さい!さぁ怪異、こっちだ!!」




挑発された怪異はみぎゃーを追い、


また一周ドライブインの建物内を走って行った。




みぎゃ子


「どうしよう…。」




Tさん


「とにかく、全員サッサと登れ!


 俺が最後まで待つ!!」




しかし、ユキちゃんが言った。




「Tさん、先に行って下さい。


 私なら大丈夫ですから、ちゃんと最後に梯子を登ります。」




Tさん


「いや、しかし…」




ユキちゃん


「早くしないと、また怪異が来ちゃいますよ!!」




Tさん


「ユキちゃん、必ず付いて来いよ!


 お先だぜ!!」




しかし、Tさんが登り切ったのを見てもユキちゃんは動かなかった。




Tさん


「おい、ユキちゃん何してる!!


 早く来るんだ!!」




ユキちゃん


「……来た。」




そこへ、建物内を一周逃げ回っていたみぎゃーがまた戻って来た。




みぎゃー


「ちょ、ユキちゃん、どうして逃げてないの〜!!


 僕もう、ヘトヘトだよ〜(汗」




その時、ユキちゃんがなけなしの霊力で呪文を唱えた。




「物理結界!!」




怪異は一瞬戸惑い、動きが止まった。




「さぁ、早く登りましょう!!」




「ユキちゃん…霊力ほとんど無いはずなのに…ありがとう!


 よし、ここを出よう!」




皆がそうしたのだが、梯子をわざわざ逆側に置き直す時間等無いので、


2階からそのまま草むらへ飛び降りる事になる。




みぎゃーは、ユキちゃんを抱き抱えて飛び降りた。




"ズキンッ"




地面に衝突した衝撃と、2人分の体重で着地に物凄い負荷がかかり、


みぎゃーの体にダメージが行く。




みぎゃー


「ぐぅ…!!…ユキちゃん、大丈夫、か?」




ユキちゃん


「みぎゃーさん!!


 私は平気。それよりも、ありがとう。


 囮になって、着地も庇ってくれて。」




みぎゃー


「当たり前の事をしただけだよ。


 皆、生きてて良かった。」




この一件以来、皆のみぎゃーを見る目が変わった。




無駄に死闘を繰り広げさせた変態野郎から、


無駄に死闘を繰り広げさせたちょっとマシな変態野郎へと


ランクアップしたのだった。




更にこの翌日、みぎゃーとユキちゃんの間にとある大きな変化が起こるのだった。

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